第4話 資本主義を捨てた後の世界

 資本主義を捨てるとどうなるのか?何のために資本主義を捨てるのか?


 というのは、その先にある世界を想像することで見えてくると思います。私たちは今様々な問題を抱えています。というより、問題だらけと言っても良いのではないでしょうか。


 その結果、先行き不安を感じる人が多いのです。それに対して、例えば政府の政策は期待できないモノばかりだし、実際に殆ど未来を明るくすることはない。ただ、財政赤字が膨らむだけで、それもまた不安になるのではないでしょうか。


 お金を使って動かした世界が、今やお金では動かなくなってしまった。今日の政府が何となく無策に見えるのですが、本来政府とはお金を配る事しか出来なかったという事かもしれません。


 それをかつては公共投資という名目で呼んでいただけのこと。今や政府も企業も投資する材料がない。言い換えれば、それだけ社会基盤が整備されたという事ではないかと思います。


 その結果、投資対象が激減した。それは社会の発展が止まることをいますると思います。今騒いでいるのが自動運転とか電気自動車とか新しいモノを作るのではなく、今あるモノの性能を高めようとするだけ。


 その結果は、便利になるということと失業者が増えるという事ではないかと。これでは、経済が成長するのではなく劣化するのは明白ではないかと。


 これが頑張れば頑張るだけ苦しくなっていくという構図なのです。


 明治以降の150年で日本人は物凄く便利で快適な環境を手にすることが出来ましたが、その反面、人としての能力は格段に落ちて行ったのです。だから、問題が山積するのです。


 そういう中で国家も企業も家庭も八方塞になりつつあるのではないでしょうか?


 それがお金のもたらせた結果であり、お金を使うことで考える力を失ったから起こった状況だと考えるのです。


 そして、お金を捨てるということは、お金で解決が図れないという状況を招くわけですが、それが人の持つ潜在能力を高める力となるのです。


 脱資本主義というのは言葉を変えれば、人間力を再生させるという事になります。


 人間力と言うのは、金儲けが出来ることではありません。むしろ、お金を使わず全てを解決する能力です。お金がない時代のご先祖たちがフルに使っていた人間だけが持つ力です。


 あらゆる困難を乗り越える力さえあればお金は要らなくなるのではないでしょうか?


 夢みたいに聞こえるかもしれませんが、お金がない時代が我々には長いわけで、我々の先祖はその力に依って生きてきたのは間違いないと思うのです。


 だから、今は失ってはいますが、潜在能力と誰もが持っていると思います。だから、それを蘇らせようという事なのです。そして、先祖たちと圧倒的に違うのは、様々な科学技術を手にしているという事です。


 何の技術もなかった先祖たちは人間力だけで頑張ってきたことから見れば、これだけの環境を持った私たちからすれば赤子の手をひねるレベルではないかと思うのです。


 後は考え方次第なのです。その辺りを次回お話しようと思います。

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