9-3 黙示録の騎士

相手の進行方向の少し先、その鼻っ面に……


「シュゥゥゥゥゥゥトッ!!」


トリガーを引くと重力やらなんやらにあんまり左右されないビームが真っ直ぐ伸びていき、アホウドリの1体の頭を貫いた。


「よしっ!」


『うわほんとに当てやがった……ですわ』


『私等も負けてられにゃいにゃ』


『守備隊!マッシブアーマー隊は上空を!その他は地上の群れを!撃ちやがれですわ!』


メイミの号令で地上・空中問わずの機銃掃射が行われていき、弾の壁と雨で次々と敵が砕けていく。

あ?あのタコ、足の下キャタピラだったんか。サルは……背負ってたタンク、火炎放射器だったみたいで引火して火だるまになっとるな。

あ、ポリタンクに引火して爆発した。

旧海洋都市レヴィアにざっと200体の訳分からん奴等が押し寄せてきてはや10分弱。

いくら200体のバケモンの群れとは言え、別世界で完全な兵士と言われた守備隊のエースが中心で暴れまわり、都市の守備隊の一斉射撃が降り注ぐのには流石に耐えられん。


『こちらMr.E。敵性存在は確認できず』


「あいよー。こっちも確認。そっちに合流するわ」


あたいとあたいを手に乗っけてる都市のボスであるメイミとメイミの乗るジョセフィーヌエイトがMr.Eが暴れてた中心に向かうとMr.Eが機体のチェックを降りて行っていた。


「Mr.E、ぶっつけだったが機体の方はどう?」


「悪くない。調整はいるがな」


こっちは問題なしと。


後は周りのぐっちゃぐちゃの残骸集めて色々調べないと……


『……高速で接近する物体1!速いですわ!』


咄嗟に自身の機体にMr.Eが乗り込むと同時にその機体が目前に迫ってきた。


「速ぇ!?」


『クッ……!』


脚部のローラーをフル回転させたMr.Eのその場にぶっといビーム粒子が叩きつけられた。


「Mr.E!」


『……なんとかな』


離脱出来たみたいだが、今の攻撃は……

土煙が風に流される中、黒塗りのその機体がゆっくりと身を起こす。

右手には出力高そうな銃に、左のその手にはビームサーベル……更に両肩にも!?


「げ!あのぶっとさ!両肩のはハイパーの方か!?」


『急になんじゃい!カチコミキメてくれでんじゃねーぞゴラァ!……ですわ』


切れ散らかしつつ最後に「ですわ」て。

メイミ、取り繕ってる意味無いぞ。

しかし……この機体、間違いない!


「あたいがプレバンで欲しかったトーリ○リッター!!」


てこたぁ銃はナックルバスターか?

あれ?確かコレはEパック方式だったからハイパーの方か。

出力落ちてんのにハイパーとはこれいかに?


『プレ…?何ですの?』


「いやなんでも」


ごちゃごちゃ考えてる場合じゃねぇな……てか、これ完品じゃね?

全体的に錆びてっけど、どのパーツもしっかりしててついでに目まで赤い……赤い?排熱ダクトなんかも金色だあ。


「やっべぇ!だから速かったのか!!」


こーしちゃいらんねえ!

あたいはアサルトライフルからバズーカの方に変形させ、即効バイクモードにしてなんとか回避し続けてるMr.Eの元へ飛び出す。


『ケイト!?』


「説明は後だ!メイミ達はブースト効かせてジグザグに動き続けろ!蜂の巣にされっぞ!」


とか言ってるとMr.Eを頭のバルカンで撃ちながら盾をこっちに向けてきた。

それも使えるんかい!


「当たる訳にはぁ!」


あたいも大きめにジグザグに動き回ると同時に盾の上部から5本のぶっといが!

こちとら生身の人間だからギリ避けすら蒸発しかねんて!


『今盾から出たぶっといのなんじゃい!?』


「5本のメガ粒子だ!戦艦落とせるから食らうんじゃねーぞ!」


『エグいて!』


そっちの持ってるそのライフルの倍は出力高いし?それにどんな武器でも当て方次第で戦艦落とせるし?

ともかく、トーリスを止めないと。


「グランドロア!」


『はいな!』


「生命反応は!?」


『無いっす!』


無いかー……てぇ事は勝手に動いてるか、死体乗っけてるか。

だったら。


「相手のOS…HADESにアクセスできるか!?」


『ハデス?なんすかそれ?』


「暴れまわってるトーリスのドタマにある戦闘用オペレーティング・システムだ!うわっとお!」


『流石に無理っす。距離的には問題ないっすけど、この速さで動かれると安定しないんで』


「ならっと!直ならどうだ!?」


『それなら……うーん。最低でもコクピットからなら』


「センサーっ……からなっらっ!どう!?」


『……今やってみたけど変なプログラム?に阻まれて無理っす……うっわ、侵食仕掛けてきたっす!このっ!このこのこのこのこのこのこのこのこの!』


「大丈夫か!?」


チラッと見た腕の端末の画面でグランドロアが片手でペチペチ何かをはたき落としてた。

イメージ映像にせんでもええんちゃう?


『こっちのが性能上なんで片手間で対処出来るんすが……ぶっ叩いてもぶっ叩いても!無限かよ!?』


あー……やばそうだな………だったら!


「Mr.E、メイミ!少しの間注意を反らしてくれ!」


『……了解した』


『何する気じゃい!?』


「One-Inch Boy Attackだ!」


————————————————————

補足


発掘兵器トーリ○リッター

この機体は、世界的に有名なロボットアニメの第一作目の外伝として描かれた作品(ゲーム)に登場した機体の最終型であり、最大の特徴は特別なオペレーティングシステムである。

この機体には、特別な存在を倒す為に作られたシステムを元に別アプローチで開発されたシステムが搭載されており、システムが発動するとカメラ部分が緑から赤に変化する。

また、機体の性能がオーバーヒート寸前まで(120%とも)引き上げられ結果、排熱口等が高温になり金色に発光する。

リミッターを強制開放して100パーセントの機体性能を引き出すとともに、教育型コンピューターの流用により、最適解をパイロットに伝達あるいは強制的に機動する。

また、敵対者の脳波からの思考を先読みする感応装置も搭載されている。

このシステムに対応、協調性を高める為、パイロットは、投薬などによって人為的に身体能力や精神伝達系の強化を施されるとともに、システムの「一部」となるために無用な思考を鈍らされ。

結果、パイロットに多大な負荷がかかり、結果として記憶障害を発症する。

発掘兵器が多いこの世界において、完全な状態(錆びてはいる)で起動している珍しい機体。



※(ちゃーらーらーらっらーちゃーららっらーらー)古来より、人は自身より巨大な存在へ立ち向かう事は、多くの物語にて知られている。

天までのびた木に登る少年しかり、竜の王と戦う勇者しかり。

しかしてそれは、真なる勇気か、はたまた蛮行か。

次回「ゲロイン」

時計塔に挑む騎士にならぬように。

(ちゃんらーちゃん!)


今回(も)投稿が凄く遅れたのだ!

ちょっと補足書くネタが無かったのだ!

申し訳ございませんでしたのだ!

稚拙な作品をお読み下さり有難う御座います&80000PV突破感謝なのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

ガンブレイベント、ストライクベースにするかゼータ系にするか(顔のみ)

なんだよお題「主人公」って。

第一話なのか最終話なのかで作り変わるわ!(偏見)

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