8-21 リビルド
あれから2日後。
粗方の指示、指導が終わりやっとゆっくり出来るように。
「ちょっと良いかしら?」
ファミリーから用意された宿でゴロンゴロンしてるとお嬢……メイミ・クラウデンがやって来た。
「これはこれはお嬢様、このような場所に何用で?」
「にゅ……あなたが見つけた我がクラウデン家の機体についてご報告を」
お嬢様って言われてちょいイラッとしたな?
こき使ってくれた事への可愛い可愛い意趣返しだ。
ファミリーの頭張るならこれくらいはかーるく受け流せ?
「ありゃあ偶然見っけたもんだ。どう扱うかはそっち次第。報告なんかいらねーよ」
「そうもいきません。残念ながらあなた以上の腕のいい技師はそうそう居ませんので」
んなこたぁねーだろ。
「四番鉄工所のジイさんとか八番製鉄の親方とかいるだろ?」
「個々においては、ですわ。全てにおいてはおりませんことよ?」
「ハッ!ジョーダン。あたいは力ねーから鋳造できねーし溶接だってガス溶接だけだ。基本プログラミングも1からは無理だ」
と言うかめんどい。
「ともかく。我がクラウデン家の御先祖様とその愛機を見つけていただいた事に変わりはねぇで…ありません事よ?」
今、ねぇですって言いかけたか?
「ですので、あなたには復活した御先祖様の機体を見届ける義務がありますわ!」
ねぇよんなもん。
「どーせ、不具合が無いかとか気になる部分見ろってんだろ?」
「ぎくっ!………そ、それも有りますけど!あの機体がかっこよくなったのを見ていただきたいのですわ!!」
かっこよく?
まあ、元が元だし?
んで、お嬢専用もといゴーンファミリー専用の格納庫へと連れてこられたのだが。
「どうです?格好良くなったでしよ?」
確かに
脚部や腰部は
それ故、ブースターとかじゃなく搭載用の形をしてるが……無くても問題なし。
2つだけだが下部にブースター付いてるし、地上じゃあ空飛ばん限りジャンプ用だけで良いしな。
左右の腕が別物なのは、見つかんなかったか。
「色々と調べましたが、消失していたボディ下部とバックパック、腰周り、脚部パーツ、後頭部も見つかったのですが、肩から下は見つからなかったので、倉庫に眠ってたのを接続部を改良して取り付けてみましたわ」
ほーん。
右と左が別のやつかー。
右は肩に円形のシールドが付いていて内側にライフルか近接武器どっちかを収納出来るのか。
左はシンプルだが、肩が丸く元々近接用だった感があるな。
「良いんじゃね?腕違うぐらいは良くあるし。で、何が気になんの?」
「実はバックパックがご覧の通り何かしらを背負える形してますわね?でも現状搭載できる物は無し。ですので何か無いものかと」
「無くても良いんじゃね?無理に積まなくても軽くて良いじゃん」
「ワタクシとしましては火力か機動力が欲しいのですわ」
「だったらバックパック改造して別のなんかをくっつけたり、バックパック自体を別のにするとか。発掘品に何かあれば出来んだろ」
コンテナ搭載できる利点は多いが、ガラッと変えるのも有りだ。
用途やパイロットのスタイルってのでカスタムするのはリーダー機の特権みたいなもんだし。
「そうですわね。少し探してみときますわ」
まー、改造大変だけどご随意にって事で。
パーツ自体は探せば埋まってんだし。
2日後
「出来ましたわー!」
「どぅわぉっ!びっくりしたー!」
まった人がゴロゴロしてる時に急に飛び込んでくるとは………。
「よーやく組み上がりまりたわ!」
「まりたわって……」
噛んでんじゃん。
「こほん……ともかく、あなたのお陰で素晴らしい機体に仕上がりましたわ」
「まー出来たんなら良いけど、あたいが?なんかしたっけ?」
「あなたが教えて下さった発掘ポイント。そこに埋まってたパーツのいくつかが有益な物だったのですわ」
なーる?
じゃあ、型式無視した組み合わせになったと?
ともかく見に行ってみるか。
「これが新たにリビルドしたクラウデン家伝統の新機体ですわ!」
伝統の新機体ってなんだよ。
新しいのか古いのか……どれどれー?
いや、変わりすぎ!
脚部はグランドロア寄りの末広がりの重装甲で、見るからにハードポイントが多い。
むしろ、その脚部をグランドロア用にしたいぐらいだ(重装甲好き)。
腕部は変わらず別々の物だ。
んで、バックパックが新しく大型の物に変わってて、バーニアと一体型で加速度重視っぽい?出力次第で短時間なら飛べそう。
ボディと大きさ違うから無理矢理溶接で止めてやがる………。
まー、ここまでは良い感じだ、何の問題も無い。
だが、最大の問題はそこじゃ無い。
「そして……この機体の最大の特徴は!このっ頭部じゃい!!……ですわ!」
丸みを帯びて下膨れ感満載のフェイス。
頭部中央に赤く煌めく六角形の謎パーツ。
左右に向いたピンと立った無駄にでかいハードポイント……だよな?ブースターとかじゃ無いよな?
つまり…………。
「顔だけ猫耳ロボット!!」
「どーです!とってもキュートでしょう!!あーんかーわーいーいー!」
「どっから見っけてきたんじゃー!!」
どー見ても可愛い顔のマッチョじゃねーか!!
元の機体の頭部よりでかいじゃねーか!
こんなんバランスが……いや?
みょーにあってる?
いやしかし……でも可愛い?
だがしかし、いやしかし……。
あたいもうわかんない。
「………こ、この際だ。頭部の形状は良しとしよう……で?カワイイを見せるだけで呼んだんじゃねーよな?」
「ええ。コクピット内部が旧式ですので扱えない事も無いのですが、もう少し扱いやすくならないかなと」
「てーと?」
「あなたが使った機体……あの機体の操縦系統がとても使いやすかったので同じ物は無いかと」
あー……あのザウォちゃんね。
出来っかなー?
「メーカーやらなんやらが違うからなぁ。グランドロア、あの系統の機体有る?」
『そうっすねー、今なら7番製鉄に何機か有るっすね。コクピットはそれで賄えますけど、モニターどうします?全天周囲にするならサブカメ増やさないと。頭部もにゃんこになってるんでセンサーとか不明な部分も調べないと』
「だよなー……姿勢制御とか火器管制とかのOSも下手すりゃ組まないとなー……」
『そこはうちが取り替えた後やるんで』
「すまね」
「お手数おかけしますわ。とにかく7番製鉄ですわね?指示しておきますわ」
こりゃ最短で3日はかかるかな?
あたいは何時戻れるんだろうか………。
————————————————————
オマケ
メイミ・クラウデン専用ジョセフィーヌ
この機体は荒野に埋まっていたジョニー・クラウデンの機体胴部を元に発掘した資材で修理・改修した機体である。
元々現地改修機を発掘、修理した機体だった為瞬間火力が高くバランスの取れた機体だったのだが、メイミの手によって重装甲陸戦タイプへと変貌を遂げた。
この機体の最大の特徴は脱力感漂う頭部と重装甲故の重量であっても短時間の飛行を可能にしたバックパックのバーニアで、他の機体のバーニアと違い姿勢制御には使えない分推進力と頑丈さが高く、フルブースト時の速度と突進力は宇宙軍のナイトを軽く上回る。
また、猫型の頭部ユニットは見た目以上に性能が高く、各センサーやメインカメラの暗視機能は一級品である。
ただ、額部分にある赤く煌めく六角形の謎パーツはグランドロアでも解析できず、謎のままである。
※(ちゃーらーらーらっらーちゃーららっらーらー)過去の力は時を超え組み上げられた。
そして、目覚めた力は新たな主と共に荒野を駆け抜ける。
次回「リブート」
目覚めし獣は荒野に咆哮す。
(ちゃんらーちゃん!)
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座います&80000PV突破感謝なのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
余ったパーツどーしよ……。
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