8-16 謎

7日目。

流石に此処のスクラップだけじゃ新しく作るのは難しくなってきたな。


「こ、この機体が……」


「中佐、自身の機体中央政府に置きっぱだろ?だもんでコイツを使ってくれー。性能的にはかなりのもんだから、軍の発掘量産機なんて目じゃないぜー?」


「せ、性能は!?」


「割りと化け物だぜ。コイツの特徴は近接格闘用の接近戦モードで、見た目がゴロッと変わり更に接近戦モードでは水中に強く、距離も場所も問わない万能機だ」


「素晴らしい……」


「武装は通常時手持ちのライフルにビームソード2本、接近戦モード時にはクローと仕込まれてるビームバルカンだ。接近戦モード用の背面装甲下部にマウントされてるビームガン2丁をも使える。あと、組み立てた時に調べたが、全方位アクティブスキャンと撹乱用のアクティブジャマーも修復可能だったので直しておいた。ただ最大の特徴である特別なシステムだけはどうしようもなかったから、代わりにグランドロアが作ったサポートプログラムを突っ込んどいた」


「盛り沢山じゃないか!」


特別な機体ではあるし?

それでもあのシステムが無いからちょっと弱いんだよな〜。

とは言え、機体名アスクレプオス……何でこんなのが埋まってんだか。

とは言え完品ではなく、バラバラに埋まってたし予備パーツも無いから、決戦までに用意しなきゃならねえんだよな。


「予備が無いから作んなきゃなんねえ。中佐、自腹切って、ついでに被弾ゼロを目指してね?」


「うぐっ……」


頑張ってお支払ください。

さて、後はあたいの機体探しか………。

こればっかはグランドロアとあたいの土石術式振動感知で虱潰ししかない。

だが、直感だがアレに対抗出来る機体、埋まってそうなんだよな〜。


「……さよかー。こっち手ぇ空いてんの……1人ぐらいや……おん?……せやせや、とびっきりの美女送るさかい……せやで。凄腕も凄腕。ついでにパツキン美女やし、たった2人で特殊部隊撤退させた片割れや……ほな任したでー………ケイトはん、出向してくれへん?」


「社員でも美女でもねーんだが?」


「成長したら美女になんの見たらわかるわ。手伝ってくれたら中佐の予備パーツ、安ぅしたってもええで?」


「よーし行ってくれ今すぐ行ってくれ我が家の家計の為に!!」


「わーった!わーったから!!」


そないにガクガクしないでもらいたい。

首いわすって。

て、事で向かうポイントを教えてもらい単身出発。

もちろん、バイオウェポンアジ・ダハーカバイクモードで。

精神力使うから休み休みなんだが、1時間ぐらいなら割りと平気だな。

にしても………。


「やっぱ結構な数埋まってんなー」


『流石にスクラップですけどね』


「それに割りと深いから大規模工事にしないと予備にも出来ねえ……種類わかる?」


『某宇宙世紀が多いですが、別宇宙の棺桶とかも有りますねー』


「それってスコタコ?」


『太っちょさんと亀さんも。あ、ちょっとそこの岩場の下、掘ってください』


「爆破工事しかできんが?」


『何の為の土石術式です?そんなに深くないのでモリモリッとやっちゃってください』


……忘れてた。

あたいならある程度なら掘れるんだった。

一度止まって岩場の下を掘っていくと。


「これは……コクピット?MAクラスの胴体が埋まってんのか?」


『だけみたいですけどね』


ハッチが無いから中まで土ギッチリだな……おっと、パイロットさんが永眠なさってる。


「………天にまします我らが神よ。彼の者を導き給え……」


『ケイトさんが十字を切るの珍しいですね』


「一応クリスチャンだからな……死者には敬意を払わにゃ。で?何がいるんだ?」


『えっと、そこのコネクターに繋いでもらえます?大昔に何があったのか気になって』


そら、気になるな。

コネクタを埋めてる土を退かし端末を繫ぐ。


『………運が良いです。このパイロットさんは機体にフライトデータ以外にも音声データで日記を残してました』


「じゃあ、休憩がてら聴かしてもらおうかな」


『再生しますねー』


————————————————————

『統制暦1046年8月1日。これを聞いてるのが誰かは知らないが、聞いていると言う事は俺は死んだのだろう。自己紹介……と言うのも恥ずかしいが名乗っておこう。俺はアイファズフト軍マッシブアーマー部隊所属ジョニー・クラウデン少尉だ。もし時間が経っていなかったら、このデータを海洋都市レヴィアに住むリテシアと言う女性に渡してくれ。……リテシア、先に死んで済まない。愛してる。これからは君の人生を歩んでくれ』


『統制暦1046年8月2日。次にもし、見つけたのが遙か未来だった時用に何が起きたのか残しておく。統制歴1003年、地中から既存の技術にない物……このマッシブアーマーが掘り出されたのが全ての始まりだった。そしてその発見を待ってたかのように別次元からあらゆる兵器が送られてきだした。理由はわからない。恐らく誰も。種別も機種もバラバラだったが、それにより世界各国の技術力、特に軍事力は数世紀分は飛躍したとされている。ただ、送られてくる機械の中には危険な機械もたまに送られてくる。とびきり危険なヤツが…………さて、出撃の時間だ。もし帰れたら続きを残す』


『統制暦1046年8月6日。なんとか生きている。今日は危険な機械について話そう。あれは公的には……(ガサガサと何かを漁る音)あった。統制歴1022年5月、連合国政府の発表で別次元から送られてきた物の中に、超高性能コンピューターを発見。修復に成功し、通信速度の改善や各技術面のシミュレートを行い、更に技術力が向上、世界的技術革新を成した。だが……ハッ!ソイツのせいで世界中このザマだ!……すまん、取り乱した。その超高性能コンピュータの名前はノヴァ。今現在、世界中の人類が戦っている相手の名だ……と、今日はここまでにしておこう』


『統制歴1046年8月7日。今日は非番の為機体のメンテがてらに喋る。ノヴァについてだったな……修復されたアイツは最初は従順だった。発見されるこのマッシブアーマーはひと括りにそう呼んでいるが使われている技術やパーツの規格がバラバラで修復が困難だったのだが、ほぼ無傷の機体や解析及び修復をノヴァが行っていた。だが、1年前、ノヴァが各国の中枢をハッキング、全世界の主要都市に向けて大量破壊兵器を放った。最初はどの国も敵対国の攻撃と思ったが違った。どの国も迎撃用プログラムが機能しなかったんだ。ノヴァに仕組まれていたんだ。各主要都市を失った各国は被害が少なかった海洋国家アイファズフトに集結。ノヴァに対し影響を受けていないマッシブアーマーを掻き集めた部隊を編成、今に至る。だが……ノヴァはこちらが集結中に自身の拠点でマッシブアーマーを大量に生産していた。そこからは泥仕合だ。向こうはこちらの機体を破壊、回収し増産、こちらも相手の機体を乗っ取り、他国で生産した機体が到着するまでの繫ぎにする。物量では勝っているのだが、ノヴァの作る機体はどれも性能が高い為、一進一退が続いている……どうやら奴さんは他人の休日を邪魔するのが好きみたいだ……すぐ出る!』


『……統制歴1046年8月10日。最悪な自体になった。他国のマッシブアーマー製造工場が全て破壊された……今ある機体で戦っていくしかない』


『統制歴1046年8月……何日だ?………15日か。連戦続きだ……だが、少しずつ前線を押し広げて行っている。ここが踏ん張り時だ』


『今日、とても嬉しい事が起こった!別次元から送られてくると話したが、このタイミングで最高の機体が送られてきたんだ!!今、その機体のパイロットをお偉いさん方が探しているらしい。何でも格闘戦に特化した機体らしく、最強の格闘家を乗せるつもりらしい。俺には無理だが、天は我等を見捨ててはいなかった!』


『統制歴1046年8月20日。件の機体が戦線に合流してから次々と新たな機体が別次元から送られてきた。ノヴァ軍との取り合いになってるが、なんとか競り勝っている。それと言うのも不思議な青年がやってきたからだ。昨日、同じ部隊になったので少しだけ話をしたのだが、何でも病で死んで気が付いたらこの世界に来ていたらしく、右も左も分からなかったがノヴァの事を聞いて駆けつけたらしい。彼については……よく分からないな。だが、1つだけ言えるとしたら、彼はアメイジングだ。通常のマッシブアーマーに乗ると凄く……弱い。だが特定の機種、もしくは車両を扱わせると誰にも負けない。彼曰く「戦車でモンスター倒すのはハンターの領分」だそうだ。その彼に明日、専用の機体が来るらしい。ともかく、敵の本体まで後わずかだ』


『統制歴、1046年…8がっ!ゴホッ!ゴホッ!……30…日………俺は……ここ、までだ……後に、続く者達に……たく………』


————————————————————

『以上っす。音声データと共に当時の地形情報やその超高性能コンピューターの本拠地データがあったので纏めとくっす』


「………頼む」


色々と興味深い部分が出てきたな。

少なくても500年前にも機体に乗って戦ってて、その超高性能コンピューターとやらとの戦争で荒野になったと。

んで多くの機体は地中に埋まって発掘兵器になったと。

転移自体は当時からあったみてーだが、原因は不明なまま。

んー………格闘戦特化の機体か……見てみたいが流石にぶっ壊れてるだろうなぁ。


『データ纏め終わったっす』


「じゃ、聞きながら向かうとしますか」


あたいは勇敢なる戦士に敬礼アーンド端末ポチッとし、目的地へと向かった。


————————————————————

おまけ


グレッグ「転送装置……でいいのか?作業進捗はどうだ?」


カリン「3割ちょい?」


サユリ「ぐらいですね。地球最高の奇跡を再現するのでまだまだかかりますね」


グ「奇跡ねえ……そりゃこっち宇宙でも研究中のモンだからな……で、実質どれぐらいかかる?」


サ「なにせ偶然繋がった代物なので、地球の機器をそのまま再現しないといけません。ので、組み立てに時間がかかるんです。それが終われば後は早いんですけど」


グ「そうなのか?」


カ「プログラムが補助」


グ「地球産のプログラムか……嫌な予感がするのは俺だけか?」


サ「グランドロアほどはっちゃけてはいないですよ」


グランドロア『呼んだー?』


グ「呼んでねーよ!あー……頭痛の種が増える気がする……」



※(ちゃーらーらーらっらーちゃーららっらーらー)海洋都市レヴィア。

かつて海洋国家アイファズフトの首都と呼ばれたその都市で、新たな出会いを果たす。

耳を澄まし聞こえてくるは潮騒か、それとも嘲笑か。

次回「嘲り」

天使の笑みは火のついた導火線。

(ちゃんらーちゃん!)


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座います&80000PV突破感謝なのだ!

某2サイトでバンマス中佐専用機とガン○ンク上げといたのだ!

今回ちょろっと出てきた不思議な青年が乗っていたのはガン○ンクだったり、音声データを残したジョニーさんが乗ってたのはE○8だったりする裏設定なのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

ゴットとザ○とガンタ○クのPVの伸びは異常。



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