8-7 鉄錆団
しばらく姉貴の教育が終わるのを皆でお水飲みながら待ち、鉄錆団の拠点へと向かった。
着いた所はスクラップの山。
この横のは車両か?潰れちゃいるが、こんなデザイン地球製じゃねーな。
こっちは……なんかの装甲板。
こいつはボロボロだが、なんかの機体の腕か?ん?この丸いでっかい鍋みたいなの……こ、こいつは!?
『ケイトー行くぞー』
姉貴に促されちゃあ無視できないが、めっちゃ漁りてぇ……。
「グランドロア、データファイルのG-sのDBと同じデザインのヤツ、スキャンしといて」
『………これは楽しみですねぇ。代価燃料が有れば……有りそうですねぇ』
「『フフフフ……』」
さてさて、割と身近に丸ごと1台分埋まってるのを確認できたし、細かい打ち合わせはおっさん達に任せて色々見て回るか。
一旦、機体をハンガーに収めて降りると、色んな人に驚かれた。
「驚いたな……」
団長さんかな?
割と髪長いなー肩まで伸びてる。
右目は眼帯付けててガタイは良い。
黒のスーツ着たら棺桶担いで2丁拳銃でスタイリッシュなガンアクションしそう。
「え?は?マジ?マジで?こんな子供が!?団長に!?中佐じゃなくて!?」
金髪に上に上げたほうき頭はザ○のパイロットかな?お調子者感満載だ。
「やだ……可愛い……」
こっちはディープアームズのパイロットだな。
短髪の赤髪で女子プロレスラーな感じ。
姐さんって呼ばれてそう。
「………!」
この無口君が主人公君だな。
黒髪ショートのThe・主人公でさっきの戦い方から、大剣持って「あんたって人はー!」とか言いながら突っ込んで来そう。
「あー……あたいはケイト、んでこっちが姉貴のケイト」
「よろしくな、新兵共?」
「「「ひいっ!?」」」
姉貴、あんま脅すなよ……団長さん以外がビビってんじゃん。
「では、我々は打ち合わせをしてくるが……」
「細かい事はお任せで、ちょっと見て回る。姉貴は?」
「あの!」
おっと?主人公君が声を上げたー?
「俺に…俺に戦い方を教えて下さい!!」
すんごい勢いで頼み込んできたな。
あたいが教えても良いが………。
「姉貴」
「わーった、分かったよ!ケイトはなんか見つけたんだろ?なら必然的に俺じゃねーか。代わりにやる事終わったらそっちの鶏頭は任せた」
「えー」
「い、いやー、オレっちは別に良いというかやる事があると言うか……」
「お前も鍛えてもらいな」
「姐さん!?」
「この中で一番弱いのはトニー、お前だろ?副団長命令だ」
「そんなー!?」
ふみゅ、女性…確かアンジュさんだったか?は副団長さんか。
割とスキがないから適任者なんだろうな。
ま、鶏頭鍛えんのもあたいが見っけた物と被るから丁度良いや。
「ではヘンリー少尉、ケイト…妹さんの方の護衛につけ」
「ハッ!」
「巻き込んですまんな」
「いえ!中佐が動いて下さっていた事実だけでも……自分はどこまでもお供します!何でも仰って下さい!」
ヘンリー君もお仲間って訳だな。
さて、やる事やるか。
先ずは格納庫へ行きつつ。
「トリーじゃないトニー君は何歳?」
「へ?17だけど……」
「少尉は?」
「19です。もう直ぐ20になります」
ほーん。
「なら歳が近いもん同士仲良く行こーや」
「失礼ながらケイト殿はお幾つで?」
「18〜」
「1個上かよ!?嘘だろ!?」
「そう驚くなって。宇宙じゃ見た目なんて関係無い種族が多いんだ」
ここは端末から前撮った写真を見せてやるか。
「ふぉ、ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
うっさ。
「ここここのびびび美少女やら美女達は!?」
「こっちのちっこいのがドワン族のタミー軍曹で、頭は触手だけど超絶美少女がテレンテテーレ人のピフピヘット、この美女はマリアさんで姉貴のお母さん。こっちのマジメ美人が副艦長のエリーゼさんで、これがあたいの専属オペレーターのミレイ。んで、こっちは整備班の…」
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
トニーは有頂天だ。
「マリアさんはまだ30代で、エリーゼさんは20代。他は大半あたいと変わらん」
「確かに……見た目と年齢は一致しない。階級も……世界は広いな」
宇宙ですけどね。
何気に美男美女の集まりだからなー。
と、盛り上がってきた所でよ。
「トニーの機体って量産機の再生品だよな?」
「おう!1から部品集めて作ったんだぜ!苦労したぜー」
「へぇ。軍では完品しか扱わないから凄いね。僕等では作れないね」
「そーだろそーだろ!」
トニーの名は伊達じゃないってか?
1から組み上げたのはマジで凄いが。
「でも性能低いよね?」
「ウグッ!」
悪くは無いが再生品だから、元よりも性能落ちてんだよな。
しかも、周りの団員の機体は試作機やら専用機やらワンオフの化け物ばっか。
流石に見劣りするんよな。
「さてさて、トニー君。そんな君に朗報だ」
「ふえ?」
「グランドロア、スキャンは終わったか?」
『はいはーい。座標指定するんで引っ張り出して下さーい』
「うお!端末にちっちゃいケイトさんが!?」
「これがサポートAI……ここまで流暢に喋るなんて……」
「じゃ、採算度外視の超高性能機、掘り出しますか!」
————————————————————
オマケ
その頃のエンハンブレ
グレッグ「グランドロア、何か分かったか?」
グランドロア『んー……サブが動いてるのは分かるんですが、何と言うか……そうですねめっちゃ遠い』
グレッグ「遠い?」
グランドロア『正確には近くて遠いですね。特に反応がバラバラな場所で観測出来ちまいますので………』
グレッグ「要領を得んな……ミレイ、観測された場所は分かるか?」
ミレイ「ダメです。全域に及んでおり1つに絞れません……」
グレッグ「ふむ……反応有り…全域に…近くて遠い場所……あー……何かの作品で観た気がする……」
エリーゼ「ケイトの秘蔵作品集ですか?」
グレッグ「そうだ。その作品の主人公が気がついたら異世界にいてロボットに乗って戦って中盤から元の世界に戻ってきて戦うやつ」
サユリ「久々に戻りましたよ艦長」
グレッグ「サユリか。工房での依頼ご苦労だった」
サユリ「機体の設計だけじゃなく各種興行のアドバイザーまでやるとは思いませんでしたよ」
グレッグ「申し訳無い、隊長はお祭り事に関しては鬼になるから……あ、そうだ。サユリなら知ってるんじゃないか?」
サユリ「何をです?」
グレッグ「ケイト達の居場所に関する事なんだが、グランドロアとミレイの観測結果なんだがな」
グランドロア『サブの反応があったんすよ』
ミレイ「でもその反応が全域に及んでいて、バラバラ過ぎてどうすれば良いか分からなくて」
グランドロア『距離もなんてーか近くて遠いって感じでさぁ』
グレッグ「で、前にケイトの秘蔵作品集に異世界行ってロボットで戦って帰ってきても戦うやつ、そんなのがあったなと」
サユリ「分かったのは分かったんですが……全域に反応があって近くて遠い理由も」
グランドロア『マジっすか!』
グレッグ「教えてくれ。思い出せないのは正直気持ち悪い」
サユリ「分かりました。えっと、艦長の分から言いますと、聖戦士ダン○インですね」
グレッグ「それだー!!そうだよそれだよ!タイトル分かってスッキリしたー!」
サユリ「で、全域に反応があるのは当然で、ダン○インに合わせるなら、狭間の地になるのでこっちの次元と別の次元との間の狭間世界となります。丁度椎間板みたいな?世界なので反応自体近いのだけど、別次元なのは変わらないので遠い」
グランドロア『なるほど!』
ミレイ「全域なのは何故でしょうか?」
サユリ「分かりやすく説明するなら……剥がし残し?テープとか剥がしたらちょこちょこ残ってたりするじゃない?その残ってる部分が宇宙での軽度の重力場ね。重力場は研究で別次元に繋がっている……と言うか、極端に次元の壁が薄くなってる場所と研究結果が出てますよね?それを応用して亜空間通信の技術が出来ましたしね。今検知しているのはその場所で、センサーは円形に波形が飛びますし、向こうのサブも同じく全方向にセンサーを飛ばしてるなら全域に検知しているのも理解できます」
エリーゼ「ではケイトさん達の居場所は別次元で確定ですか」
グレッグ「では、どうすれば迎えに行けるのかだな」
サユリ「行けたのなら帰れるはず。自力では難しいでしょうが、こっちから引っ張り上げれれば……本人達を確認できれば呼べるはず」
グレッグ「引っ張り……あぁ、召喚魔法ってヤツか」
サユリ「理屈はそうですね。術式に有ればいいんですが」
グレッグ「あったかな……気は進まんが術式のスペシャリストに聞いた方が早いか」
サユリ「居るんですか?」
グレッグ「居るさ。自称魔法少女が」
サユリ「もう誰か分かったわ……」
※(ちゃーらーらーらっらーちゃーららっらーらー)来る前は近くにいた存在も、着いた時には行方しれず、彷徨い歩いたこの荒野。
必ず見つけると決めた決意を胸に懐き、出会った者はイカれた天使。
その出会いは偶然なのか必然なのか。
次回「放浪者」
投げられた賽は叩き落とす。
(ちゃんらーちゃん!)
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座います&70000PV突破感謝なのだ!
ストックがもう無いから毎日更新は出来なくなってるのだ……出来次第上げるのでまったり待っててもらえると有り難いのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
某2サイトにて鉄錆の世界での機体を上げてるのだ!良かったら見てくださいなのだ!
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