転移
8-1 砂と瓦礫と岩場の荒野
艦長の盛大なやらかしから数日。
色々と問い詰めたい事もあったが、艦長自身が後日にってんで後回しにして、あたいは工房へと来ていた。
「すまんケイト。俺がこっちに来てたせいで」
「私からもごめん。ここんとこずっと忙しくて……」
「いいってサユリに姉貴。新しい機体の為に来てたんだしよ」
新しい機体の設計やらなんやらをずっとサユリは工房で作ってて、そのデータ取りやらパイロットの要望の為に姉貴が呼ばれてたんだよ。
その為、出撃出来なかったんだが、あたいからしたら早く完成させてもらった方が有り難いからな、問題ねーんだよ。
「にしても、サユリはえらい長い事缶詰めだったのな?隕石戦艦の時も出てこなかったし」
「あ、あー……あの時はファクトリーの方とかギルドの方とか行ってて……ね?」
何か色々駆けずり回ってんな……。
「大丈夫か?アエードーンもずっと置きっぱだし、あの死神みたいな機体も工房に置きっぱだしよ。地球人で1番宇宙を駆けずり回ってんじゃね?」
「いやー……カリンさんからの依頼とかもあってね?お姉さんの機体以外にも数機ほど設計とテストしてたから……」
はぁ?死神で駆けつけてくれた時からそんな経って無いぞ!?
「前に会ってから1ヶ月も経ってねーのにそんなに作ってたのかよ!」
「大体の設計したら
「お陰で俺の機体ももうすぐ完成だ」
めっちゃ早いな!?
お兄様軍団、最近狂ったように新作のMA作ってねーか?
「あ、そだ。グレッグ艦長から2人に連絡があったんだ」
おん?あたいと姉貴に?
「本当は私とお姉さんに来たんだけど、私は別件で手が離せなくて。で、Wケイトにって。ギルドからの指名依頼よ」
ほーん、指名依頼ね。
「依頼内容は物資の運搬。本来ならエンハンブレⅡを指名してきてたんだけど、教団に狙われているから、潜入や戦闘の能力が高い2人がシャトルで運搬した方が成功率高いからね。Uランクのお姉さんと同等の能力を持ったCランクの2人が選ばれたの」
ほむ……確かに教団に狙われているとは言えあたいと姉貴なら安心か。
ギルドで唯一無二の最高ランクである姉貴とランクは登録しただけだけど、ほぼ同等の戦闘力なあたいが組んだらそら安心だ。
2人共死なねーし。
「あたいは良いが姉貴は?」
「問題無い。運ぶ物資はギルドで?」
「みたいね。ただ、教団に見つからないようにする為に輸送機での行動だから、そこ注意ね」
グランドロアは使えないか。
まー、姉貴も機体無いし?暇するより良いか。
「ギルドで受け取っての配達ね。宛先は?」
「軍の旗艦みたいね」
お!って事はようやく馬鹿でかい惑星サイズの旗艦を見れるのか!
「そんなキラキラすんな。良いもんじゃないぜあそこは。区画整理で入れない場所もあるし娯楽なんて下町しかねぇし。俺の顔で本部も行けそうだが貴族主義のクソ野郎ばっかだし。あんな伏魔殿、いや万魔殿行きたくねー」
「ボロクソだな。あたいも中までは見る気ねぇから運んで終わりにしようぜ」
てー事で準備してギルドへー。
なんやかんやで次の日になったけど。
「じゃあ、ちょっくら行ってくるわ」
「はいお姉様、お気をつけて」
「ピフピヘットも研究やら開発やらで忙しいだろうが…」
「はい!研究しすぎないようにします!」
ピフピヘットは前回の巨人戦の際に、色々研究してたらモーリアンの整備不良と言うまさかの事態になり、整備し終わったと同時に終了したと言うおマヌケな事になり、めちゃくちゃ後悔しているんだと。
てっきり重要案件に掛かりっきりだとあたいは思ってたんだがな。
全然いーんだけどなー。
彼女とお兄様軍団が頑張ってくれてるから、ピアースやキャバリー、通常機体にDMCシステムを搭載とかが出来てるからな。
性能面で見ても、ファイターですらあたいやサユリが20%上げたのに対し、更に効率を上げファイターが初期のソルジャー超えそうな勢いで性能が上がり、そのソルジャーも最新機ナイトレベルに。
当然、マリアさんのグロリアスナイトも納品時から20%近く性能が上がってる。
そこにあたいが報告したDMCシステムの自律化による術式のMAでの使用が加わった。
そら、艦長でなくても発狂レベルで笑うわ。
「とりあえず僕はグランドロアとニーズに協力してMA版術式を搭載機のパイロット達にレクチャーしておくよ」
「頼むリック。教団の本隊がいつ動くか分かんねーから準備だけはしときたいからな」
「了解した」
と言っても遅くても数日で戻るが。
「じゃあいってくるぜー」
3日後
「なー……姉貴」
「なーんーだー……」
今あたい達の目の前には、それはそれは広大な景色、見渡す限り砂と瓦礫と岩場の荒野だった。
「ここどこ?」
————————————————————
その頃のエンハンブレⅡ
グレッグ「最近の収支ヤバイな……儲かり過ぎだろ……ん?通信?なんだ?」
グランドロア(以下ド)『艦長!大変っす!!』
グ「グランドロアか。どうした?」
ド『消えたっす!』
グ「消えた?何がよ」
ド『ケイトさんの生命反応がこの世から消えたんです!!』
グ「…………………は?いやいや、教皇様から聞いてるだろ?アイツは死なないって」
ド『違うんですよそうなんですよ!』
グ「落ち着け。どっちかわからん」
ド『あー!とにかく!!プツッと消えたんですよ!!』
グ「……要領を得んな。それは殺されたとかか?」
ド『違います!急に消えたんです!』
グ「急に……エリーゼ!DMCしょ…いや中隊全員を招集!ブリーフィングルームに集めてくれ!後、ジジイ含めた技術班もだ!!ミレイ曹長!マリアに連絡!依頼で
エ・ミ『り、了解!』
グ「あいつ等また何やらかした?いや、巻き込まれた?あるいは狙われたか?………あ、ギルドのクエストカウンターですか?運送会社のエンハンブレ代表グレッグ・E・ヒューストンですが……はい、はい。ええ、今回受けた指名依頼の件でして……あ、そうですか、依頼は既に受けに来たと……その時は2人で……そうですか2人でしたか。あ、いえいえ、何せうちのアンリミテッドランクへの指名でしたので。はい、はい……それでですね、確認はしてはいるのですが、依頼者と言うのは……いえいえ、指名依頼の場合には依頼者の希望で指名された者以外には明かさないと言うのも知っております。が……定時連絡が来ないので何かあった場合、社として依頼主に報告する義務がありますので……はい、はい……それでお願いします、では…………出来る手は打ったが依頼主が怪しいか……?いや、ギルドも身元不明から依頼を受けたりはしないしな。全く、今度は何に巻き込まれたんだ?」
※(ちゃーらーらーらっらーちゃーららっらーらー)運命の2人が現れた場所。
そこには荒れた荒野が広がっていた。
吹き荒ぶ荒野で保護された2人はその世界の一端を知る。
大破壊により生まれた荒野、欺瞞と支配欲が渦巻く傲慢の都市、此処は惑星ルストの都市アロガント。
次回「鉄錆た翼」
反逆の翼が今舞い上がる。
(ちゃらんらーらちゃん!)
ボト○ズ風味…書いてみたかっただけなのだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座います&70000PV突破感謝なのだ!
ストックがもう無いから毎日更新は出来なくなってるのだ……出来次第上げるのでまったり待っててもらえると有り難いのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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