7-19 巨人退治

もうね、アホかと。

いや、ね?分かるよ?分かる分かる。

超時空な要塞なんだろうね。きっと。うんうん。




中型艦でやんなや。




起き上がったことで全高9kmにもなっとるがな。

前の隕石戦艦といい、でかけりゃ良いってもんじゃねーぞ!!


『ケイト様、姉上。両翼の中型艦2隻より異常な駆動音と多数の脱出艇を確認しました』


何?


『更に旗艦の両翼…両腕部先端にも駆動音』


「は?」


脱出艇と思しき多数の光が離れると同時にツリーフロッグ…小さい方の形が変わる。

上から見ると□が†?

ブルフロッグの方は薄くなって………あ。


「おいおいおいおいおい!マジか!?」


あたい等が見上げる中、更に元コウモリ野郎の両腕部先端がコの字型に変形。


「ア…アホ過ぎる……」


『これは……僕も同意見だよ。戦艦でやる事じゃない』


「おっさん知ってたか?」


『こんなうつけの所業知っておったらとっくに軍かそちらへ離反しておったわ……』


文字通り立ち塞がった全長9kmの元コウモリ野郎は、剣と盾を持った巨人へと姿を変えた。

いやー、流石にでか過ぎる。

既に大半の鎮圧と投降者保護を終えた防衛隊も視認出来たのか混乱が広がっている。

つーか、こんだけでかけりゃどっからでも見れるわな……てか、エンハンブレの防衛隊にも見せときゃよかった。


「いや、ま、この発想がねーって訳でも無いんだが……脱出艇の方どーなってる?」


『既に戦線を離脱。他の小型艦は対象に近い為対応出来ずに動きを止めております』


……ニーズちゃん、グランドロアよりマジ優秀かもしれない。


『お姉様!な、何ですアレは!?』


「えーと……うん、戦艦変形させてMAみたいに動かせば強いよねって言う……中型艦でやるこっちゃ無い代物」


『アレではデータベースにあった古の巨人族の姿ではないですか!』


うん、データベースにスピリット族協力で載ってた別の銀河で確認された巨人族みたいだね。

てか、こいつ等はゲの付く皇帝でも相手にする気か?

まず勝てねーだろうけど。

しかもそのまま砲撃出来んのかよ!

流石にこりゃヤバイ。

あの剣になった戦艦を弾幕避けながらってのはゲームじゃないから、モーリアン装備してないグランドロアやリック達では押しつぶされる。

DMC小隊だけはピアース装備だから光の速さで避けれるけど。


『ケイト、今使えるのはダインスレイブだけかい?』


「せやね。モーリアン装備してないからね」


『出力的にどう?斬れるとは思うけど』


リックが言う通り斬れはするけど………。


「連撃が出来無いなー。最大3回までは行けそうだが、最っ高にヤバイ問題がいくつかある」


『それは?』


「形を変えても戦艦なのは変わんねー。更にこっちの切り札が実は対処しやすい」


なんせビームですから!


『……攪乱幕か』


エネルギー粒子を反射率の高い金属片をばら撒いて散らす、言わば対ビーム用チャフ。


「特に最近の戦艦には標準だろ?あたいが出力上げたらばら撒いてくるのは間違い無い。完全無効化とは言わねーがかなり減退する。次に問題なのが……最大出力だと振りかぶると周りの何もかも蒸発する」


だって長いもん!

少しでも後ろに行ったらリック達も防衛隊も消し飛ばしかねない。

斬り刻んで振り返ったら全員蒸発してましたじゃー意味ねーって。


『つまり……ガイアブラスター無しダインスレイブ無しと言う訳か』


倒す方法はある。

戦艦なんだからドックから入って暴れるだけでいい。

けど、アトゥアにあんまやらせたく無いし、見せたくねー。


『……なんとなくだけど、もう1つの方法は本人次第だと思うよ。でなければ戦場に立つ資格は無い』


「だよなー……」


あんだけでかいからな、MAで突っ込みゃー割と楽に内部から………?




「『あ』」




グランドロアも思い出したな。


「『いや…でも…』」


アレするにはモーリアン装備でないと……。


「『ちょっと待てよ……』」


ピフピヘットは言ってたな……


(この子モーリアンも元々はキャバリーなのです。ソレを私専用機に改良したのです。当然、第一宇宙速度を出せるのです)


「グランドロア!」


『同調コード残ってます!』


よし!後は装備だが………。


「エンリケ少佐!」


『サー!』


「ピアースを貸してくれ!!DMC小隊のピアース装備キャバリーなら分離可能なはずだ!」


『サー…何をなさる気で?』


「突っ込むんだよ!」


『はぁ!?正気ですか!?』


ピフピヘットの機体モーリアンは言うなりゃピフピヘット専用キャバリー。

そのキャバリーがピアース形態に変形する事でグランドロアと合体しているから、理論上キャバリーと合体してるピアースも接続ジョイントは同じなはず。


『規格合ってます』


「なら可能だな!」


『じょ、冗談でしょ!?確かにピアース装備なら第一宇宙速度を出せますが……!だから何だと言うのですか!』


『それに攪乱幕もある。ビームフィールドを当てにしているんだろうけど、一瞬で剥がれて砕ける。それを僕…僕等が許すと?』


おおう…………少佐はともかくリックの圧が凄い。

けどな。


「そこはあたいに考えがある。グランドロア、どうだ?」


『いけまーす。この方法なら攪乱幕なんてただのですよ


「だそうだ」


『………分かった。少佐、お願いします』


あたいとエンリケ少佐は巨人戦艦への撹乱をリック達に任せて後方へ。

丁度、クラゲ野郎と戦った辺りかな、此処。

着くなりガシュンとピアースを分離するエンリケ少佐。


『本当に行けるんですね?』


「いけるいける。前に隕石貫いた事あるからいけるって」


『隕石貫いたってどう言う事ですか……』


まぁそこは色々と。

さてとピアースと同調させてっと。

背面ブラスター2つが左右にズレて背中からジョイントが出る。


「ほい、ピアース近づけてー」


ガッションっと。


「システムどうだ?」


『問題無く。接合部にも問題無し。ですがモーリアンと比べると出力が落ちますね』


それはしゃーない。


「速度さえ出せれば問題無い。後はタイミングだけだ」


『そこは合わせまー』


「うっし!エンリケ少佐は攪乱に回ってくれ」


『サー!』


「じゃあ、巨人退治といきますか!」


————————————————————

補足


対戦艦もしくは巨大建造物における対処法

セオリーと言えばセオリーなのだが、忘れがちな方法である巨大な建造物の攻略法が、その建造物内に侵入し内部から破壊する方法である。

対象が巨大であればあるほど効果的で確実なのだが、いくつか欠点がある。

内部に入る為のデータの入手の難しさと敵戦力数と防衛機構の厚さにより近づけないだ。

まず、対象の詳しいデータを入手し、侵入出来る箇所を見つけなければならず、見つけたとしても展開されている敵戦力を蹴散らし、突入隊を接近させる為に戦線を押し上げなければならない。

本来なら事前に会議をし、作戦を立ててから挑むものなのだが、緊急の為ケイトがその場で計画を立てた。

無謀に思えるが、相手が巨大すぎるのが最大の欠点であり、散開したケイト達をピンポイントで狙う事は実質不可能であり、侵入箇所も何処でも良い為である。

その為、突入部隊はケイトやリックでなくても良く、その場の誰でも可能と考えた。

ケイトがアトゥアを連れて行くのに躊躇ったのは単純にアトゥアが戦士では無い為で、突入後暴れ回れば確実に居住区や格納庫等を通り、間違い無く目の前で非戦闘員が死ぬからだ。

事実、アトゥア自身戦った事は無く、優しい性格である為、潰れるんじゃないかと考えた為である。



※結局自分が突っ込んだ方が速いと結論付けたのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

ストックがもう無いから毎日更新は出来なくなってるのだ……出来次第上げるのでまったり待っててもらえると有り難いのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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