7-14 集結!DMC中隊

「状況は!」


『はいな。えーと……相当数が集中して縦に伸びていたので100ほどが大破・爆散、残存数284機』


まだそんなに残ってんのか。

流石にきついなぁー。

そろそろ援軍が欲しいところ。


『エンハンブレⅡより入電。援軍です』


お、来たか。

エンハンブレⅡから次々とMAが出撃してきた。

その先陣を切るのは。


『少尉!DMC小隊お待たせいたしました!これより指揮下に入ります!』


エンリケ少佐か!


「少佐!さっきのダインスレイブで大半ビビッてる!横合いからぶっ叩け!」


『了解!!』


「エンハンブレ防衛隊と槍騎士隊は広がってる後方を!」


『『了解サー!』』


『ケイト!』


お!姉貴とリック!

ピフピヘットは来てないか。


『お待たせしました!』


「………ん?そこのフレスベルク!もしかして……アトゥアか?」


『はい!』


マジかー。

この局面でアトゥアかー。


「リック!」


『聖女様のバックアップは任せて』


リックがついてるなら大丈夫か。

モーリアンが無いのは痛いが戦艦ぶっ潰すのは今しかない!!


「リックとアトゥアはついてこい!これより戦艦を狙う!」


『『了解!』』


「DMC小隊も目の前の敵機を処理次第ついてこい!」


『了解!聞いたか!各機、遅れるな!』


『『『『おう!!』』』』


うん、訓練の成果が出てるなー。

槍騎士隊や防衛隊もかなりの練度なんだけど、頭一つ抜けてるな。

わずか数秒で周囲の敵機を蹴散らしグランドロアについてくる。

スゲー成長してる。


「はっや……と、それよりリック!姉貴とマリアさんは?」


『マリア大佐は運悪く軍本部に出向したとこだね。中尉は工房に向かった』


軍本部に?

何やらかしたんだろ?(違)

姉貴は新機体の件だな。

アトゥアがフレスベルクに乗ってんのがその証拠だな。


『機影確認!数5!』


乱戦になりつつある中、ど真ん中突っ切ってんのに気付かれたか。

行く手を塞ぐように5機のMA、プリーストを中心にした小隊が現れた。

今速度を落とすと旗艦にアタックしにくくなるから、無視したいがそうもいかない、か。

なら、このずっと持ってた岩に干渉してっと、岩を前に突き出す。


「クレイモア!」


突き出した岩の前面が爆発し、細かい破片が弾丸の壁となって敵機に襲いかかる。

距離があるから全身に浴びる事になった敵機の動きが止まる………あー……運悪くコクピットに当たった奴がいるなー。

ともかく、動きの止まった敵小隊をDMC小隊に任せて一気に進む。

てか、あたい等含めるとDMC中隊だな。


『お姉様!ずっと気になってたのですが、その岩と剣と今の爆発は何です?』


「ん?コレか?コレは工房の元壁」


さっきのクレイモアで半分になったけど。

ショットガンじゃないのは範囲が違うから。

本来は設置型地雷なんだが、そこはね?


「んで、この剣が集中砲火を防いでくれた元隕石で、さっきのは前半分を爆発させて指向性爆弾にした」


『えっと、それって……』


『土石術式だね?そんな使い方する術士はいないけど』


流石リック、見抜いてくるなー。


『それにMAに乗ったまま術式を使えるってあり得ないんだけどね……』


そこはまあね。

グランドロアがいるから出来るだけなんだけどね。

DMCシステム自体はこの場にいる機体に搭載されてるが、そのシステムがグランドロアレベルまで成長しないといけないから本人が術式使えたとしてもMAで使用は出来ねーんだよな。


『まぁ、僕は術式自体使う気しないから良いんだけどね』


使う気しないから、か……てぇ事ぁ使えるんだなー。

とは言え、それぞれのDMCが育てばDMC搭載型なら術式を使える兵士達も今のあたいと同じように戦えるだろう。

特にアトゥアの場合は初級なら超能力で全て(弱いが)模倣できるから、戦いの幅が広がって強くなるだろう……相手にしたくねー。

それにDMCがMAで使えるようにするって事は増幅してるって事。

掌で一瞬だけ燃えるような火炎術式でも、MAサイズなら強力な武器に…………あ。

ヤッベ、前に姉貴がやりたいって言った必殺技出来んじゃん!


「グランドロア。火炎術式に適正のあるパイロットって居るか?」


『えーと……リック中尉が初級であるですねぇ』


「お前を通して同じ様に出来るか?」


『ニーズヘッグケーニッヒなら……こっちから促せば……出来ましたぁ』


やっぱ出来たか。


『ケイト、何か急に目の前に小さい竜が出てきたんだけど?』


そっちかぁい!


「おい!干渉しろってそっちじゃねぇ!」


『いやぁこっちの方が手っ取り早いかなって』


DMCの目覚め早めんなっての!

あーもー!説明面倒くせぇ!!


————————————————————

『エンリケ少佐』


「どうしたムラノ曹長?」


『ケイト小隊長方は何をなさっているのでしょうか?敵旗艦はもうすぐと言うのに』


『わちゃわちゃやってますねえ』


『会話しながら敵機の動き止めてるのは如何なものか』


『まっ、こっちは撃墜数稼げるから良いんですけどねー…よっと』


「タミー曹長、マリー曹長、ボボンボ曹長。言いたい事は分かるが稼ぎ時だ。しっかり付いていくぞ」


『『『了解サー』』』


(本当に……訳の分からない操縦技術だ……日常会話をしながらも立ち塞がる敵機を行動不能にしていく……それに何だ?あの追従する10本の剣と岩は……我等もあそこまでの域に行けるのか?)


————————————————————

さてさて、リックには説明したからリックらしい使い方してくれんだろ。

……マリアさん以外で勝てる奴出てくるか?


『機影2……幹部クラスです!』


グランドロアの声にその機影を確認する。


「……はっ!わざわざ出っ張ってくるたぁそんなに会いたかったのかよ!!」


現れたのは少し姿が変わった見た事ある機体。

こっちとしても会いたかったがな。


「えぇ!?龍擬きとクラゲ野郎!!」


————————————————————

補足


各DMCの特徴

DMCシステムが成長し自我を持つに至った事で、それぞれの機体に特徴が生まれた。

ケイトの機体グランドロアはケイトの発想力を受け継いでおり、術式をMAで行使すると言う有り得ない事を実現した。

本来この仕様は存在しておらず、グランドロア自身がその場で思考を読み取るDMCのシステムを応用し増幅回路を組み上げた。

その中継にケイトの体内にある術式用ナノマシンを使用しており、後の技術者達が再現しようとして悶苦しむ事になるほど高度な技術であった。

また、生まれたばかりではあるがリックのDMCはリックの特徴である観察眼と先読みを得意としており、格闘戦において無類の強さを発揮するリックの補助として最高峰のシステムとなっている。

他の機体はパイロットの情報が不足しており、グランドロアが干渉しても生まれはしないが、近い将来、多くのDMCシステムによる擬似人格が生まれる事は想像にかたくない。



※ケイトと同じくグランドロアもやらかし属性なのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

はいぱー○ャン子作ってたら60000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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