7-12 新技

ハッチを飛び出したあたいは、グランドロアが出したレーダーで相手を補足。

すげー数だな………。


「あのでっかいのが旗艦か?」


『恐らく。旗艦と思われる中型艦1。あ、3ですね。横についてる2艦も規模としては中型でした』


間違うのも無理ねぇか?

真ん中の旗艦は縦長のエンハンブレⅡと違い、横もある威圧感満載で、左右についてる艦は小さめに見えるからな。


『他、小型艦6。大きさとしては旧エンハンブレと同規模です』


エンハンブレ級6にエンハンブレⅡ級3……。


「すんげー嫌な予感してるが………フルにMA積んでる可能性あり……って事は………」


『有り得ますね!』


………少なく見積もってもMA400機。

旗艦100、中型艦75✕2、小型艦25✕6としてだが。

勿論、それ以上かも知れねぇし、ちょい少ないかも。


「………よし!消し飛ばそう!」


『モーリアン装備してないので不可能です。例え装備してたとして、開幕ぶっぱも良いですが完全回復までの約30分ほどを省エネでやり過ごすのメンドイですよ?』


む……


『それに相手が横並びなので水平撃ちするとなると………前ほどの威力は出ないっす』


「だよなぁ………」


あの隕石戦艦を消し飛ばしたガイアブラスターは威力自体もエグいけど、真価を発揮するのは正面一点突破の時だ。

撫でるだけでも被害はでかいだろうが、ライターの火とおんなじで、勢いに押されずにサッと横切れる場合、耐性があったらあんま効かない。

………まぁ、まず吹っ飛ぶが。

それより、前みたいに全力ぶっぱで薙ぎ払ったら、今度こそ色んなとこに影響ががが。

どの道今は出来んが。


「……なんかコストの良い範囲攻撃ってねぇかな……」


『おや?ケイトさん、何かしました?身体データにズレがあるんですが』


ズレ?


「あー……アレか。艦長に軍で使ってる術式っての?使えるようにしてもらったな」


『軍での術式ですか……いけるかも?』


何がいけるって?


『んー……今プログラム更新してるので……後はケイトさんの持つ術式データのみ。2分だけもちます?』


「2分って……おわっ!?」


悠長に相談してる場合じゃなかった!

相手さんめっちゃ接近しとる!ついでに全部の砲撃あたい狙い!!

ともかく予定通りW方面に移動!

丁度目の前に小型戦艦が隠れられる大きさのしばらく耐えれそうな隕石が。

サッと隠れて……ぬおっ!全弾隕石砕く勢いで砲撃しとる!


『ナイスです。今のうちに……チクッとしますよー』


「へ……いっっっってぇぇぇぇ!?」


思わずリンク切って激痛が走った右肩を見るとぶっとい注射器が……。


「何しとんっ!?」


『ほい、身体データとナノマシンのリンク終了です』


穴の空いたスーツをテーピングで強く止めて止血完了……あーいた。


『軍のデータベースに照合しました。ケイトさんの精神力ならここまでならいけますね』


「リンク切ってっから!わかんねーから!」


『まあまあ……おや?砲撃が止みましたね。代わりに400近いMAの反応が』


やべっ!MA展開出来るとこまで接近されてるやん!?

直ぐにリンクを戻すとあんだけ大きかった背後の隕石がほとんど無くなってーら。

ヤバかった………多分、MA展開出来る距離に先に着いちゃったから、砲撃止めたんだろうなーあっぶね。

ついでに目の前にとあるリストが展開されてる。




…………………ほーん。



いやいやいや!


「今これ、意味ある?」


『大アリです!うちと同期リンクしたからケイトさんが発動させればうちが発動した扱いにしてぶっぱなせるです!』


マジか。


『ついでに初心者用の発動方法も見つけたので今!覚えて!』


無茶だなおい!?

えーと?基本的にこーだから?あたいの場合はこーで?あー基本こーだから決まってないけどデータに例があるからそのまま使えば問題ないのか。


『MA多数接近!』


MA数機分の大きさまで粘ってくれた隕石ちゃんに感謝しつつ。


「えーと、イメージできたら右手の紋章に意識を集中させてぇ」


あ、グランドロアの右手にも紋章が現れて光りだした。

あ~分かる、体ってか頭から血流みたいな暖かいなんかが紋章に行ってるの。


「んで、この隕石ちゃんに思いを伝える感じでエネルギーを流す!」


ボウンっと触れてる部分が波打つ。


『距離20!』


「数と位置は!」


視界がサーモグラフィーに切り替わる………ほー、こんだけ近いとサーモの方が分かりやすいのなー。じゃ、やりますか。


「あっと驚け!!」


隕石が一瞬にして10本の剣(MA用サイズ)に変わる。

1回言ってみたかったんだよなー……剣だからだが。


「行け!ファ○グ!!」


10本の剣が射出され、近付いていたMA、アコライトか。その数機を斬り裂き、滅多刺しにしてクルクル回りながらグランドロアの周りに戻って来た。

とーぜん、その数機は爆散。


『えーと……フ○ングで登録しときましょうか?』


「元のアースソードで………」


なんこれ!すっげー斬れ味!!

あたいがやったのは、軍式土石術式のアースソードって魔……術式で、対象の土や金属に干渉して剣を作り出す。

本来の使い方は、地面や壁から剣を作り出し装備する術士用の近距離戦闘用補助術式だ。

そこに「何も手で持たなくても操れば良いよねっ宇宙だから」って感じで浮かべた。

後は相手をどう攻撃するかイメージして動かしたのだが。


「な、なかなかに頭痛てーな……」


『10本も動かすからです!脳の処理が追いつかないし、普通の術士はできませんから!』


てーこたぁ、あたいは天才って事だな、うん。


————————————————————

補足


ケイトの適正術式

今回、ケイトが使用した軍式術式は土石術式。

本来、施術後は段階を踏みつつ長期(約1〜2ヶ月)に渡って限界とどこまでの規模を使用できるかを測るのだが、ケイトはぶっつけ本番で使用した。

この時ケイトが使用したのは初級術式アースソードで、一時的に土や岩を棒状に変化させるものであり、消費自体は大したものでは無い。

だが、10本分ものアースソードを発動し、宙に浮かせ、複雑に操作すると言う上級者もビックリ(驚くだけだが)する高度な事をやっており、更にアースソード自体有り得ない斬れ味と硬度を持っており、本来上級者が高い練度と応用力で行う術式である為、急激な精神力の消費に頭痛が起きた。

現在、ケイトの使える術式は土石術式中級までと水式術式初級まで。



※組み合わせと発想で上級レベルの術式を発動させたのだ!けど、ケイトの精神力をMAサイズに増幅させて発動したグランドロアのサポートもヤベェ!のだ!!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

はいぱー○ャン子作ってたら60000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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