7-11 無駄に度量の広い宇宙の民
机に突っ伏した艦長は置いといて……あたいは艦内をふらふら。
リックか姉貴でも居りゃあ、グランドロアの事を相談できるんだが。
あ、そうそう、あまり派手に動かんようグランドロアにも言っとかななー。
「へぇー!そうかい!嬢ちゃんミリフ族に近い種族として認められたのかい!」
『そーなんですよー。いやーこれも皆さんの整備の腕が良いからですねー』
「俺等の腕かんけーねーって!」
「「『HAHAHAHAHA!!』」」
『あ、ケイトさん。どーしたんです?床に突っ伏して?』
Oh……あたいが釘指す前に整備班のおっちゃん達と盛り上がってるがな……。
「おま………さっきの今でなんで仲良くなってんの!?最後艦長が言ってたの聞いてなかった!?」
『あー……言ってましたねー。「混乱が起きそうだからしばらくは極秘とする、キリッ!」って』
キリッ!は言ってねーよ。
『極秘だそうですよ?』
「あ~そりゃそうだな。ミリフ族は旗艦の方に200人ほどしか居ねーからな」
と、ガタイのいいおっちゃん。
「確かその200人も元々本星からの偵察隊が協力してくれてたんでしたっけ」
若い方の整備班のにいちゃんが記憶を辿る。
偵察隊ねぇ。
データベースに載ってたのは、敵対関係にある同じ種族を止める為に協力している、とかなんとか。
だったら全軍で来いよ!とか思わないでもあるが、色々あんだろうなー問題が。
「そうさな。聞いた話、母星から全方面に部隊を派遣して治安維持に努めてるとかってぇ話でよ。お上と利害が一致したらしく、近場の部隊を旗艦に合流させたってぇ話だ。まぁ、前はもう少しいたんだがな、地球調査の時の戦いでなあ………」
「ひどい戦いっしたもんね……」
「アレはひどい戦いでやんした……」
やっぱひでー撤退戦だったんだな……って。
「うおっ!?いつの間に!?」
いつの間にかあたいの後ろにマキナさんが。
なんで気配無いんだよ……。
「ドーモ。ミナ=サン。ぱーふぇくとめかにかるめいど、マキナです」
「お、おう……まさかミリフ族が現れるとはなあ……」
「新たに生まれた我等の同族に会いたいよーとの事で来ちゃった」
無表情で「来ちゃった」とか言わないでもらいたい。
「てか、さっきデータのやり取りしてたんじゃねーのかよ」
「そこはインスタの映え景色を見た後、実際に見に行きたくなる……そんなお年頃」
歳かんけーねーし。
分からんでもないが。
「んで、それだけか?他にあんじゃねーの?」
「そのとーり。ヒューストン艦長から伝言でやんす。カリン隊長と合流しグランドロアについて話し合うようにと」
あーそっかー、カリンさんに話しとかないとDMC搭載済みの機体が全部自立しだした時に真っ先に大騒ぎするはず。
むふーむふー!って。
「そだなー。カリンさんに話しとかないと騒ぎそうだしな」
「だすね」
流石の元フェニックス隊、隊長であるカリンさんの事分かってらっしゃる……が。
なまんなや。
わざとやってね?
「ん?何の事でぃ?」
「あぁ、
「ふーん。だったら嬢ちゃんの機体担当の儂等の間だけにしとくか」
「そうっすね」
念押ししたし無駄に混乱する事は無いだろう。後は、カリンさんやサユリにも話しとかないとな。
「じゃ、あたいはカリンさんのとこ行くから動き回るなよ?」
『はいな』
その時、艦内に警報が。
『総員、第一種戦闘配備。総員、第一種戦闘配備。各パイロットは機体に搭乗し待機』
「なんだ!?」
『ケイト。格納庫に居るな?』
艦長?
「あぁ、丁度な」
『直ぐに出撃し距離2000ほどで待機してくれ。DMC小隊も直ぐに向かわす』
「了解。DEFCON1って何があった?」
言いながらあたいはグランドロアに目で合図。
グランドロアも察して手を差し出し、それに乗る。
『どうやったか目の前に急に教団の艦隊が現れ撃ってきやがった。距離にして8000だ』
はぁ!?
『運良く工房用のビームフィールドのテストをしてたから被害は無いが、距離を詰めてきている。MAによる殴り込みが来るぞ!』
「わかった!直ぐ出る!行けるな!?」
『ケイトさんが座ったら立ちます!おやっさん達も!』
「ノーマルスーツ着たら直ぐに予備弾ありったけ用意しとくぜ!」
「っす!」
あたいもコクピットに入りパイロットスーツに着替え、ガポッとメットを被る。
「おっしゃ!行くぜ!」
『了解!』
「グランドロア出るぞ!5番格納庫!気密いけるか!?」
『整備班問題無しだ!シャッター閉めろ!嬢ちゃん達出るぞ!』
『オペレーターのミレイです。現在敵艦隊は第三戦速で接近、後3分ほどでMA部隊を展開するものと予想されます』
「3分!?外出て待機って言われてるが待ってられん!W方面にでも引き付ける!その間に他の部隊を出してくれ!!」
『了解しました!艦長!』
いくらパイロットに割り当てられた部屋が格納庫近くでも、着替えて乗り込むには数分はかかる。機体性能はこっちが上でも、陣形を整えられたら不利だ。
『ケイト!ミレイから聞いた!頼めるか!?』
「もち!あたいと同じく格納庫に居た奴等は何人いる?」
『お前を除けば5機ほどだ!出揃うまで指揮を任せる!』
「あいよ!」
本来の指揮権を持つマリアさんが出るまで踏ん張ってみるか。
『嬢ちゃん!カタパルト準備できたぜ!グランドロアの嬢ちゃんも気をつけてな!』
おっと、コイツにも気を配ってくれるとは。
案外、極秘にしなくても上手く行きそうだな。
「良かったな。認められてるぞ」
『ですです』
あたいの心配は杞憂に終わったみてーだな。
『エアロック確認。カタパルト確認。コンディションオールグリーン!ハッチ開放!何時でもどうぞ!』
さて、行きますか。
「ケイト・アーカイブ!グランドロア出る!」
————————————————————
オマケ
マキナ「行ってしまわれますた( ´Д`)ノ~バイバイ」
グレッグ『マキナ、お前は何処にいる』
マ「格納庫でござい」
グレッグ『だったらケイトを支援してやってくれ』
マ「無茶を言う(;゚д゚)…」
グ『生身で出れるだろ!それに武器も自前があるだろうが!』
マ「MAに効くとは思えんでごわす」
グ『効くわ!MAよりデカイバケモン討伐してたろうが!』
マ「フューフュフュー」
グ『出来もせん口笛吹くな。ったく……出撃したら報酬』
マ「対象はまだカタパルトに!いざ!トウッ!!ヽ(*`д´*)ノ」
グ『……なんでこう疲れる奴ばっかなんだ、ウチのクルーは……』
※マキナはグランドロアに張り付いた!のだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
はいぱー○ャン子作ってたら60000PV突破してた!感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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