7-4 聖女
「あぁそうだ。ケイト達はゲストルームの方へ向かってくれないか?前に救助した教団関係者と会ってきてくれ。ドルク大隊長殿も連れていけば話が早いだろう」
と、艦長に言われメンバー…姉貴、リック、ピフピヘット、ドルク大隊長にエンリケ少佐を集めてゲストルームへと向かった。
「姉貴、教団関係者ってどんな奴等だと思う?」
とか言っても、1人は間違い無く「聖女」とか言う重要人物なのは分かってんだが。
「逆に聞くがケイト、お前はどう考えてんだ?」
「ん〜…お姫様と教育係みたいな?」
「お姫様は分かるけど教育係って」
「多分、お姫様が何か言おうとしたら「姫しゃま!」とか言って邪魔してくんだぜ?」
「「わひゃひゃひゃひゃ!」」
「「ぷっ……」」
って、冗談だがな?
………ドルク大隊長とエンリケさん、怒るでもなく複雑な表情でもなく吹き出すって……いや、まさか。
「…………当たらずとも遠からず、と言った所か」
「そうですね」
マジかよ。
と、ともかく、何が飛び出すか。
聞いてる話では急進派が武装蜂起しそうだから止めたい、だったな。
現状だが、数の上では軍が動けば直ぐに終わるだろうけど、機体性能なんかを鑑みた場合、負けなくとも軍は大打撃を被る可能性がある。
なんせ、グランシードを撃破する性能を持つMAが分かっているだけで2機。
対拠点用大型艦を使い捨てにする財力。
正直戦いたくねぇな。
と、着いたので中に入ると、初老の男性と顔をベールで隠した少女……と言うか幼女が。
「お待たせした。ケイト・アーカイブ中尉だ。グレッグ艦長の指示で話をしに来た」
ここは階級が上の姉貴に任せるとして。
聖職者にしては目付きがカミソリみたいに鋭いじい様の方は身なりからしてかなり上の立場の人間みたいだな。
幼女の方は……うん、間違い無く聖女だな。
ベールの事もあるが、着ている服は純白のローブでとても美しく、神秘性っての?そう言うのが際立ってる。
背格好もあたいや姉貴と同じぐらいか?
「おぉ、ようやっとき……!?ななっ!?」
なんかじい様が姉貴を見た瞬間固っまたぞ?
んで、あたいを見て後退りしだしたな。
聖女様の方は口に両手を当て信じらんなーいって感じ?
「どうされた?……あぁ、こちらはケイト・アーカイブ少尉。ご覧の通り同姓同名の……双子みたいなものだ」
「おぉ……おお!!」
なんか、じい様の方さっきからおかしいぞ?
「こ!これぞ量子のお導き!」
「何がだよ」
「ケイト、漏れてる漏れてる」
おっと、心の中のツッコミが。
リックに指摘され口を噤むが、今度は聖女様の方が。
「あぁ……ついに、あの時みた光景が…此処に」
「だから何がとこちらは聞いているのだが?」
今度は姉貴が漏らした。
ってこう言うと変態くさいな……変態くさいのは置いといて。
すっ…と聖女様が前に出て来ると、そのベールを脱ぎ捨てた。
「「…………え゛」」
思わず姉貴と同時に声が出た。
そこに現れたのは………あたいだった。
「………これは極一部の者……つまり、私しか知らぬ極秘事項なのですじゃが」
「あ、姉貴……こいつぁ……」
「………前に母さんが言ってたな。ぶっ潰した研究所で俺以外にいくつか空いてたシリンダーがあったって」
ま、まさか、前の話がこんなフラグだったなんて………。
「苦節17年……ようやく、お姉様方にお会いする事ができました……」
17年?
17年ってーと………
「あ!マリアさんがどっかの研究所ぶっ潰した時だ!」
「そうです。あの時、5歳ほどの成長過程で連れて行かれたのがシリアルナンバー01であるこちらのお姉様で、1・2歳で地球に連れて行かれたシリアルナンバー02がこちらのお姉様で、赤子の状態でお父様に買われたのがシリアルナンバー03である私です」
マジかー。
「Oh, Jesus……」
「………良く覚えているな?俺は母さんに拾われた時のことは覚えていないぞ?」
あたいもだ。
物心ついた時は孤児院だったからな。
「そのお父様にでも聞いたか?」
「いや、わしは何も教えとらん」
横のじい様が答えた。
あんたがお父様だったんかい!
「教えとらんが、この娘はお主達のシリーズの中で記憶……正確には脳の機能に特化した個体でな。今日に至るまでの事は全て覚えとる」
こんにち?きょう?
「はぁ?17年間の事を覚えてんのか!?」
「正確にはもっと前、個体別による機能特化処理を受けた後からです。私達は組織からアトゥアシリーズと呼ばれていたのですが、神にも等しい究極の存在を造り出す計画、サオシュヤントプロジェクトの中の成功例なのです」
サオシュヤント……?
あー……なんだぁ?どっかで聞いた事が……思い出せん。
ともかく、あたい等は造られた存在で?それぞれバラバラに育ったと。
「むー……その成功と言うのは何を指して成功としているんだ?聖女である君は脳の機能に特化しているのは分かるが……」
姉貴の疑問ももっともだが、多分アレだろうな。
「それは、どんな状況下であっても必ず生き残るという部分です。例え致命傷や死亡状態、あるいは即死する状況であってもです」
やっぱりか。
「後はあらゆる分野での天才です。それだけでも十分なのですが、組織は更に個体別に特徴を付加させ商品価値を高めようとしました。私の脳の機能なので、予知レベルでの未来視や超能力も使えます………」
マジか!
スプーン曲げれんのか!
「スプーンどころか鉄パイプぐらいなら頑張ればいけます」
え?まさか今、あたいの考えを!?
「「読まれたぁ!?」と、2番目のお姉様は言う」
「読まれたぁ!?……はっ!!」
!!
あたいが叫ぶと同時に指摘される。
先読みされるって何かムカつく……。
「この距離なら心も読めますが、今のは半分未来視です」
ヤッベエ………
「「こいつぁマジでヤベェぜ!」」
「だから読むなって!」
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補足
聖女の超能力
ケイト達と同じくアトゥアシリーズである聖女の超能力は、能力そのものは超能力と定義される物全てである。
しかし、17年の月日の中で性格上の得手不得手が出ており、強弱がハッキリと出ている。
彼女の使う能力の中で最も強力なのは未来視であり、見たい時間軸が近ければ近いほどその精度は高まり、100%に近づく。
だが、自身から1m離れる毎に出力が低下していき、物体に作用する能力は5m離れると子供の腕力程度しか出ない。
読み取り系能力(サイコメトリーとか念写、未来視)は5分以上先はブレたり、読み取れなかったりする。
これは確定している過去は時間と共に風化して薄れていく事、未来その物は1秒先(もっと言えばリアルタイムに)であっても確定しておらず、常に変化している為である。
つまり、彼女の能力はゲームであれば「全ての魔法をレベル1で修得している」状態であり、自身の身体能力には一切作用していない事も相まって、知っていればいくらでも対処可能である。
が、有るのと無いのとでは雲泥の差がある為、教団内部では出自も含め極秘事項となっている。
※聖女は全部の超能力使えるけど、どう足掻いても一点特化してるレールガンぶっ放すお姉様には負けるのだ!!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
RGゴット○ンダム作ってたら60000PV突破してた!感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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