3-9 ミキシング

「なんだよ!?もう終わりかよ!」


と、言ったものの、MAの速度で全力で逃げる輸送艦に追いつくにはリスクが高い。

宇宙の迷子になったら意味ないし。


「エンハンブレ、逃げられたー帰投するー」


『了解』


さて、帰りますか。






5番格納庫


格納庫に戻ると直ぐに映像データをブリッジに送り、通信で会議を始める。


『うーむ、全く見た事の無い機体だな。地球のアニメとかにいないか?』


「いたらおかしいっての」


とか言ってみた物の、なんとなーく見た事のある感じはあるんだよな………。

ファイターやソルジャーを見るに、軍にそう言う発想する奴いそうなんだが、コイツは系統が違うと言うか、好みが違うと言うか。

こう言うのもなんだが、あたいの感性に近いんだよなー。

つまり、主人公機よりも敵機の方が好き。

勿論、主人公機も好きなんだが。

某狼の王な機体とか?ニューな機体とか?

姉貴はダブルでゼットの方がすきなんだそうだが、ダブルでエックスも好きと言う………。

マジで大鑑巨砲主義だな。




逸れたな。

ともかくこの黒いの、頭部はT○E・Oっぽくてボディはドーベン?クシャ?んー女王様っぽくもあるし………肩はどー見てもキュベ○イと同じだし、足はサ○ビー……いやドラ○センか?腕は知らん。

んー……プラモのミキシングしたのをそのままMAに持ってきてたみたいな印象があんだよな。

細部は違うが。


「サユリが居たら「全体のバランス考えろ」とか「コンセプトなに?」言いそうな造形だなぁ………」


『やっぱ見覚えがあるのか?』


「んにゃ、パーツパーツに統一感が無いからハッキリとは」


サユリが工房に行ってるのが悔やまれる。


『それはパーツごとに見れば見覚え有ると言う事で良いのか?』


「1つ1つはなー………どっかでそう言うのが好きな奴でも救助されたか?」


『サユリ以外にもそんな奴がいんのか?』


「結構いるぞ。あたいにゃ無理だが、世界中、いや地球には。大会あったりして日本発祥って言われてる」


あくまであたいの認識ではだが。


『なんだが全ての元凶がその日本と言う国のせいに思えてきた。とにかく、軍の方にも問い合わせては見るが保留って事で』


「りょーかい」


さーて、この後どーすっかなー?

とかグランシードの冷蔵庫からファクトリーで何故か売ってた炭酸飲料(ペ○シ)を飲みながら考えてると外からお兄様方が。


『謎のMAが出たと聞いて』


来ると思ってたわ……






研究班開発室


「ミキシング……だと…?」


「そっそ。分かりやすい例がアエードーンだ。ありゃ、ファイターを元に改造してんだが、詳しく言うと、ファイターの胴体に股関節のジョイントを増やして脚部内にフレームを伸ばせるようにレールひいて、ソルジャーの脚部のジョイントをファイターの肩用ジョイントと統一して、足からキャノン出るようにして、ゴブリンのバイザーを可動するように増設して、大型ブースターを可動するように延長ジョイントで増設して作ってる」


「なんだその無茶苦茶は!……と言いたいが実際に稼動しているのを見ているからな、不可能であったとは言えん。技術者の観点から見てもイカれてるとしか言い様が無いがな」


「作ったのサユリだしなぁ………」


「だがケイト。この方法ならいくらでも新型を作れるのではないか?組み合わせはいくらでもあるんだろ?」


そーなんだが、いくつか問題があんだよな。


「そーもいかん。1つはジョイント部分の換装に手間がかかる。ゴブリンとファイターは違いが装甲と頭部メインカメラぐらいだからニコイチでも何でもできっけど、ファイターの胴体にソルジャーのをつけたりすんのは、変換器やらなんやらを増設しないといけないから、コストがかかる」


そもそもエンジンの質が違うし、配線の数も違うから単純に、はいつけました、じゃ制御できなかったり、動かす為のエネルギー量が足らないとかになる。


「メーカーがそこんとこ対応してないとな」


「確か、新型のゲーム機で古いゲームは出来ない、だったな?」


「そっそ」


MAとゲーム機は違うけど。


「カリンさんがスポンサーになってくれるんだけど、流石に「ミキシングの技術を使うからファイターやソルジャーの製造権くれ」なーんて軍子飼いのメーカーに言えないっしょ」


「………ん?………ふむ………」


お兄様が何か思いついたのか、端末で何か調べだした。


「……サイガ、我々が離れる直前の軍のデータはあるか?」


「少しお待ちを。えーと、何処へやったか……あったあった」


少し離れた所で作業をしていたサイの獣人種のサイガさんがデータチップを持ってきた。

お兄様はそれを受け取ると、その中のデータを触手の1本でモニター越しになぞる。


「ふむ………やはりか。研究班!急ぎフィール工房のカリン代表にアポを繋げてくれ。私は艦長と相談してくる。連絡が来たら私に繋いでくれ。艦長も合わせて話し合う」


「了解」


「ケイト。今私は確信した。君はやはり発想の天才だ」


いや、褒められても。


「一体何を思いついたんだ?」


「まだ、私の脳内シュミレーターでしかないからな。決定するまでは詳しく言えん」


「じゃ、そん時が来たら教えてくれー」


「任せろ」


そっからお兄様集団が慌ただしく動きだしたのであたいは部屋を出た。








「…………脳みそ何処にあんの!?」


————————————————————

補足


MAのミキシング

本編でも出たMAのミキシングは、サユリが作り上げたアエードーンが宇宙軍の歴史上初であり、この事によりこの先に作られるMAのフレームやジョイント等を見直し、MAフレームの統一規格化の切っ掛けとなった。

ファイターとゴブリンは元々統一であったが、これは軍が作成を依頼したメーカーがゴブリンを発表する時、別のメーカーがゴブリンを元により戦闘用に装甲等見直したファイターを作成(パクった)した為、統一規格になった。

その後、ファイターを作成したメーカーは、救助者の中から設計士イラストレーター(アメリカ人)を引っこ抜き、ソルジャーを作成した。

この経緯によりゴブリンとファイター以外はネジの大きさ含め統一規格ではなく、その概念も無かった。

後に軍及び各メーカーのMAの作成時には全て統一され、ユニバーサル規格となった。



※メーカーに関してはフィール工房含め多数あるのだ!!

でもメーカーの事に触れるのはかなり先なのだ!!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

3000PV突破感謝なのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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