6-10 天を穿つは大地の咆哮
しかしアレだな。
指揮官様以外(艦長さんまでいるとは思わなかったが)マジで反旗を翻すとは。
あ、そうか。
コレあれだ!
体良く反乱分子を排除する為の突撃作戦だ!
そしてゲイブ艦長とドルク大隊長が気付いて一芝居打ったんだ!
してやられた感半端ねーなー。
となると、指揮官様は何でだ?ウザかったからか?
と、その時。
件の隕石戦艦が急発進しだした。
「な、なんだあ!?」
『あいつ!もしや!?』
『ふははははは!!例えワシ1人となっても異教徒共を滅してくれるわ!!ミスティルティン全速前進!!』
アイツ!艦をぶつける気か!?
「おい!アイツと捕らえた奴等しか居ないんじゃねぇのか!?」
『そのはずだ!』
とか言ってる間にどんどんと速度を上げていく隕石戦艦。
『艦長のゲイブだ。恐らく奴は指揮官権限を使い艦のコントロールを1カ所に集めたのだろうと思われる。権限は奴の方が艦長である私より上だからな』
マジかー!
『機関士長のゴルダナじゃ!あの艦はでかいからの!そこまでは速度はでん!!』
「爺さんマジか!」
『ついでに少し細工しておいたでな!亜光速には入れん!良くて第一宇宙速度が関の山じゃてな!』
お、マジで?
とは言え、流石に第一宇宙速度で突っ込まれたら、工房の保有する対艦隊用ミサイルを全弾ぶち込んで砕いても、砕けた破片やらなんやらで工房も無事じゃ済まない。
どうする?
工房の備え付け火器と100機のダークマターシリーズと工房の守備隊で破片はなんとかなると思うが、その前にアレを砕かなきゃならない。
「ピフピヘット、隕石戦艦が工房へと辿り着くまでどれくらいかかる?」
『時間なのです?んー……このまま第一宇宙速度に到達するのがこれくらいで………距離的に考えて……恐らくなのですが15分程なのです』
15分か………流石に100機のダークマターと輸送艦は追いつけない。
姉御の事だから数秒あれば決断と行動を行えるが、周りが動けるか?と考えたら対艦隊用ミサイルを全弾ぶち込むまでに1・2分はかかる。
となれば………
「じゃあよ、グランドロアならどうだ?」
『………行けるのです!!』
良し!だったら!!
「大隊長、ゲイブ艦長!」
『なんだ?手があるのか?』
「今から工房行ってアレを砕く算段を立てるから、あんた等は破片やらなんやらを処理しつつ工房へ来てくれ!」
『いけるのか!?』
勿論!
「先に行って待ってるぜ!フルブースト!!」
————————————————————
ドルク大隊長視点
『いけるのか!?』
と、ゲイブ艦長が叫ぶ。
すると「何でも屋」ケイトのオレンジ色の機体がこちらに振り向き機体の親指を立てた。
行ける、手があると言う事だろう。
だが既に戦艦ミスティルティンは今出せる最大戦速、第一宇宙速度に到達しようとしている。
こちらの輸送艦ではそこまでの速度は出せず、MAでは不可能だ。
『先に行って待ってるぜ!フルブースト!!』
そう叫んだ「何でも屋」のオレンジ色の機体がブースターを吹かした瞬間、オレンジ色の流星と化した。
「な!何だ!あの加速力は!?」
私が覚えている限り、MAの登場からざっと2年ほど。
科学技術は日進月歩とはいえ、軍の開発力は元より我等量子教団の開発力は軍より数年は上だと思っていた。
だと言うのに、あの機体の加速性能といい、先端部とはいえ全長18kmの戦艦を輪切りにする斬撃といい………。
「艦長……どうやら我々は勝ち馬に乗ったらしい」
『………その様だな』
遠く宇宙の彼方へと消えていく流星を、我々はただ呆然と眺めるしかなかった。
————————————————————
ケイト視点
視界に映る星々が次々と後ろに流れていく。
あまりの速度に機体がミッシミシいってるぅ!
身動き取れねぇって訳じゃねーけど!!
「ひぇっ」
今一瞬、割とでかいデブリが目の前で弾けとんだぞ!?
てーか!今、何かの装甲板貫いたー!居住区みたいな所通り過ぎたー!
「ピフピヘット!」
『はいなのですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!』
「今通った場所マーク!!」
『しといたのですぅぅぅぅ!!』
一瞬で通り過ぎたけど今のデブリ、地球の脱出船っぽかった!!後で調べて未調査だったら調べないとなぎゃあぁぁぁぁぁ隕石ぃぃぃぃ!!
—[隕/石]———ズガーン!————(;゚д゚)》
………………モーリアンのビームフィールドが無かったら完全にお星様になってたぜ。
隕石も隕/石になったし………。
ぶつかった音すら置き去りにして、あっちゅう間に隕石戦艦に追い付き、そのまま追い越したあたい等は工房の前で止まった。
『ケイト、状況』
さっそくカリンさんから通信が。
あたい等は名簿を送りつつ状況を伝える。
『把握。全弾撃つ』
「頼んます……って言ってるうちに来た!」
まだ遠いが、見えてるって事は3分と経たずにぶつかるって事だな。
その先端が平らになった隕石戦艦が速度を落とさずに工房目掛けて突っ込んでくる!
『全弾発射。どーん』
次々と工房からミサイルが飛んでいき着弾。
隕石戦艦に匹敵する爆発が次々とおこり、隕石部分が削れていく。
「すっご………!だがこれなら!」
『………まだ』
無数の爆発の中、隕石部分が無くなった本体が現れた。
速度は落ちたが突っ込んできた!
「姉御!?」
『………弾切れー』
マジかよ!?
ななななななんかてててててわぁ!!
ピコッと視界にデータが映る。
「………ピフピヘット!覚悟を決めろ!!」
『なのです!?』
はぁ…………まさか自分の機体に教えられるとは。
「全エンジンフルドライブ!!」
グランドロアの肩や胸部、脚部の一部の装甲が放熱の為に外へと開く。
「チャージ!カウント!」
”0:30”
『全部のエンジンの出力が!?カウントってなんなのですぅ!?』
「ショルダーレッグキャノン!
何故か翻訳が切れたが気にしてられっか!!
モーリアンの脚部が伸びると同時に、閉じてた足が上下に開き、間から砲身が伸びる。
「
『何が起きてるんですぅ!?』
ピフピヘットが混乱してるけど無視だ!
至る所から小規模な爆発を起こしながらも突っ込んでくる戦艦本体を照準に捉える。
”0:00 Full charge”
チャージ完了と同時にまーた文章が。
はいはい、また叫べばいいのね。
けど、その前に。
「
自身の視界がサングラス掛けたみたいに暗くなっていき、同時にグランドロアのツインアイにもバイザーが降りる。
準備完了!いくぜ!!
「”天を穿つは大地の咆哮”!!」
また誰かの声が被った!!
「”穿て!!必殺!!”」
ガッと腰を落としショルダーレッグキャノンを前に突き出す。
さあ!ぶっ飛べ!!
「”ガイアブラスターァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!”」
ショルダーレッグキャノンから収束されたグランドーアの全エネルギーが開放され、自身の全長を超える光の奔流が2本、隕石戦艦へと放たれた。
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
あまりの出力に機体が後方に押し流されそうになるのをブースターを最大に吹かしてなんとかその場に踏ん張る。
その2本の特大ビームは途中からお互いに干渉しあい、より密度の高い1本の収束されたビームとなって隕石戦艦を飲み込み、遥か彼方まで伸びていった。
————————————————————
補足
グランドロア
軍の試作実験機だったグランシードを元に、サユリがケイトの案を取り入れ作り出した、全長25mのケイト専用機。
元々は軍にグランシードを返した時に必要になると感じたケイトが、代替機として計画、デザインした。
しかし、ざっくりした案と中学生の同人誌の絵でしかなかった為、サユリがブラッシュアップをし形にした。
その際、サユリが地球奪還の時の切り札として様々な決戦機能を組み込んだ。
その1つがモーリアンとの合体機能で、合体時にはモーリアンの出せる最高速度である第一宇宙速度を超える速度(わずかだが)を出す事が可能となる。
その際、あまりに速すぎる速度に細かい操作は不可能であり、様々な物に確実に衝突する為、モーリアンの標準装備であるビームフィールドを自動的に展開でき、自身のエネルギーも使用している為、より高い出力を出せる。
更に、グランシード・ディスパーサルと同じくショルダーレッグキャノンも使用可能。
この時の最大出力はグランシード・ディスパーサルのガイアプレッシャーの比ではなく、軍の旗艦が使用する対大型艦(突撃艦ミスティルティンクラス)用キャノンを超える火力を出す事ができ、正に「たった1機で戦局を左右する」機体である。
主な武装
肩部内蔵多連装マルチミサイル
腕部内蔵ビームランサーマグナム
ビームグレートソード
マニピュレータ内蔵ホーミングブラスター
必殺技
ダインスレイブ:ビームグレートソード両腕を
合わせた対大型艦用必殺技
ガイアブラスター:ショルダーレッグキャノン
による最大出力の必殺技
スパイラルランサー:手を合わせ同時にビーム
ランサーマグナムを放つ
疾風怒濤:その場で回転しながらビームグレー
トソードで斬りつつマルチミサイル
とショルダーレッグキャノンを放つ
無茶苦茶な奥義
※モーリアンが無くても単機で無双する機体なのだ!悪魔どころか魔王なのだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
スパ○ボOG観てたら50000PV突破してた!感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます