6-4 ボヨナの実

えーと、つまり、ビームフィールド展開したピアースを持って突っ込むって事?


「Crazy!!発想がCrazy!!」


「ケイトさんには言われたくない気がするです」


それ言われるとぐうの音も……でるわ!

なにそのKAMIKAZ。


「てか、ピアースもだが第1宇宙速度なんて速度にパイロットが耐えられんのか?」


「そこは新しいGキャンセラーを採用しております。コクピット内にテレンテテーレ人の母星で採取される「ボヨナの実」の種を守る液をですね、満杯に浸すのです」


なにそれ?

フフンとピフピヘットが無い胸を張る。


「ボヨナの実は種の回りの中身は普段は液体なのですが、衝撃が加わるとゴム状に硬質化するのです。それで中の種を外部からまもるのです。その液体でコクピット内を満たす事でパイロットにかかるGを極端に軽減出来るのです。それにボヨナの実は繁殖力が高いのでピアースとキャリバーの分くらいなら余りまくるぐらい採れるのです。私達の母星でも母星中の道路の下地に使っても余ってたのですよ」


あーアレだ。地球でもあった衝撃加えると水が硬くなるってヤツ。ダイラタンシーだっけか?レイノルズ現象っての。

水にコンスターチ混ぜて出来るヤツ。


「地球でもその現象を起こすのはあったが、こっちでもあんのか…地球じゃその現象を色々混ぜる事で再現して使ってたな」


「そーなのです?でもその現象を自然に持ってるのがボヨナの実なのです。日持ちも良くて液体だけならキチンと保存すれば10年は腐らないのです」


なにそれ、ボヨナの実凄くない?

10年に一度の交換ですむなんてコスパ最強の緩衝材じゃね?

けどよ、それってさ。


「良く自然界で溢れなかったな」


「衝撃さえなければただの果汁なのです。自生しているのは美味しいのでテレンテテーレ人の主食なのですよ。あ、もちろん緩衝材の分は無味無臭ですよ?………食べれるですけど」


まさかの非常食!


「現在フィール工房ではこのボヨナの実をMA用に応用する為に研究、開発を進めております。と言っても緩衝材としてピアースとキャリバーだけですが………」


ほーん………こんだけの優秀なモンなら色々と応用出来そうだな。

てか、工業用ってインフラ整備だけなんかな?


「これってよ、インフラとコクピット用以外にはどう使われてるんだ?」


「さっき言った通り基本は食用なのです。後はインフラだけなのです」


「お恥ずかしながら軍中心の旅を続ける我々には戦い以外には考えが及ばないのです。オーナーはその中でも異端ですが」


カリンさんなら納得。

あたいもエンハンブレに所属してから半年近く、何が一番困ったかって言うとエンタメやらファッション関係だった。

普段着は基本インナーのタンクトップや整備士用のツナギ、兵士関係の人達は支給される軍服だけ。放送関係も艦内放送か軍中心のニュース。休暇もらっても艦内うろつくぐらい。正直、技術班と話してる方が気が楽。

そりゃ、戦闘用装備をカタログみながらポチってるのは楽しいが、普段からあんなごってごての警備隊装備や軍服で過ごせないって。




そう考えるとゲームキャラってスゲーな。

物にもよるが普段着ねーんだから。




ま、そんな中で一番楽しいのがフィール工房の通販カタログだ。

フツーに服売ってるし、アクセもあるし、化粧品なんかもある(あたいはいらんが)

欠点は魔女っ子の比率が多いって事で、前に軍部放送のニュースで旗艦居住区一般乗務員(市民とも言う)の映像が写った瞬間、コミケ会場かと錯覚しかけた。

キャリアウーマンと魔女っ子コスと軍服とツナギとフルフェイスの全身アーマー(最早パワードスーツ)が一同に介すってめっちゃCHAOS。

そんだけファッションってのに頓着してないんだよな………

フム…と色々浮かんだけど、あとでカリンさんに話してみっか……?


「それではお二方。予定よりも時間が過ぎてますので、社長室へと参りましょう」


おっと、そんなに経ってたか。



――――――――――――――――――――

補足


ダイラタンシー(レイノルズ現象)

ダイラタンシー(レイノルズ現象)とは、ぬれた砂などに力を加えると、粒子間に水が吸い込まれて固くなる現象の事であり、難しく言うと、液体に粒子が混ざっているときに力が加わると体積が変化し、流体の挙動が変化する。

この現象は砂浜などで現れ、その上では歩けたり車輌が通行、停車出来る。

現在、この「硬化する現象」を利用したリキッドアーマーの開発が行われており、世界中で開発実験が行われている。

ボヨナの実はこの現象を混じり気なしの果汁で起こしており(果汁の段階で混ざっているのだが)コクピット内に使用されているのはここから糖分等を抜いた物を使用している。

本来ならダイラタンシーを応用したエンジン等、あっても不思議では無いのだが、テレンテテーレ人にはそこまでの応用力が無く、あくまでクッションとしか考えられていない。

尚、ダイラタンシーを応用したエンジンは実在している。



※ボヨナの実があれば産業革命待ったなしなのだ!!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

スパ○ボOG観てたら50000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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