6-3 ピアース&キャバリー
「オーケーオーケー。納得した。じゃ、次は新型のキャバリーだっけ?あれについて教えてくんない?」
ピフピヘットの講座に必死にメモるペギーさんに話を振る。
「………あ、はい。えっと、新型のキャバリーは先程お話ししました通り、ピアースと言う最新戦闘機を元に作られておりまして…」
おっと、そのピアースの事を聞くの忘れてたぜ。
「そのピアースって?」
「ピアースは高名な戦闘機設計士であらせられるポポルポット様が我が社へ直接持ち込みくださった世界最速の戦闘機でして」
ポポルポット?
名前からしてテレンテテーレ人か?
うちのお兄様集団以外にも腕の良い設計士っているんだな……何十億人も人がいりゃあそらいるか。
「武装は60mm機関砲とホーミングレーザーとマイクロミサイルの3つのみですが、その速度はなんと第1宇宙速度に到達するのです!」
武装少なって、第1宇宙速度?
えーと、前に姉貴が教えてくれた速度の速見表が端末に……あ、あったあった。
「………はあっ!?」
いやいやいやいや、有り得んだろ!?
あまりの事に驚いていると、ペギーさんとピフピヘットがしたり顔でこっち見てる。
なんでピフピヘットまで?
「戦闘機だろ?なんだよ秒間7.9kmってのは!」
「ピアースのコンセプトは「既存のあらゆる兵器には出来ない事を」でして、単機で恒星間航行を可能とする技術の試作第1段、言うなればプロトタイプです。本来、その速度を可能にするには戦艦用の巨大なエンジンが必要なのですが……」
「そこは私も関わった部分なのです!エリジウムマテリアルエンジンを増設して左右2基にしてブースターと直結。空いた中央部に動力源としてのみ機能させるエリジウムマテリアルエンジンを更に追加。それにより必要なエネルギーを確保する事で爆発的な推進力を得る事ができたのですよ」
やっぱピフピヘットが関わってたか。
それならしたり顔も納得だ。
「つまり、エンジン3基?あ、そっか、エリジウムマテリアルエンジンはエンジン自体が動力源でもあるんだった」
通常のエンジンと違いエリジウムエンジンは動力となるエリジウム自体がエンジンと一体化している。
その為、普通ならバッテリーやガソリンタンクが必要なのだが、エリジウムがそのエネルギーを全て賄っているので組み込む時には冷却装置…ラジエーターが必要だが、空きスペースがそれなりにできる。
実際、グランシードもコクピットがでかいだけで胴体の大半はエリジウムエンジンとラジエーターだ。
それにエリジウムエンジンの出す出力は尋常じゃなく、普通の戦闘機やMAでは1基でも余り気味であり、その余剰エネルギーを使う事で各ビーム兵装に回して使用している。
それでも余るのでアエードーンと合体してガイアプレッシャーを放てるんだがな。
「けどよ、3基もあったら余りまくるんじゃね?」
「そこで登場するのがビームフィールドなのですよ!」
ビームフィールド?なんじゃそら。
「流石に3基もあると無駄になっちゃいますので、そのエネルギーを使って機体全体を覆うビームエネルギーによるバリアを形成する事で速すぎる速度によって回避出来ない障害物を焼却するのです!これによりピアースの名の通り!対象を貫く体当たりを行えるのです!」
いや意味分かんない。
ポポルポットって奴はバカなのか!?(褒め言葉)
「それだけではございません!此処からがキャバリーの事なのですが、そのピアースに追加パーツを取り付ける事でMA形態へ変形を可能にしてますが、可変機としての性能としては素晴らしいのですがMA形態を追加している事でピアースのメリットである速度を出せなくなっています。全くではないのですが、第1宇宙速度は出せません」
「それは………関節部が持たないからか?」
「変形しなければ問題ないのですけどね?と、丁度その完成形が来ましたね」
言われてラインの方を見るとそこには直立で整備を受けている機体が。
大きさ的には15mほど、細身の軽量級の機体、アレがキャバリーなんだろうけどその背にはピアースがマウントされていた。
「……もしかして合体してる?ピアース自体がバックパックになんのか!?」
「はい。変形機構の増設により重量を増したキャバリーはピアースほどの速度は出せません。それが欠点でもあったのですが、背面にマウントする事で減った推進力を補っているのです」
いや、出す必要ねーだろ。
「元はグランシード・ディスパーサルの発想なのです。元々MAの基本理念は戦闘機には出来ない3次元、立体的な機動と人と同じ行動力を得る、なのですがそれ故にパワードスーツの域を越える発想が出なかったのです。それをケイトさんとサユリさんがあっさりと越えてくれたのです」
そっかー、地球人と言うか日本のジャパニメーションだと割りと多いから気にも止めてなかったけど、別々の機体を合体させるって発想が軍中心の行動をしている彼等からしたら
んで、その考えから同じ機体でなら方向性が同じだから相乗効果で凄い事になると踏んでキャバリーが完成したんだな。
「けどよ、MAに変形するとMAに求められる機動力が無くね?推進力はあるだろうが細かく動け無くね?」
「はいなのです。ですので補う為に
上手く商売してんなー。
「なる。だが更に言えば武装もだ。携行武器はあるんだろうが、近接武器が無さそうなんだか」
「そこはホーミングレーザーの部分をビームガンに変更して、戦闘時に分離する事で近接用ビームサーベルになるようにしてるので問題ないのです」
「フム………」
割りと良い機体……か?
パイロットが扱えるかどうかは別として。
「そしてキャバリー最大の武器はピアースランスなのです。これはピアースのビームフィールドの頑丈さを利用して対艦兵装として運用するもので、現存する近接武器としては貫けない物はないサイキョーの武器なのです」
What?
――――――――――――――――――――
補足
ピアースとキャバリー
ピアースはMAが世に広まり既存の戦闘機が廃れていく中で、MAには不可能な推進力により高速戦闘を可能とした最新の戦闘機であり、その速度はパイロットの負荷を考えなければ理論上単機で第1宇宙速度(地球基準)に到達可能で、数値に表すと秒間約8kmである。
しかし、その速度は余りにも速すぎ、浮遊物との衝突が回避出来ない為、ビームエネルギーを機首先端から発生させ機体を覆うビームフィールドを運用中は展開しなければならず連続稼働時間は極端に短い。
だが、戦闘時には必要としないがその速度は相手からすれば「目の前で消える」速さであり、廃れていく戦闘機の中でこの機体だけは量産体勢が出来ている。
機体形状は上から見ると鋭角な二等辺三角形であり、その姿から「
主な武装は60mm機関砲
ホーミングレーザー
マイクロミサイル
製作企業はフィール工房であり、ポポルポットが新型MAを作り出す前段階として設計した。
そして、ピアースを元に作り出されたのがキャバリーであり、ピアースに可変機構を組み込み追加武装となる腕部や脚部となる追加ブースター、変形時用の頭部となる追加センサーを増設、MAとして運用可能となる。
元がピアースの為全体的に細身で武装も少なめだが、この機体の本領はピアースとの連携にあり、MA形態の時のみだが他のピアースを背面に合体させる事ができ、追加パーツにより落ちた速度を取り戻し、MA形態で第1宇宙速度に到達する事ができる。
更に単純に武装が倍になり各種携行武器も機首下にマウント(飛行形態時のみ)でき、継戦能力が向上している。
その槍を持つ姿から「
※ポポルポットはだーれーなのーかー(;゚д゚)
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
スパ○ボOG観てたら50000PV突破してた!感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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