6-2 ピフピヘットの技術講座

上の階に上がってきたあたい達は、さっき以上にアホヅラ下げる事になった。

なにここ………さっきのラインも広かったけど、比じゃないくらい広くてデカイ。

横幅は優に200mを超え、奥行に関してはもう見えない。そこにラインに乗った多種多様な戦闘機と新型のMAがズラリと並んでいた。


「Fu○k……スゲーなこりゃ……」


「広すぎですぅ……」


「こちらが新規事業として立ち上げたMA開発の量産ラインです。まず、端の多種多様の戦闘機があるラインが持ち込みによる改造ラインとメンテナンスサービスのラインでございます。ライン数としては2ラインなのですが、持ち込みの数が多く3ライン目に入る勢いです。そしてその隣が件の新型量産機キャバリー専用ラインでございます」


「キャバリーって言うのか」


「はい。キャバリーは既存の戦闘機の中でも最新の戦闘機ピアースを元にMAへの可変機構を組み込んだ機体でして、既に試験運用時に軍の最新MAナイトに匹敵する性能値を叩き出しております」


はあっ!?冗談だろ!?


「更に持ち込みの機体が旧型であってもアエードーンクラスの性能を出す事が判明しており、クライアントの皆様に大変お喜びいただいてます」


「いやいやいやいやいやいやいやいや、流石にムリあんだろ。どんな改造してんだよ」


「………分かりました!改造時に取り付けるパーツ自体に動力を組み込んだのですね!」


じっとラインを見ていたピフピヘットが声を上げる。


「流石でございますね。ピフピヘット様。その通りでございます。既存のまま手足を着けるとエリジウムマテリアルエンジンを搭載していない旧型の戦闘機の動力ではエネルギーが全く足りませんので、小型の物を脚部となるブースターに併設する事で動力不足の問題を解消し、MAとして稼働できるようにしております」


つまり、太ももに左右1基ずつ予備バッテリー積んで無理矢理容量増やしたって事か。


「ん~……何気にソコが弱点になってない?変形機構もややこしくなってそうなんだが?」


「弱点と言えばそうですが、改造時に容量確保の為に少し太くなり重要機関にもなりますので、それなりの装甲厚はあります。変形機構に関しても元のパーツを切り離し脚部や腕部に改造して戻しますし、外付けもできますので、そこまでややこしくは無いです」


表情変えずにペギーさんが返してくれたが、ソコを突っ込んでくる客もいるんだろう。慣れたもんだなぁ。

でもさ、元から可変機を作る方が簡単じゃないのか?前にサユリが既存の物を改造する場合、1から設計し直さなきゃならないって言ってたと思うんだが。


「改造する場合、1から設計し直さなきゃならないって知人から聞いた事があるんだが?」


「えっと……」


「そもそも無いもんを増やすのが言うほど簡単なんか?惑星内でも操縦桿1つ増やすのに気密やらなんやら考えなきゃならんしさ」


「そ、それに関しましては……」


おっと、ペギーさんの表情が「まさかのクレーマー!?」って語ってるな。

いちゃもんつける気は無いんだが、ソレに乗って命のやり取りすんのはあたい達パイロットだからなー……手は抜けんですたい。


「それは大規模改修時の事ですよー」


おっと、ここでピフピヘットがフォローに入ったー。


「可変機への改造はあくまで外付けなんですよ。それに元々宇宙空間での運用を想定して戦闘機は作られてるので気密関係は既に出来ていますし、極端に言えば付けてしまえば配線と操縦桿の増設と専用のプログラムのインストールだけで済むのです。後はパイロットが慣れれば良いだけなのです」


「だが、機体は種族でバラバラだぜ?アレなんか木だぜ?その隣は楕円形の物体だしよ」


木、と言うか樹木?根っこだか蔦だかが楕円になってるだけだから、この場でなかったら戦闘機とは思えない。

楕円形の物体も金属っぽい光の反射はあるけど、その近くには涙型の同じ金属のヤツがあり、どっちもコクピットが何処にあるかすら分からん。


「木製の機体は私と同じ植物系種族の機体なのです。楕円形のは全体が流体金属の機体で、艦長みたいな精神生命体の種族がよく使う機体ですね。でも、どっちも変わらないですよ機体と言う点では。それで流体金属の方は増設パーツをそのまま取り込んでしまうので人型に形が変わるんですよ。木製の方は私達の種族の十八番である有機物と無機物を融合させる技術があるので、本体に配線を繋げたら融合しちゃうので問題ないのです」


「スゲーな宇宙!地球人のあたいじゃ理解できない技術だな!」


ピフピヘットの技術講座に感心しながら驚いていると、ペギーさんも驚いた顔をしながらもメモをとっていた。

メモんのかい!


――――――――――――――――――――

補足


追加パーツと異星技術

世界には様々な技術がある。

その中でもテレンテテーレ人や機械生命体の種族は他とは一線を画している。

その技術は地球人種には理解しがたい物であり、その中にはスピリットの技術も含まれている。

テレンテテーレ人の本来の技術は有機物と無機物が融合した物であり、大半が植物系で構成されている。

これは端的に言ってしまえば成長する金属とも言え、多少の破損は人間の擦り傷と同じく放っておいても自然に回復し、少しだけだか硬くなる(つまりは瘡蓋)

機械生命体、特に液状型は決まった形を持たず、直接接触する事で得た対象の機械的・金属データを解析し模倣する。

技術的には模倣する必要は無いのだが、模倣と同時に言語も理解しコミュニケーションを取る為に相手が理解する物で警戒を解く為である(逆に恐怖心を煽るが)

スピリットの場合は単純にオーバーテクノロジー過ぎて誰も理解できない。

以上の技術に対し追加でパーツを組み込むのは不可能であり、種族ごとの素材を使ってパーツを作成するのはコストが掛かりすぎる。

そこで此方から合わせるのではなくその種族が合わせる事で帳尻を合わせている。



※ピアース以外の戦闘機はエリジウムマテリアルエンジンじゃ無いので、増設した方が早いのだ!

エンジンを変える場合は得られる出力が違いすぎて結局総取っ替えになるから、増設の方が1桁違うレベルで安いのだ!!

ピアース自体は次の話で出てくるのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

スパ○ボOG観てたら50000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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