フィール工房
6-1 到着!フィール工房
あの後、あたいはピフピヘットが操るアエードーンでフィール工房へとやって来た。
フィール工房はカリンさんがオーナーのファクトリーで、ギルドほどでかくはないが個人所有されているなかでは最大の小惑星型コロニーであり、その大半が商業用の工場となっている。
「こちらエンハンブレ所属のケイト・アーカイブ特務曹長及びピフピヘット特務伍長。着艦許可を」
『こちらフィール工房。照合しました。ようこそフィール工房へ』
そーいや何気に工房へ来たのは初か?サユリはよく足運んでたみたいだが……前にカリンさんに会ったのはファクトリーのテチテットさんのお店だったしな。
守備隊用ドックに着いたあたい達はカリンさんのいるオーナールームへと向かいがてら、工房内を見学させてもらう事にした。
「ほえ~」
「すごいですぅ…」
案内された場所はMAの生産ライン。
ラインに直立でズラリと並ぶMAは正に圧巻で、そのラインに乗って次々とコンテナへとそのまま格納されていく。これは完成後即出荷する為であり、カリンさんが無駄を省く設計をしたらしい。
そしてこのラインは各ドックの横に併設されており、即出荷する為に多くの整備士達がめっちゃ遠くの方で完成品のチェックを行ったりしている。
その光景に思わずアホヅラ下げたあたい達に案内をしてくれている女性、広報担当のペギーさんが説明を始めた。
「どうです?我が社のMA生産ラインは。凄いでしょう。此処では量産機用のラインを常時3ライン稼働させており、軍用・ギルド用と一般向け用に分け生産しております」
「一般向け?」
「はい。主に企業や個人向けですね」
「ラインの大半はファイターなのな」
3ラインの内2ラインがファイターで残りはソルジャーか。
「扱いやすいですから訓練用や作業用として需要があるんです。とは言え、ほとんどが委託ですので利益は少ないのですけども」
「確かファイターやソルジャーはヒュペリオン社が特許を持ってるんでしたよね?」
「その通りですね。ですのでうちでの生産はヒュペリオン社が自社で賄いきれない分と言う事です」
そーいやメーカー元はそうだったな。
「お恥ずかしい話、我が社には目玉となる量産機を受注は出来ているのですが未だ販売しておりませんので、既存のMA生産ラインはこう言う風にしか使えて無いのですよ。しかし、他の階には今後目玉となる量産機専用ラインと服飾やコスメ等のアパレル関連のラインがありますので、問題は無いのです。それに、量産機の販売が軌道に乗れば、このラインをアエードーンや各機体の補助パーツ製造ラインに変更する予定ですので」
艦長やサユリの話ではアエードーンと新型を此処の量産機として売り出す予定らしいけど、もうちょい先になりそうだなあ………。
あたいとしてはカリンの姉御に姉貴やリックの機体作ってもらったりしてるから、手伝いたいが。
「オリジナル量産機まだ出来てないん?」
「完成はしているのですが、発注依頼が多すぎまして……」
え、そんなに発注きてんの?やべーな。
出荷し終えたらどんだけの利益がでんだよ。
……あれ?なんか忘れてる気がする。なんだっけ?……あ、思い出した。
「あ。以前、うちの技師から新しい量産機の作成依頼があったと思うんだけど、それがその?」
めっちゃ忘れてたけど、前にピフピヘット親衛隊のお兄様達から可変機の作成依頼出してたのを思い出した。確か、既存の戦闘機を可変機に改造して売りに出す予定だったはず。それがフィール工房オリジナル量産機であるなら……
「はい、その通りでして。そちらは上の階で絶賛製造中です」
別の階なのな。
「しっかし間に合わんぐらいに売れてるのか?ピフピヘットは知ってた?」
「はい。売れてるのは「改造」の方なのですけど、低コストで改造出来るので、そっちがかなり利益が出てるみたいなのですよ?艦長とカリンさんが出資してヒュペリオン社が持ってた戦闘機の製造権もラインごと買い取ったみたいで、改造をサービスに、新型は特典つけて売り出したら、その利益が凄すぎて新型のMAを作ったり、もう少し貯めたらエンハンブレ自体を新造艦に買い換えるって息巻いておりました」
何気にエグい事してた!?
しかもラインごと製造権を買い取ったって、いったいいくらお金使ったのよ!?
とは言え、その利益でアイテムボックス付き端末をボーナス代わりに配ったり、グランシードとアエードーンの代わりを新造してるんだから文句は無いけど。
「なかなか豪気な……サービスとか特典の内容は気になっけど……とりまあたいはその新型量産機見てないから、見せてもらっても?」
「えぇ。オーナーの居られるオーナールームもそちらの方ですので御案内しますね」
――――――――――――――――――――
補足
フィール工房の急成長
現在、フィール工房は多種多様な商品を世に出しているのだが、その売り上げの大半が服飾関係であり、企業としては中小企業の範囲であった。
しかし、今回MA産業に着手した事により更に業績を上げ、一瞬で大企業の仲間入りを果たした。
だが、新たに着手したMA産業の売り上げのほとんどが委託であり、唯一の自社製品は可変戦闘機及びその改造サービスである。
この戦闘機が曲者で、既にMAに活躍の場を奪われた戦闘機は無用の長物であり、既存の戦闘機よりも高い商品は、発売当初は見向きもされていなかった。
そこで直ぐ様行ったのが改造サービスで、戦闘機を大量に保有してはいるが、MAを持つのが難しい(MA、特にソルジャー1機で戦闘機を何台か買える)企業に、処分に困った戦闘機をわずかな金額(ファイターより安い)で既存のファイター以上の高性能機に改造しますと売り込んだ。
訝しむ企業に物は試しと1台だけ無料で改造し提供するとこれがウケた。
7000万のファイター1機を購入しなくても、その金額で不良在庫と化した戦闘機が同じ値段で数機もソルジャークラスのMAと化けるのだから。
更に新規に購入したとしても元が量産体勢が整った戦闘機である。その金額はファイターよりも安い(ざっと4000万ほど)
もっと言えば、新たに戦闘機を購入すれば改造費を入れても更に安くなる裏技があり、戦闘機の売り上げも上がっていった。
この裏技はカリンがわざと仕組んでおり、新商品として購入した側からすればほぼ詐欺なのだが、新商品購入者には特典があり、その内容が10年間のメンテナンスの無料であったり、弾薬の無料補充であったり、ギルド内娯楽施設の優待券(ほぼ無料)であったりと充実しており、クレームを入れに来た購入者が夢見心地で帰っていくのが日常となっている。
なお、ギルド内娯楽施設の優待券の発行元はクリプトン財団(リックの実家)だったりする。
※1階部分は後にアエードーンや他の機体(未登場)のラインに変わるのだ!
あれ?カリンさん独り勝ちな気が………
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
スパ○ボOG観てたら50000PV突破してた!感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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