5-12 死神

「ドラゴン見た時から教団に地球人がいるって思ってたんだよ、なあ!そうだろ!!」


あたいは叫びながらランサーを放つとクラゲな機体が回避する。


『知るか!』


クラゲが撃ち返してくるもあたいも回避。

大して狙いのつけてない射撃なんぞ当たるかよ。

リックも援護してくれてるが……やっぱ動きが悪いな。


「リック無理すんな!流れ弾にさえ当たらなきゃいい!!ってこの!」


こっちのランサーと同口径、同威力なのに連射性能たっか!!速度的にはこっちの1.5倍はあるか?


『教団以外の人間は消えればいいんだよ!』


「ちいっ!!」


機体性能も何気にたけぇ!?

あのグネグネ動く両腕からバンバン放たれるビームがどっから来るか分かりにくい!

いや別に後ろから撃たれる訳じゃねーけど。

本来なら射手を基準に撃たれるから射撃元の動きを見てりゃよ、銃口がどっち向いてるかでなんとかなるんだが(普通はできない)斜め上からとか下からとか激ムズなんだって!

それにグランシードのでかさもネックだ。

下手に身を捩って後ろのピフピヘットに当たったら………ん?せや!


「ピフピヘット!ちょいと頼まれてくれ!」


あたいは『ふえぇぇ…』とか言ってるピフピヘットを無視して一気に吶喊する。


『血迷ったか!』


クラゲ野郎が射撃を止め左右の爪を束ねて突き刺してくる。

だが、それを狙ってたんよ。


「今だ!」


すかさずバックパックになっているアエードーンを切り離し、その勢いで自身の軌道を変える。


『なに!?』


驚きで止まる刹那の時間と、狙いが外れた爪を戻そうとするまでの僅か数秒とが欲しかったんよ!

あたいはそのままグランシードでクラゲ擬きを押さえ込んだ。


「ピフピヘット!!」


『はい!!』


ピフピヘットが分離後すぐにMA形態に変形したアエードーンの両腕のレッグキャノンでクラゲのクロスした爪を破壊した……両腕のレッグキャノンてややこし…今更か。

だが、よしっ!これでコイツは武器が無くなった!このままエンハンブレまで連行………と、思った瞬間、あたいは想定外の場所から衝撃を受けた。


「なんですと!?」


コクピットがある胸部と顔面を左右から同時にぶん殴られた!?


『驚いたぞ!バックパックもMAだったとはな!!』


「こっちもだよクソッタレ……」


クソ……殴られてやっと思い出した。

腰部の分厚い装甲、あれは追加装甲なんかじゃねぇ……サブアームだ。


「ヘ○ルズ……それもアドバンストの腰部サブアームじゃねーか」


思い出せないのも無理ねぇか?

ありゃ、アニメじゃなく書籍掲載の小説とプラモと一部ゲームにしか出てこねぇ。

あたいはアニメとゲーム中心だから思い出せなかったんだな。


『だが、誉めてやろう。メデューズのサブアームを使わせた事を!そして絶望しろ!!メデューズの名の元に!!!』


クラゲがサブアームを使って腰横から小型のハンドガンとビームソードを取り出した。


『クローとカノンは無くしたが、こう言う使い方も出来る!』


更にやたらデケェ肩アーマーからサブアームが…って腕が更に増えた!?

腕4本、クローの分も含めたら6本も腕あんのかよ!?


『驚いたか?驚いたろ!なら墜ちろ!』


肩部サブアームがビームソードとハンドガンを取り出し撃ちながら突撃してきた!

やべっ!驚きで回避行動が遅れた!

あたいは咄嗟に身を捩って防御するが右腕と胸部装甲と右足を斬られた。

こぅわ!!カメラが網膜とリンクしてるから見えなかったけど、目の前をビームソードの先端が通っていった!!………はず。

なんせリンクが切れてガッツリ裂かれたコクピットから広大な宇宙が見えてますもん。

って、ついでにDMCシステムも落ちた!?動かねぇ!!!


『ケイト!!』


『ケイトさん!!』


『浅い!?だが!』


体勢が崩れリンクもシステムも切れて動けないあたいに、とどめとばかりにクラゲが4本のサブアームを伸ばしてビームソードを突き刺してきた。

リックとピフピヘットがあたいを助けようと突撃してくるも、2機とも離れていたから間に合わない。


Assholeクソッタレ!」


『死ねよや!!』


下品で失礼!

ビームソード4本の内の1本が文字通り目の前に迫る。

少しで良い!動け!動いてくれ!


「グランシードォォォォォォ!!」


あたいが叫んだ瞬間、目の前を何かが通りすぎてサブアームがぶったぎられビームソードがあらぬ方向に。


「what?」


『何ぃ!?』


クラゲ野郎と思わず被ったが、マジで何?何が起きたんよ?

お互い、いや、リックとピフピヘットも含め4人が唖然としてるなか、最高にイカす通信が入ってきた。


『本当に悪運だけは強いんだから……ご機嫌はいかがかしら?お嬢様?』


「あっついブラックが飲みてぇぜサユリ!!」


大きく裂けたコクピットから身を乗りだし辺りを見渡すと、そこには巨大なコウモリの翼を広げ、巨大なビームの刃の大鎌を持った漆黒のMAがこっちを向いていた。


「………………………ほへ?」



――――――――――――――――――――

※Assholeは侮辱なので使わないようにしましょう。なお、Fu○k、F○ckingはスラングとして「めっちゃ」とかの意味で使われる事が多かったりします。


補足


メデューズのサブアーム

ダークマターメデューズカーディナル(以下メデューズ)は元から両手がクローである為に携行武器が持てず、細かい作業もできない(ボタンぐらいは押せる)為に、素の状態では極端に武装がクローとカノンしかなく両腕を破壊されると何もできなくなってしまう。

そこで本来補助に使われる物であるサブアームを各所に取り付け、両手が使えなくなる状況でも対応できるようにした(内腰部のサブアーム2つは追加装甲も兼ねている)。

結果、ハンドガン2丁、ビームソード4本、クロー、ビームカノン2門、ビームカノン集束ビームカタール(未使用)と中・近距離戦に特化した機体になった。

しかし、その操作性は難しいどころか不可能に近く、現在、まともに扱える者はほとんどいない。

サブアーム自体は作業の補助用の物の為、特別な物ではない。



※デスサ○ズ……ではないのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

ボーッとしてたら40000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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