5-9 合流

ピフピヘットの報告に広域レーダー(戦艦程の範囲はない)を使用すると、レーダーの端に合流相手の乗っている小型輸送機が写る。

そして、その後方に多くの機影がレーダーに写る。


『データ照合っと……どうやら前に戦った機体ばかり…か?』


「……いや!3割ほど違うみたいだ!」


照合されたデータをよーく見ると系統は同じだが、部隊長用のリーダー機らしい。

こっちに向かって来ている総数は13。

内8機は前回戦ったダークマタービリーヴァー(信徒)って機体。

そして4体がダークマターファナティック(狂信的)と言うらしい。

パッと見では大して違いはなく、有るとすれば胸部アーマーの形状が後上方に延びてるかどうか……ぐらい?

カラーリングも顔も黒地に赤ラインで変わってないからリーダー用に内部センサーが違うぐらいなんだろうな。



某緑の量産機みたく角有るか無いかみたいにさ。



で、機体名は「信徒」に「狂信」だな。

宗教っぽい?

そして残る1機は……丸い頭部に横に真っ直ぐ伸びた肩アーマー、全体的に少し太めのシルエット……グランシードに近いコンセプトなのかな?

とは言えナイトやソルジャーより少し太めってだけだから、性能的にはナイトより下のはず。


『機体照合……出ました!ダークマターディーコンです!』


今度はディーコン……助祭か。

やっぱ宗教だった。

なんかその内大司教(アークビショップ)とか教皇(ポープ)とか出てきそう。

ともかく、比率から考えてもディーコンがこの襲撃部隊の陣頭指揮とってんだろう。


『アルファツー、スリーは後方支援!ケイトは遊撃!1人辺り3機を目標に!ちんたらしてたら私が全部貰うよ!』


『『『「了解!!」』』』


と、言ったものの、一瞬面倒臭さが過る。

せや!


「アルファファイブ!」


『はい!充填率50%!後1分です!』


流石ピフピヘット、あたいがやりたい事わかってるな!何も言ってねーのに!何も言ってねーのに!!


「お、OK!アルファワン!このプランどう?」


あたいは自分の考えをマリアさんに伝えると視界に映るマリアさんが凶悪な笑みを浮かべた……怖っ!


『!……いいねぇ…各機!1分持たせな!』


『『了解!!』』


リックの機体のバックパックのキャノンを撃つと、姉貴が飛行形態でキャノンを撃ちながら敵陣に突っ込んで行く。

姉貴の機体が飛ぶ様………思い出したツイ○ビーだわ。


『合流予定の輸送機!こちらエンハンブレ!聞こえるか!?』


マリアさんが必死に追撃を躱す輸送機に通信を入れる。


『やはりエンハンブレだったか!?』


『こっちが上でも下でもいいから回避行動を取りな!』


『な、何か分からんが…りょ、了解した!』


『アルファフォー!チャージ終わったら言ってくれ!』


「あいよ!」


さてさて、大分距離が縮まったが未だ相手は輸送機しか狙ってない。

そこを姉貴が高速で突っ込んで足止めし、動きの止まった奴をリックが狙い撃っていく。

おいおい、2人だけで既に4機以上落としてんじゃねーか。

とかなんとか言ってる内に後10秒。


『後9秒!…7…6…5…4…3…2…1…チャージ完了!』


「いよっしゃ!アルファワン!」


『各機散開!輸送機!』


敵陣ど真ん中の姉貴とマリアさん、輸送機が軌道を変えた事で正面はがら空きに。

リックもスッとあたいの側に来る。

じゃ、遠慮なくブッ放しますか……ジャンク残ると良いなぁ……


「くらいやがれぇ!ガイアプレッシャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


今出せる最大出力のビームを放ちながら横薙ぎに薙いでいく。

そこらに浮かぶ塵やらガスやらパンパン弾けさせながら光の帯が敵陣を切り裂くと、相手は虚を突かれたらしく次々と花火になって消えていく。



我ながらやっべぇな……MAP兵器だコレ。



『おいおい……私等の出番無くね?』


『これはひどい』


レーダーに写る機影が一気に消失し、残ったのは機体性能のお陰か咄嗟に回避できたリーダー機のみ。


『各機!あのリーダー機を捕らえろ!』


『『『「了解!」』』』


『ケイティさん!エネルギー残量20%ですぅ!完全回復まで30分なのです!』


結構消費したなぁ。

グランシード自体、エネルギー兵器の塊だからちょいと厳しい。

まともに使えるのは肩部内蔵マイクロミサイルぐらいか?

けど、残るは動きの止まったリーダー機だけ。


「いやー……もう終わったも同然だろ?」




――――――――――――――――――――

補足


ダークマターファナティックとダークマターディーコン

ダークマターファナティック(以下ファナティック)は量子教が開発した次世代型量産機であるダークマタービリーヴァー(以下ビリーバー)の指揮官機であり、違いは本編にあった通り、後上方に上がった胸部アーマー兼スラスターとケイトの考察通り通信及びセンサーの性能のみであり、機体性能自体大して変わっていない(スラスター出力の差はある)

その為、当然ながら各部品共通である為、整備性・量産性に優れている。

本来ならばデータ上同じ機体なのだが、教会の役職を元にデータベースに登録されているので、別の機体として教団では扱われている。

そしてダークマターディーコン(以下ディーコン)は、ビリーバー・ファナティック・アコライト(本編未登場)の3機を纏める機体であり、軍で言えば士官用の機体である。

その姿は同じ機体デザインであるビリーバーやファナティックとは違い、避弾経始の観点からメインカメラ及び内部センサーを守る為に丸味を帯びた頭部になっている。

他の特徴は横長の肩部装甲と少し太めのシルエットをしており、ビリーバーやファナティックよりも一回り大きい。

機体性能も一段上の高性能機体なのだが、現在指揮官機として随時生産されているナイトより性能は劣る。

とは言え高性能機であるのは変わらない為、教団ではその機体名通り、助祭の役職に当たるパイロットが操縦している。



※超火力の機体が1機いるだけで戦場を制する事ができるのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

ボーッとしてたら40000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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