5-7 姉貴とリックの新機体

『マリア・アーカイブ、グロリアスナイト、出るよ!』

『ケイト・アーカイブ、フレスベルグ出るぞ!!』

『ケイト…じゃなかった、ケイティ『ピフピヘット!』グランシード・ディスパーサル、出る!』

『リック・クリプトン、ニーズヘッグケーニッヒ、出ます!』


マリアさん筆頭に、連続して出撃するあたい達。

あたいがグランシードではなくグランシード・ディスパーサルなのは、ブリーフィングの後、サユリが艦長に「人選の変更」を申し出たからだ。

なーんか考えがあるらしく、アエードーンには乗らず別の機体で出るそうだ。

んで、代わりにピフピヘットがアエードーンに乗る事になった。

本来なら兵士でも無い彼女がMAを扱う事は無いのだが、完全にサポートに回ってグランシード・ディスパーサルの補助を担ってくれる。

その為、突貫工事でDMCシステムに手を加えてオペレーティングシステムを捩じ込んで彼女専用のコクピットに改良したんだがな。


そして、リックのニーズヘッグケーニッヒはバックパックと左右の腰に追加パーツを取り付けたニーズヘッグの本来の姿だ。

でも、その追加パーツがでかいこと、でかいこと。

そのパーツは、バックパックに付いてるのはグランシード・ディスパーサルのショルダーレッグキャノンとほぼ同じ大きさの2門のキャノン。

腰部のは脚部パーツと同じくらい長い大型ブースターみたいだ。

しかも青いニーズヘッグに対し赤く、更に左手には機体の大半を隠せるほどのシールドを装備している。

サユリ曰く『ケイトの要望を叶えようとしたら追加パーツしかなくバランス考えたらでかくなった』らしい。




何がどうなってこうなった?




一応、シールドを機体前面に持ってきて、少しの変形で巡航形態になるから、マリアさんのグロリアスナイトを乗っけて行ける。

しっかし、あんだけでかいとしゃがめないんじゃ?


『この腰部スラスターは途中で曲がって脚にもなるらしいよ?』


お馬さんかな?

てか、リックは何であたいの考えてる事分かるんだ………

そう言やニーズヘッグって邪竜の名前じゃなかったっけ?竜要素何処行ったんだ?


『じゃあマリアさん、巡航形態になりますので、乗ってください』


リックがそう言うと腰部が反転し脚部が胸まで曲がり、大型の肩のパーツが前腕部方向へと折れ曲がる……あの肩動くんだ。

肩アーマーでかいなーブースター兼ねてんのかなーって思ってたけど、まんまブースターだったんだな。

最後にでかい盾が前面に収まって変形が終了する。

てか、ガン◯ムエピ◯ンかよ!

邪竜要素そこかよ!?

後方に流れてるその腰部スラスターもよくよく見たら今思い出したわ!

レギ◯レイズジュ◯アの腰部スラスターバーニアとほぼ同じじゃねーか!そらでかいし脚にもなるわ!




サユリ、詰め込み過ぎやせんか?




一方、姉貴の機体は遠目で見ると小鳥の様な姿の戦闘機?だ。

と言っても、全長15mはあるんだが。

小柄な姉貴(あたいが言うのもなんだが)に似合う機体で、コンセプトがアエードーンを元にしているらしいから、いざと言う時にはMAに変形するんだろう。

割りと小型に見えるけどそれもそのはず、胸部に当たる部分が他のMAよりも小さい、てか、薄い?

胴体の胸部装甲が戦闘機らしく先細りで、鳥の嘴みたいだから、翼を閉じた鳥に見える。

姉貴曰く、コクピット内部も「せまっ!」との事で、DMCシステムの関係上球体型なのだが、姉貴(とあたい)以外が乗ると確実に手が壁にぶつかる。

まぁ、全天周囲かつ網膜投射だから、稼働すると狭さは感じないんだが。

ジェネレーターとか何処積んでんだ?

コクピットしか無いんじゃないか?


反面、肩に当たる部分と脚だろうブースターはでかい。

でかいと言っても、肩は付いてるパーツが大型のキャノンだからなんだが。

アレ、ビームキャノンなんだろうなー。

脚はブースター内蔵型だろうから、太くなってんだろうな。

しかし、気になるのはそのフォルムで、変形するとアエードーンなんかは横這いになるから横から見ると細くなるんだが、姉貴のフレスベルグはぶっとい。

胴体の向きはそのまま、頭部がバックパック側に倒れ、腕部は前へ伸ばし、脚部は腰部まで上がってから後方に………あーつまり簡単に言うと……Z←こんな感じ?

あ、バックパックはブースターを1基ずつ左右に取り付けて、変形時に胴体部の横に移動する様にしてるみたいだな。

んー、なんてか違和感?アエードーンのコンセプトならあんな"Z"にするよりもっと速度の出そうな横這いにするはず?




うーん……どっかで見た事ある様な……



とかあたいが考えてると姉貴がサユリの行き先を聞いていた。


『にしても、サユリは何処行ったんだ?』


「何でも余剰パーツで色々出来そうだから、それらを取りに行ってるらしいぜ?」


出撃前に「ちょっと行ってくる」って言ってたしな。


『て事は、工房?マリア、何か知ってる?』


『知ってるけど教えなーい』


んだそりゃ。


『正確には私にはよく分からなかった、か?聞いても「間接部の強度がー」とか「供給システムがー」とか言っててさ』


間接部の強度?

供給システム?

強度なら磨耗しにくくしてんだろうが……供給システムは何だ?


『ま、向こうで合流予定だからその時にわかるでしょ』


そりゃそうだが。


『あ、向こうに着いたら部隊コードアルファでね。私がワン、ケイトがツー、リックがスリー、ケイティがフォーでピフピヘットがファイブねー』


今決めたの!?

出発前のブリーフィングで決めとこうよ!


――――――――――――――――――――

補足


全天周囲モニターによる視界

戦闘機が主役だった以前は、前面と側面だけあれば問題なく、後方等はセンサー等でアラートを鳴らせば良いだけだったのだが、立体的な機動をするMAの場合、前方・上方・左右側面の4枚のモニターだけでは「後方が見えない」「足元と後方はワイプだから見にくい」等の問題が兵士から多く上がってきた。

そこで軍(正確には博士が)が開発したのがこの全天周囲モニターである。

その視界は360°で、搭乗後は宇宙空間に生身で浮かんでる感じになる。

現在、エンハンブレに配備されている機体からのデータフィードバックを用いて最新型量産機「ナイト」を中心に配備されてつつあるが、慣れていない兵士達から「気持ち悪い」「胃がキュッとする」「たまひゅんw」と意見が上がっている。

初期のバージョンでは自身の機体が見えず、自身がどう動いているのか分からず脳が混乱し、まともに扱えなかった(腕を伸ばせばそれだけは見える)

現在では自分の(機体の)手足や体は見れる様になり、機体が同期して動いているのが見え自身が動いているように感じられるようになった。

原因は各所のカメラが機体の外側に付いており、そのまま写していた為で、現在のバージョンでは修正され、概ね好評を博している。



※大抵、部隊コードは事前に決めてずっとそのままが多いのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

ボーッとしてたら40000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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