5-5 生存能力限界突破個体

「マリアさん、軍の医療技術がどんだけか知らんけど、は可能なん?」


「可能は可能だけど……ケイト?あの時の医療費、追加料金払った?」


「払えねーって。追加は保険効かねーし」


「じゃあこれはどういう事?」


マリアさんが写真集の1ページを姉貴に突き付ける。

そこにはビキニ姿の姉貴が写っていた。


「何で傷痕一つ無いの?」


「知らねーって。かさぶた剥がれたな~って思ったらキレイになってたし?」


かさぶたて。


「……そう言えば昔から傷や怪我の治りが早いと思っていたけど………」


じゃ、ほぼ確定………か?

もう一つ確認したい事があるけど、流石にそれはなー?


「つまり、どう言う事だ?」


「後1個だけ確認出来てねーから絶対にそうとは言えんけど、姉貴がデザインチャイルドだとしたら、多分、生存能力に特化した個体だと思う」


「生存能力ぅ?」


「そそ。どんなに傷を負っても、恐らく死んでも目ぇ覚ます」


「は?」


「は?」


「ケイトさん、流石です!」


ディアス君まだおったんかい!!


「多分だけど、マリアさんが壊滅した組織が目指してたのが、死なない兵士を作ってたんだと思う。んで「完成」ってあったからそうなんだろうなっと」


「有り得そうねぇ……実際、他の惑星で死なない存在はいるし」


居るんかよ。


「でもアレはスライムみたいな物だったし、流石に人の細胞に組み込むのは無理だったはずよ?再生医療での応用考えた依頼で捕まえた事あるけど、人の細胞よりも強いから食われちゃうのよねー」


何その宇宙的恐怖コズミックホラー


「多分、それとは違って、もっとヤバイ物だとあたいは思う」


その組織がと同じ物を目指してたんだったら間違いなく姉貴は死なねーし、敵対したら絶対ヤバイ。


「なんだそりゃ?」


「肉体の再生ってだけなら、そのスライム?みたいなのでも良いんだけど、姉貴はそうじゃなくて……絶対に死ぬ状況だったりしても何かしら起こって、結果的に死なない」


「いや、流石にトンデモが過ぎねーか?」


誰だってそう思う。

あたいもそう思う。


「実験する訳にもいかねーから確証はねーんだ。もしそうだったらラッキー?くらいに思うぐらいで丁度い」


ガキッ!ガキッ!


ん?何の音?


「あら、本当みたいね?ついでに貴女もそうみたいね。良かったわねー」


音のした方に向くとマリアさんが2丁の拳銃をあたいと姉貴に向けていた……


「「どうぇぇぇぇ!?」」


「そんなに驚かなくても良いじゃない」


「撃ったのか!?今、私等に向けて撃ったのか!?」


「そうよ?分からないなら試すしかないじゃない」


「だからといって!」


今、確信した。

本当にヤバイのは姉貴でもあたいでもなく、この人だって。


「もうしないわよ。今ので戦場だったら私が死んでただろうし、だけですんだから、私も結構運が良いって分かったし。でもそうなると少し厄介な事になりそうね………」


「あんたの存在が厄介だわ!……で?何が厄介なんだ?」


「それがね?あの時、研究所を壊滅させた時なんだけど、いくつか有ったのよ。空の試験管」


マジですかー(´Д`)


――――――――――――――――――――

補足


軍の医療技術

現在、軍での医療技術は現代社会における医療技術とは比較にならないほど高く、例え瀕死の重症であろうと時間さえあれば完治させる事ができる。

専用のカプセル内でナノマシンが混ざった治癒力を高める液体がある為だ。

この液体は、無数の微生物から構成されており、どんな生物であろうと体内に皮膚から浸透しその生物の損傷を負った箇所の細胞に成り済まし居座る。

言うなればある種の寄生虫なのだが、宿主を支配する事は無く、逆に宿主を生かす為に体内に不足している部分を補う為に増殖する。

そして居座った箇所の細胞が修復されると同時に他の場所へと移動、再び居座るを繰り返していき、そして居座る箇所がほぼ無くなった時に便や尿、汗や垢として排出される。

一方、ナノマシンは元々体内に注入されているナノマシンの補充用として混ぜられており、微生物との相互作用により短時間での治療を可能にしている。

しかしこれは、あくまで死なない為の治療である為、生命活動に支障がないと判断されれば治療カプセルから放り出される。

よって、部位の欠損ぐらいは放置され、問題なく動けても傷痕は残り、場合によっては軽度の後遺症も残ったりするのである。

完全に治すには追加で料金を支払わなくてはならず、保険制度も効かない為高額であり、部位の欠損は機械に置き換えた方が身体能力が向上し安上がりな為、多くの兵士や冒険者達は割りと傷だらけである。



※ケイト姉妹はキ○コ並に死なないのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

ボーッとしてたら40000PV突破してた!感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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