5-4 散歩がてらに

マリアさんが姉貴の親!?

全く似てないんだが!

「全く似てないんだが!」


「当たり前だろ、養子なんだし」


養子?


「ほら、私って入隊した時から強かったじゃない?」


しれっとマリアさんが自慢するが……いや、知らんがな。


「気が付いたら二つ名持ちになっちゃっててさー」


「あー……相手が居なくなったと」


「そ。で、17年ほど前かなー?非番の時にちょーっと散歩がてらに非合法組織を潰してたら、そこで人造生命体の製造やっててさ」


ウインドショッピングや買い食いするみたいにマフィアを潰さないでもらいたい。


「製品の大半は手順間違えて爆散したんだけど、製造途中の1体が残ってるのが目に入ってね?放置すんのも寝覚めが悪いから連れ帰って育ててみたのが……」


「私って訳だ。ぶっ飛んでんだろ?」


ぶっ飛ぶ所の話じゃ無いんだが……


「ま、そんな訳で育ての親って訳だ。ってもまともに育てられては無いが」


「あら?ちゃんと育てたじゃない?」


「見た目年齢8才児にCQCやらサバイバルやら射撃訓練を施すのは育てたとは言わねぇよ!?」


うん、それは違う教育だよね。


「見かねた近所のおばちゃんが居なかったら今頃私は戦闘マシーンになってるわ!」


「……ぶっ飛んでんのは分かったが……じゃあ、姉貴の種族って人造人間?」


「それがヒューム族……軍での人間族の事だが、それと大して変わんねーんだよな。遺伝子配列は地球人とも違いはないし、有るとしたら……天才ってぐらい?」


なんかさらっと地球人の根源みたいなのが出たけど、気にしないでおこう。

でも天才か……


「もしかすっとその組織がやってたのは、完璧な人類でも作ってたのか?」


「と言うより商品ね。この娘以外にも男性体とか色々いたけど、戦闘用っぽいのとか、何かしらの技能に特化したのばっかりだったから、戦闘員や絶対服従の忠実な兵士を必要としている所に売ってたみたいね」


映画なんかで良くあるヤツだな。

後はとあるロボットアニメであったPシリーズとか。

ま、あの作品では20体ほど作られて生き残った1体がめっちゃ美人のネーチャンになってたっけ……結局死んだけど。


「でもねぇ、チラ見した資料に「最後の最高傑作が完成した」ってあったのがこの娘のシリーズなのよねぇ……」


最後の最高傑作?

確かに今の姉貴を見てるとそうなんじゃ?


「腑に落ちないって感じっすね?」


「そりゃそうだろ。自惚れる訳じゃ無いが、私自身も腑に落ちない」


「てぇと?」


「資料には「完成した」とあったんだけど、どのデータベースや資料を見てもよくて5歳児で中には0歳もあったのよ?戦闘員作るような組織がわざわざ赤ちゃん作って何の意味があるのよ」


そりゃそっか……?

おん?


「ん~……ん?」


ふと脳裏にその意味がある……と言うかそう言うアニメがあったのが浮かんできた。

いや、でもな~?

あくまでアニメだし?


「なあ姉貴。今まで撃たれたりとかして死にかけた事はあったか?」


「そりゃ有るに決まってんだろ?軍人だぞ元とは言えよ」


「じゃあ、一番ヤバかった……撃たれた場所は?」


「胸だなぁ……数㎜ズレてたら死んでたな」


フムフム……


「マリアさん、そん時の事は?」


「覚えてるわ。報告を受けた後秘書に仕事丸投げして医療区画へ飛んでいったもの。かなりの重傷だったし覚悟決めて行ったのを覚えてるわ。それが?」


「姉貴、写真集とか出してる?」


「おう、有るぜ。フィール工房製の水着の撮影の時にモデルになったからな」


「へー、そんなの出してたんだ。お母さん、それ欲しーなー?」


「恥ずかしいわ!?それにそん時、エンハンブレの代表の座を艦長に押し付けて新兵育成しててそれどころじゃなかったろーが!?」


グラビアまでやってんのか。

マリアさんが写真集の事を知らなかったのは以外だが、姉貴マジ何でも屋だな……それはともかく。


「今持ってる?」


「あー、それは持ってないな」


「有りますよ!」


「「うわおっ」」


びっくりしたー……

いきなりディアス君が飛び込んで来た。

バイト終わって帰る準備してたんじゃ?

てか、マリアさんが目を丸くしてる……散歩がてらに非合法組織ぶっ潰す人を声こそ上げなかったが驚かすとは……


「これですよね!1年前に出された幻の写真集!後にも先にも水着姿を出したのはこれだけですし!あ、他にはアイドル時代のライブの時の映像の切り抜きをスクラッチして纏めて同人で出版したのも有りますよ!」


お、おう。

とりま写真集を受け取り、中を確認。

横で「これ!この時の表情が」とかディアス君が事細かに解説してくれてるが、重要なのはソコじゃない。

あたいはマリアさんにとある1ページを見せた。


「この写真が何…………はあ!?」


マリアさん、気付いたみたいだな。



――――――――――――――――――――

補足


統合軍に集まった種族

現在、地球圏近郊(と言っても太陽系外ではある)でミ=ゴに征服されている地球を監視し、今後の対応を検―討している統合軍には、多数の種族が船団員として登録されている。

現在登録されている種族は以下の通り。


ヒューム族

最も多い種族で、地球人とDNA的にも変わらない種族。

種族特性は多様性と繁殖力。

頑張れば人形種族であれば子孫を残せる、他種族からすれば脅威的な種族であり、軍の歴史を紐解けば人の進化のミッシングリンクを解き明かせる可能性がある。


ビースト族

種族自体の数が多い種族。

軍では一括りにビースト族として登録しているが、実際には犬人のコボル族、猫人のケット族、熊人のグリズ族、鳥人のバー族、猿人のウータン族等多数存在し、そこから更に人種(犬種等)が分かれている。

人種自体はヒューム族も同じくらい存在するが(黄色人種や白人種、黒人種)最大の違いはDNAの違いにより他人種(犬種?)同士では子孫を残しにくく、ビースト族の総数はヒューム族よりも少ない。


テレンテテーレ族

最も多いとされている種族の1つで、現在判明しているだけでも、トレート、ドーリアズ、ネペンテス、ディオネア、ラセニア、シトリス、ヌキモ、モウセン、ドラゴラ等が存在している多種多様な種族。

全ての共通点として、水と光だけで生存可能があり、生身で真空の宇宙に出られる。

呼吸していない訳ではないが、あくまで生存する為の1つに過ぎず、体内にあるコアが無事であれば極端な話、全身が吹き飛んでも再生する。

全ての種族の中で最も長命な種族である。


バグス族

テレンテテーレ人種と並んで最も多い種族の1つで、その姿は二足歩行の虫達である。

彼等は女王を頂点とする女王制の国家を中心とした多国籍国家群で、宇宙に進出するまでは特定の国家による独裁政権であり、その実態は、1種族以外は全て下位国民であり、絶対的な支配で宇宙に進出していた。

軍との邂逅時に紆余曲折あったものの現在では、女王制は変わらないが、種族問わず同格として軍と共存している。

現在では冒険者をしながら軍から要請があれば優秀な傭兵として活動し、その地位を築いている。


スピリット族

スピリットは進化の過程で肉体を捨て、精神だけの存在となった者達の事で、現在確認できているだけでも数えるほどしか居ない。

その中で、僅かな種族のみが人類(平和的知的生命体)に対して協力(共存)している。

基本的に決まった姿を持たない種族であり、基本的にヒュームの姿をしているが、状況に応じて他の種族の姿をとる事もある。

グレッグの種族は個の方が強い種族であり、情報のみ全体で情報として共有してるが、それ以外の種族は基本的に全にして個、個にして全を体現する種族であり、数多の物語に時として神として、時として観測者として登場する。

その大半(ほぼ全て)は未だ唯我独尊で、同じ進化をした者達同士で食い合い、潰し合いや他種族を観測し(独善的に)導こうとしている。

彼等の大半は偽善的(本人達はそう思ってない)であり、「良かれと思って」行動している為、グレッグ達の種族が日々抑制の為に活動している。



※マリアさんは生身ならコンビニ行く感覚で世界を救えるのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

あっという間の30000PV突破感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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