4-19 宇宙真理研究所
「確かに怪しいが、それだけの報酬なら多少のルールが頭から吹っ飛ぶのも分からんではないな。それで他には?」
「自分達が知っているのはそこまでです。昨日輸送機とMAが届き、本日早朝に現地入りしたので……」
輸送機?あたいが見た限り、あの場に輸送機なんか無かったけど?
「姉貴。輸送機なんかあったか?」
「6人が出てきた後、消えたな。タイミング的には金ピカにこっちの輸送機を破壊された辺りだ」
「なるほど。恐らくそう言う手はずだったのだろう。それで、その金ピカってのは何だ?」
それはあたいが話すか。
「ありゃ、長距離狙撃用の装備をした新機体だったな。こっちに戻る時にデータ照合してみたけど、機体自体は最新鋭機のナイトって出た」
「何だと?ナイトっていや、最新どころか一部のエース用に作られた超高級品だぞ!?うちのマリアにも軍から贈られたが……あれ1機で3億超えるんだぞ!?」
艦長が驚いてるとこ申し訳ないが、それだけじゃ無いんだよな。
「だけじゃないぜ?他の相手の機体、あれ自体がデータベースに無い機体で、ついでに言えば設計者は地球人だ」
「何だと!?」
「でなきゃ説明できねぇんだよなー。姉貴にも確認したけど、艦長、対ビームコーティングマントって知ってるか?」
「未開惑星に降りた時に使う迷彩コートが昔そんな風に呼ばれていたな?それが?」
「MA用に作られてたぜ。今なら格納庫に山のように回収してる。ついでに言えばその不明MAも今ある残骸かき集めたら1台分にはなるんじゃね?」
「見に行く!!6人の処分は保留!准将もよろしいか?」
「うむ。それに少ししか私も見ていないからな、直接見てみたい」
格納庫
「おう艦長!」
「じいさん!回収分はどうなってる!?」
全員で向かった格納庫には、既にパーツごとに分けられた敵機の残骸が仕分けられていた。
「艦長、これは凄いぞ!なんちゅう珍しい物を使っとるんじゃ!」
「ケイトから聞いた。迷彩コートをMA用に調整してあるんだって?」
「使い捨ては変わらんが、耐久性が上がっとるな。主力になるビームライフルなら2・3発は耐えれる」
「そりゃやべぇな。で?使えるか?」
「2・3枚以外は無理じゃな。性能が上がっとるとは言え、ほとんど端切れじゃ。これを装備するぐらいなら、機体に塗った方が早い」
「ケイト、何か案はあるか?」
案ねぇ……所詮布だしな。
ん?布?
「博士、艦長、これをMA用に作るのと単純に布地に染み込ますのとでどんぐらいコストが変わる?」
「それは布だけ売れないかって事か?流石にコーティング材か高いからな……MA用の加工だとかの分だけ差が出るくらいでほとんど差はないな」
ふむふむ。
「だったら売るより自分達で使った方がいいかな?」
「何に使う気だ?」
「ちょいとね……とりま、端切れも合わせりゃ結構な数があるけど、あたいに預けてくれない?」
「良いだろう」
そうと決まればあの人にメールっと。
「ジャンクの方はどうだ?」
「ケイトが倒した何体かが大して壊れとらんのでな。1台は確実に。最大3台が限界じゃな。特に爆散した機体と爆散こそしとらんがズッタズタになった6機ほどは溶かして鋼材行きじゃな」
うん、それあたいだね。
しょーがねーじゃん、6機に囲まれたんだしさー。
「何機か使えるならそれでいい。で、スペック的にはどうなんだ?後出所も」
「無事なシステムからスペックデータを漁ってみたが、機体名はダークマタービリーヴァー。性能はナイトほどではないがソルジャーを超えとるのう」
「マジか」
「出所は「宇宙真理研究所」とか言う怪しい会社みたいじゃな」
なんじゃその会社は?
あれか?
宗教法人が母体の会社か?
だとしたら確定じゃん。
「何だその会社?准将、御存知で?」
「いや、聞いた事は無いな」
「姉貴、やっぱそうだよな?」
「おう。艦長、その会社、恐らく「量子教」の子会社だ」
――――――――――――――――――――
補足
ジャンクの扱い
本来、戦闘によって出た残骸等は回収を行わない。
これは、回収後に再利用するコストと安全性において、足が出やすい(買った方が早い)為である。
しかし、これは軍に限った話で、民間の場合は資材の山と化す。
MAのパーツ1つ取っても、破損した機体の損傷箇所を丸ごと購入・交換するより、ジャンクの中に同じ物が有れば、そこを交換した方が圧倒的に安くつく。
特に数が多く作られたゴブリンは、フレーム自体はファイターと共通な為、ジャンクの中では有用とされる(逆もあり)
現行、主流になりつつあるソルジャーの場合は同じソルジャーの部材になり、ジャンクと言えども高値で取引される。
また、ジョイント部を交換すればソルジャーにゴブリンやファイターのパーツを付けれなくもない為、優秀な整備班を持つエンハンブレでは、ジャンクは根こそぎ回収している。
※普通に考えてジャンクは設備があれば鋼材費を抑えるのに有用なのだ!
色んな作品で裏ではやってるのだけど、売る相手がいなかったり、鋼材溶かす場所や企業が無かったりで表に出てこないのだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
………まさかの20000PV突破感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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