4-17 宇宙の神秘
残骸と化した敵機や輸送船をあの6人組と一緒にかき集めて暫く、援軍としてまさかのエンハンブレが到着した。
ま、終わった後だけど。
『すまん、遅くなった』
「いやエンハンブレの火、落としてたんでしょ?」
普通、戦艦とかのエンジンの火を完全に落とすと、地球の戦艦ですら燃料補給に数時間、火を入れてエンジンが暖まるのに数時間、実質稼働するのに次の日になったりする(原子力潜水艦とかは別)。
ある程度技術が進んでいてもそこはあんまり変わんない。
『前に話をもらった段階でメンテを切り上げた。補給自体は終わってたしな?それに化石燃料ぶち込んでるんじゃないんだ。その分、起動は早いんだよ』
そう言やそうだった。
エネルギー効率が地球とダンチだから、電気的なもんだけで動くんだった。
まぁ、戦艦はそれだけじゃ無いけど。
ちなみにMAも同じで、エリジウムマテリアルエンジンってので動いてる。
このエリジウムマテリアルは全く未知のエネルギーを出す鉱石を専用の分離機にぶち込んで、出てきたエネルギーを結晶化した物だそうで、そのエネルギーの性質は、地球ではニュートリノやアマテラス光線が近いらしく、あらゆる物をすり抜ける性質が有ったり、バカみたいなエネルギー量があったり、光より速いらしい。
詳しくはあたいは知らないけど、艦長に聞いたら「地球人は惜しいとこまで行ってたけど物質に拘りすぎだ。光より速い物なんていくらでもあるぞ?」とか言ってた。
じゃ、一番速いのは何?って聞いたら「俺の種族の解釈では思念。やろうと思えば何万光年離れててもリアルタイムでやり取りできるからな」って言ってた。
流石、精神生命体。
結局、よく分からんから、そう言うもんと思うしかない。
宇宙の神秘。
『さて、残骸は此方で回収する。准将の許可ももらってるしな。で、その6人組の処遇なんだが……』
「やった事は処分対象だが、一緒に戦った仲だ。考慮してくれ」
とは姉貴の言。
あたいとしては、聞き取りだけで良いんじゃね?って思う。
『分かった。ともかく、一度戻ってくれ』
エンハンブレ格納庫
あたいと姉貴が戻ると、先に入った6人がションボリしながら艦長室に向かって行くのが見えたので、サラッと姉貴と一緒に着いていく。
艦長室に入ると6人組の表情が一瞬にして緊張で固まった。
「やべぇ……千変万化だ……」
「こっちは爆殺ヒーラー……」
エリーゼさんが爆殺ヒーラーと呼ばれた瞬間に修羅の顔に………あ、いえ、何でもないっす。
「艦長のグレッグだ。まず、依頼を受けた時の事から聴かせてくれ。エリーゼ」
「副艦長のエリーゼです。まずは冒険者ランクから」
2人揃ってあたいと姉貴をチラッと見たけどスルー。
まるでこの後驚かせてやれって言ってるみたいで、姉貴もニヤッとしただけだ。
てか、あたい達にまだ気付かんのかい。
6人の中でもバカデカイ(横幅だけであたい2人分)三つ子の後ろにいるからなんだが。
「タンジ・クルーガー。ランクはC」
「アン・メイデス。同じくC」
「ポンド・リンド。Dでヤンス」
ヤンスって。
「トーマス・シェイド・ン・ガバチ・エンリケ・ナイト・ラム・デ・マース・ツーク・ソフト・フルツ。Dなんだな」
は?
「ヘンリー・シェイド・ン・ガバチ・エンリケ・ナイト・ラム・デ・マース・ツーク・ソフト・フルツ。Dなんだな」
え?
「ボクスター・シェイド・ン・ガバチ・エンリケ・ナイト・ラム・デ・マース・ツーク・ソフト・フルツ。Dなんだな」
名前長過ぎぃ!!
何処の部族なんだ?
あたい(だけ)が驚いてるとグレッグがこっちをチラッと見てきた。
今度はあたい達の番か。
「ケイト・アーカイブ特務曹長、地球人。冒険者登録はしてない」
タンジ達が頭に?を浮かべながら振り向く。
「ケイト・アーカイブ中尉。冒険者ランクはU(アンリミテッド)だ」
「「「「「「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」」」」」
姉貴が名乗ると6人組めっちゃが叫んだ。
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補足
エリジウムマテリアルエンジン
エリジウムマテリアルエンジンは軍の長い歴史の中で出会った多くの種族の中で、より進んだ科学力を持つ種族からもたらされた夢のようなクリーンエネルギー「エーテル」を含んだ特殊鉱石を分離機で砕き、再結晶化し、動力源とした軍の内部では一般的なエンジンである。
この「エリジウム」と名付けられたエネルギーは、実態は「宇宙その物」であり、暗黒物質である「ダークマター」や「ニュートリノ」(ニュートリノ自体もダークマターの一形態でホットダークマターと言う)「アマテラス光線」や「オーマイゴット光線」ですら「エリジウム」を構成する一部に過ぎず、そのエネルギー量は5cmほどの結晶体でMAが動く。
ただし、効率的に利用しようとするとエネルギーの流れ(粒子速度)が速すぎてビーム兵器として使用すると、戦艦の主砲ぐらい大きければ問題無かったのだが、携行兵器となるとまず砲身が吹き飛ぶ為、出来なかった。
これを解決したのが地球のテラ・マーテラル製のエンジンの構造と軍に雇われていた頃のピフピヘットであり、お兄様軍団であった。
しかし、欲に目が眩んだ一部の者達によってその功績を奪われ、お兄様達が戦闘機に拘り過ぎて軍部からも煙たがられていた為、公式にはヒュペリオン社の技術革新とされている。
後にレオン元准将や軍に発言権を持つUランク冒険者によってピフピヘットが「エリジウムの母」の二つ名を得るのだが、それはまた別の話。
※宇宙の謎エネルギーなのだ!とか思ってたらマジでエリジウムとかの研究されてて驚いたのだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
………まさかの20000PV突破感謝なのだ!
止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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