4-15 オレンジ色の悪魔

「そこの3人組!」


『『『お?』』』


「コンテナは安全圏へ離脱した!反撃開始だあ!!」


あたいが叫びながら吶喊すると3人組も追従してくる。

即反応すんのやっぱ腕良いな。

敵機に肉薄したあたいは指先を真っ直ぐに伸ばしビームバスタードを発動させると縦に斬りつける。


StraightBambooSplit真っ向唐竹割り!!」


相手側が咄嗟にビームソードで防ごうとするも、そのビームとマントごと真っ二つにぶった斬る。

マントが左右に燃え尽きながらお別れし、機体も同じく離れ、グランシードが次の敵機へと向かう瞬間爆散する。



……あれ?なんか翻訳出来てない?



アンチビームコーティングマントを無視して斬ったのを見た敵機が思わず動きを止めた。


「うらぁっ!!」


間髪いれず近くの機体の顔面にビームバスタードをぶっ刺すと機体の動きが止まる。

どうやら頭部を破壊された事で勝てないと判断したのだろう。

腰の前面が開き、パイロットが脱出した……コクピット股間かよ。

これでこっちに来ている機体は残り8……

ビームバスタードを引っこ抜く動作を利用して機体を回転させ、剣にしていない左でランサーショットを隣の股間に撃ち込む。

ひどいと思われるだろうが、MAなんて兵器を止めるのにはコクピット狙いの方が結果的に素早く無力化出来るんだよ。

しかも、その部分はマントが開いてるから無防備だしな。

んで、これで7。


「オラァッ!次死にたい奴はどいつだ!?」


「何気に我が妹が容赦無い件」


軍で最強クラスの姉貴に言われとーない。


『この異教徒め……』


お?初めて相手側の声を聞いたな?


『オレンジ色の悪魔め!』


「はあ?何言ってんの?」


『我々は悪魔如きに屈しない!!清き清浄なる量子の元に!!!』


両手にメイスを持った機体がメイスを天に掲げ叫ぶと同時に、残りの6機が一斉にあたいに突っ込んできた。


「特攻かよ!?」


咄嗟に左手にもビームバスタードを出現させその場で勢いよく回転。


「as quick as Lightning!!Whirlwind!!!(雷の様に速く!!旋風!!!)」


あ、また母国語出た。

ナノマシンによる翻訳があるはずなのに、ちょいちょい翻訳してない時があるな。

しかも言いたかった事になってないし……

ま、いっか。

多分ノリだろうし、ノリ。


「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


その場で機体の姿が見えなくなるほど高速で回りながら迎え撃つと、斬られただけでなく勢いに引っ張られた機体が弾かれ、それがまだ斬られていない他の機体に衝突し動きを止め、そこを更に斬り再び弾く。

これ、地上でやったらちょっとした竜巻になるかも?

更にあたいの思考を読み取ったDMCシステムが、上手く機体を制御して斬られなかった敵機目掛けて突っ込んでいく。

しばらく回転を続け6機の機体反応が消えたのを確認すると、あたいは回転を止める。


『……ば、化け物め!』


「ハッ!後はテメーだけだぜ?」


『クッ……清き清浄なる量子の元に!!!』


敵機が叫ぶと同時に2本のメイスを振り上げながら突っ込んでくる。

コイツも特攻かよ。

出来れば捕縛して詳しくO・H・A・N・A・S・Iしたいんだが……さっきの調子じゃ無理そうだ。


「んなとこ1人で行きやがれ!!」


あたいは両手のビームバスタードをXに振り上げる。


『なっ!?』


2つのメイスの柄を斬り飛ばし今度はVに斬り下ろす。

敵機の両肩、両脚を切り裂き身動きが取れなくなった相手に切っ先を向ける。


「XVslash!あたいの勝ちだ!諦めろ!!」


『クッ……我等は量子と共に!栄光あれ!!』


突然、腰部のコクピットが爆発する。

自爆しやがった……


「くっそ!んだよアイツ等!?狂信者かよ!姉貴!何なんだよアイツ等は!?」


…………?

なんか静かだな?

あたいは視界のリンクを切って後ろの補助席を見る………おや、姉貴殿がくたばっておられる。

あー……ワールウィンドで酔ったのね。

あたいは自分で回ってるしDMCユニットが機体制御と同時に三半規管も補助してくれてるから大丈夫なんだが、後ろで座ってる姉貴はあたいから離れてる分、遠心力でエグい事に……





さて、気を取り直して。





確か脱出した奴はあっちの方…


『ヒャアァァァ!!』


「うわっと!」


咄嗟に防いだけど、一体誰が……あ。

ビームソードで斬りつけてきたのは金ピカの機体。

めっちゃ忘れてた。

だってさっきまで動きを止めて観てただけだったからさー。


『墜ちろオレンジィィィィ!!』


「その声!アトランか!?」


金ピカのパイロットはアトランだった。



――――――――――――――――――――

補足


as quick as lightning!!whirlwind!!!

作中、ケイトが叫んだこの言葉は


as quick as lightning!!(雷の様に速く)

whirlwind!!!(旋風)


であり、日本語としての意味は「疾風迅雷」となる。

発音としては「アスクイックアスライトニング!!ワールウィンド!!!」で、きちんと翻訳されていれば「疾風迅雷」なのだが、仕様なのか何なのか、翻訳されたとしても「雷の様に速く!!旋風!!!」と直訳にしかならない。

他者が(特に宇宙サイド)聞いた場合でも同じく、本来の意味合いである「疾風迅雷」になるには、ナノマシンに単語登録する必要が有るのだが、既にDMCシステムに武器種登録されているのは「旋風」であり、「疾風迅雷」では補助が効かなくなる。

ケイトがこの登録のシステムに気付き悪戦苦闘するのは、また、別の話である。



※元ネタはディア○ロのバーバリアンなのだ。


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

あっちゅう間に15000PV突破、大感謝なのだ!

止まらない通知音に震えて眠ってるのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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