4-11 作戦会議
何でこうなった?
姉貴からのモールス信号だけでは包囲された状況がさっぱりだ。あたいはグランシードから飛び出すと、近くの窓へと向かう。
うわあ………あたいが覗き込んでいる右舷側に見える機影は3機。それもソルジャーが3機も……身を屈めながら左舷へと向かう……こっちもか!てか、確認できただけでソルジャー6機ってどっから持ってきたんだ?
軍で正式採用されて配備されたのは半年ほど前。
民間や裏でもそんなに出回って無いはず。
こりゃブリッジに行ってみないと………
「ケイト」
あたいを呼ぶ声に振り向くとリックも同じく降りてきた。
ついでに同じく乗っていたクルーさん達もあたいの周りへと集まってきた。
「マジやべぇ。確認できただけでソルジャー6機。状況が分かんねぇからブリッジへ行ってみる」
「僕も行こうか?」
「いや、リックは何時でも出れる様にしといてくれ。クルーの皆さんは他のクルーにノーマルスーツを着用して格納庫に集合するように声かけ頼んます」
「了解した」
「すまないなケイト。本来なら上官である僕が対応しなきゃならないのに」
そりゃしゃーないて。
士官学校からの軍歴はリックの方が長いけど実戦経験はあたいの方が上だし。
それに何時も側でプロの動きを見て、実際に指揮を執った事もあるしな?
「まー実戦はあたいの方が多く経験してっからな。嫌なら指揮権渡すぞ?フォローはするし、リックなら一個小隊動かせる能力あると思うし」
「誉めてくれるのはありがたいけど、遠慮するよ。それに……」
ん?それに?
「地球で戦ってきた実力者の指揮を受けてみたい」
「勝手が違うからミスっても恨むなよ?さっき言った通りリックは機体に乗って待機。クルー全員が集まったらコンテナでもなんでも良いから脱出出来る様にしてて」
あたいの指示に対し、クルーの1人が不安げに質問してきた。
「包囲されてんだろ?撃ち落とされるぞ?」
「そこはハッチ開けたら直ぐにグランシードで牽制して、リックの機体のフルブーストとグランシードの引っ張りでコンテナを押し出す」
「それって……Gとかエグく無いか?」
「そこは布団なりクッションなりで気合いで耐えてくれ。ついでにデブリに突っ込まないように祈ってくれ」
「む、無茶苦茶な!?」
ま、そなんだけど。
でもなぁ、これが存外効くんだよなぁ。
「蜂の巣にされるよりかはマシだろ?それに地球じゃしょっちゅうやってた脱出作戦だ。こう言う状況の時、これが一番生存率が高かったんだ」
これはマジでそう。
どんな相手でも、ミ=ゴであろうとミ=ゴが造った生物兵器でも、最高速度で飛び出すと最短でも2秒は動きが止まる。
これは地球で包囲網を突破するのに他に手がない時に良く使ってた有効な作戦だ。
イチバチだけどな?
「相手が機械だったら無駄だけど、生物である以上不意を突かれると一瞬は止まり、更に切り込み役が暴れたら止まる時間が更に延びる。それでも10秒程度が限界だけど、MAのフルブーストで10秒は何処までの距離を稼げると思う?」
「現在いるこの宙域はそれなりの離れた場所だけど………余裕でアイツ等を振りきれるね」
「それにこのよーわからん状況だと決闘も何も無いだろ?立ち会いのつもりだったけどグランシードで思っきり介入するから、リックは安全圏まで行ったらエンハンブレに連絡して応援頼んでくれ。今通信すると傍受されかねんし」
「分かった。出来るだけ速く引き返す」
「頼む。ま、最悪アエードーンに乗っかれば直ぐに戻れるだろ」
飛ばすだけなら博士だけでも出来んだろ。
「じゃ、作戦開始だ……散開!」
――――――――――――――――――――
補足
指揮権
今回、本来なら尉官であるリックに対し、階級が下のケイトが動くのであれば、理論的に作戦内容とその根拠を提示し許可を取るか、どうするかの指示を仰ぐのが筋である。
しかし、本編にあった通りリックは尉官となって日が浅く(実質一週間)それに対しケイト自身地球での実戦経験の多さと総訓練時間の長さが段違いであり、リックもその事を理解している為、リックの方から指揮を譲った。
実はケイト自身も言われるまで忘れていたのだが、実質の上官であるグレッグやマリアであっても大して態度が変わらない為、その性格上周りからも不問とされている。
そしてこれが後に付けられる彼女の二つ名「自由人」の由来になっている。
※地球でケイトが戦ってた時、指揮権持った正規の軍人は大半殺られたのだ!
地球脱出直前にはシュミレーション感覚でケイトやサユリが指揮してた事もあったのだ!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
4000PV突破感謝なのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます