4-7 クリプトン家
あたいの考えが合ってれば、リックはエンハンブレにとって貴重な存在になるはず。
と、その時、車が何かの施設のゲートを通った。
「リック様ケイト様、もうすぐ到着致します」
ギルドに不馴れなあたいを気遣ってか、執事さんが報せてくれた。
そして暫く進むとやたらとでかい施設、もといお屋敷が。
車の中からは屋敷の端が見えず、玄関と思わしき場所には門より大きな噴水までありやがる………
いや、でかすぎね?
「もう着くよ」
「お、おう………」
玄関口に車が止まるとすかさず、執事さんが降りてドアを開け、リックが先に降りる。
そしてあたいが降りようとすると、リックが手を差し出す。
うっわ、レディファースト的なこんなんTVや映画でしか見た事ねぇよ………まさか自分が体験するとは。
てか、いつも着ているオレンジのツナギ(子供用)にTシャツだぜ?ヘッドフォン首からかけたラッパースタイルだぜ?
場違い感パネェ…………
あたいがリックに手を引かれ降りると、割りと大柄な体格の良い若い男性とリックを少し幼くした感じの若い男性があたい達を出迎えた。
「ガンマ兄さん、ディアス、久し振り」
「おう!リック!よく戻ったな」
「リック兄さん、お帰りなさい……そ、その人は!」
「彼女はケイト・アーカイブ特務曹長。ケイト、こっちのでかいのが兄のガンマで、こっちは弟のディアス」
「ど、ども」
「兄のガーマインだ。ガンマって呼んでくれ」
「お、おお弟のディアスです。よろしく」
えーと………3人兄弟?
で、偶然なのか何なのか、3人合わせたら某ロボットアニメの機体名……ゲフンゲフン。
「ど、ども。ケイト・アーカイブです」
「これは可愛らしいお嬢さんだ!」
「ガンマ兄さん、失礼だよ!……でも、あの有名なフェニックス隊の「何でも屋」ケイトと知り合いだなんて、リック兄さんは凄いよ!」
「全くだ!軍に入るって言った時は心配してたが、立派になりやがって!」
お?何でも屋?それって。
「えーと、おい、リック?」
「うん。ガンマ兄さん、ディアス。それは別人だ」
「またまた!あれだろ?有名人がよく言うやつだろ!?」
「だから違うって」
あー、これは直で見ないと理解できないやつだな。
うーん、時間あるかな?
あたいはリックが説明している間に端末を操作して、姉貴に連絡する。
「いや、だから………」
「リック。埒があかないから、連絡しといたぞー。今、エンハンブレにいるって。泊めてくれるなら何時でも行くって。許可も取るって言ってた」
「何か申し訳ないな……爺!」
「はい」
リックが執事さんに姉貴を迎えに行かせ、その間にあたい達は屋敷の中へ。
小一時間ほどすると姉貴が到着した。
「やあ諸君お待たせ!」
「姉貴!」
「特別休暇貰ってゆっくりさせてもらいに来たぜ!しっかし、災難だったなぁ」
「姉貴が有名人だから疲れるよってな?でもマジで姉貴は……姉貴達は有名なんだな?」
姉貴を待ってる間、リック(と言うか興奮冷めやらない弟君)からグレッグ艦長率いる(押し付けられた)部隊「フェニックス隊」について、これでもかと教えられた。
「ま、結構頑張ったからなー」
話によると数年前、多くの惑星を侵略していた帝国軍との戦いにおいて、主に白兵戦闘で数多の戦場を戦い抜き、現地でレジスタンスと合流、終戦へと導いた。
「昔はMAなんて無かったからなー。デカブツ相手には苦労したぜ」
当時の事をウンウンと思い出しながら語る姉貴にディアス君がガッチガチになりながら近付いてきた。
「あ、あの!」
「おん?」
「ファ、ファンなんです!サササ、サインくらさい!!」
ディアス君、緊張し過ぎて噛んでーら。
そんな彼に姉貴はホイッとデバイスから色紙を取り出した。
「前にサイン会で余ったヤツだけど、束でやるよ。コピーじゃないぜ?」
「!ありがとうございます!!」
いや、さらっと出してたけどさ!
そのデバイスは!
「姉貴!?そのデバイスは最新の!それにサイン会って!」
「艦長がな?今いるクルー全員にボーナスだってよ?んで、この2つはケイトとリックの分だ。預かってきたぞー」
マジで!?
デバイスから取り出した新型をあたいとリックは受け取り、腕に装着。
あたいのは何気に腕輪型なのヤベー!!
早速起動!
「やっべー……」
「何だか申し訳ないね」
いや、だってコレ、1000万するんよ?
エンハンブレのクルーは約1000人……
あー、計算したくねぇー!
「何でも今回のジャンクや海賊討伐がめちゃくちゃ儲かったみたいでな。外泊許可申請しに行った時に「ぶひゃひゃ」って笑ってたからな。予想外に儲かったんだろ?」
ぶひゃひゃって……
――――――――――――――――――――
補足
「なんでも屋」ケイト
士官学校卒業後、能力の高さからフェニックス隊へと編入された彼女は、任務難度は高いが高級取りでもあるフェニックス隊において何故か常に金欠で、ほぼ毎日の様に
その内容は多岐に渡り、子守りから用心棒、果てはバター清掃まで、なんでもこなしている。
本人曰く、用心棒とバター清掃は別契約で請け負う為、最速1日で終わる時もありおいしいらしい(立場上非合法ではない)
そんな彼女には様々な身分の者からの指名依頼が殺到し、軍を辞める時には近所のおばちゃんからその筋の者、果ては野良猫までが集まり別れを惜しんだ。
ケイト「姉貴、なんでも出来るってマジ?」
ケイト姉「枕以外なら大抵はな?地下アイドルで曲も出してっぞ?以前まとめて出した料理本もそこそこ売れてるし、誰とは言えないがゴーストライターもやってたし、最近はゲームのプログラムも臨時でやる時もあるな。ケンカ代行は…最近やってないな」
ケイト「なんでも超人かよ!?」
※お姉ちゃんは偉大!
稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!
4000PV突破感謝なのだ!
少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!
そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!
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