3-5 ケイト(妹)の新たな発想

エンハンブレ第4格納庫


「うっひょー!!こっちのオレンジがグランシードか!んで、こっちのゴリラがアエードーン!機体デザインからして別物じゃねーかよ!!」


グランシードとアエードーンを見上げながら大はしゃぎのケイト姉。

あ、そだ。あたいは18だが、この宇宙版ケイトは23歳だから姉と呼ぶことにした。


「ざっと18mってとこか?ソルジャーが確か16mほどだからちょいでかいのか?」


「グランシードは20mでアエードーンは18m。アエードーンが少しでかいのはコクピットを変更した事で3mほど増えたからだな。グランシードに関しては元からDMCユニットありきで設計してるから、他の機体よりもでかくなってる」


「コンセプトは何だ?重装甲か?」


「重装型中・遠距離支援機。つっても、この状態……グランシードのままだったら、ほぼ中距離支援機だな。火力自体はそこらの機体よりかは有るけどなー……乗ってみる?」


「良いのか!?」


「シュミレーションモードだったら宇宙そとに出ないで済むから、それで良けりゃ?」


まーその間に、サユリと相談して新しい機体のコンセプトについて纏めるけど。


「あ、そだ。姉貴はどんな機体が好みだ?」


「てーと?」


「ファイターみたいな万能型か、グランシードみたいな遠距離型か、ゴリッゴリの近接型か。後、軽量級、中量級、重量級も」


「そうだなぁ………近接はまだ無いんだったな?ベースは~後で決めるかな?作るっても今有る分で組み立てんだろ?」


そりゃまそうなんだが。

だけど、ソルジャーベースなら色々出来そうなんだが、ファイターやゴブリンだと基本性能が低いから派生にしかならねぇんだよな。

あ、アエードーンは例外な?

変形機構を組み込もうにも………ん?


「なあ姉貴。戦闘機は得意か?」


――――――――――――――――――――

艦長室


「………以上で諸君等の身柄をこのエンハンブレで受け入れる事とする。何か質問は?」


艦長が前回ファクトリーでテロを起こした元技術者達に、諸々の契約内容を口頭で説明しおえる。

と言っても狭い部屋だから、今この場に居るのは艦長のグレッグ、副艦長のエリーゼ、サユリとあたい、主要テロメンバー3名の合計7名だけなんだが。


「1つ良いか?」


手………と言うか触手を挙げたのは件のお兄様、ピフピヘットの兄であるテロメンバーのリーダーだ。


「まずは我々の受け入れ、感謝する。だが、腑に落ちん。ファクトリーで手に余る我々を軍に引き渡す為になら理解出来る……が、何故そうしない。それに知っているだろうが、私は貴君等が保護しているピフピヘットの兄だ。から聞いているだろう、私が彼女にしていた仕打ちも」


「一通り報告は受けている」


「ならば何故?あの娘の事を考えるなら、他はともかく私を受け入れる理由が無い」


「そいつぁあたいから話そうか?良いか?艦長」


艦長が頷き、エリーゼさんとサユリも頷く。

まぁ、契約書通りなんだが。


「まず前提として、この艦に居る技術スタッフがあたいとサユリを含めて4人しか居ない事だ。メンテナンス班は居るけどな。けーやく書にもあったと思うけど、この艦は軍からの依頼でテスト艦もやってる。だけどこの艦の主力はそのテスト機2機で、残りの30機ほどはソルジャー1機以外は全てファイターだ。そんでテスト機は最終的には軍に返さなきゃなんない。こっちとしては主力2機とも手元に置いときたい。だもんで、お兄様達には、メンテナンス班も兼ねて技術班で新型機の開発に携わってもらいたい」


「我々が作った機体をテスト機代わりに軍に引き渡すのだな?」


「正確には売る」


「ふむ………だが、我々が主力機以上の機体を作ったらどうするのだ?低予算でだ。軍はテスト機の引き渡しを言ってくるかもしれんぞ?」


だよな。

軍はより高性能かつ低コストの機体を求めてるからな。だが、数が物言う軍と違ってこっちは民間会社。

求めてるのが違う。


「そんときゃあ……ゆーしゅーな人材を手放したなとおちょくる。そんでダウングレード版を売り付けて作ったその機体には……お兄様でも乗せるか?」


「俺かよ!一技術屋が戦闘出来る訳無いだろうが!」


えー、テロリストが何言ってんのさ。


「後、さっきからお兄様お兄様と!俺はお前の兄じゃない!!」


「知っとるわ!からかってんだよ!!て、事でお兄様方を受け入れる理由はこんなとこかな?整備班も優秀なんだけど、純粋な技術職が欲しかったんだよなー。アエードーンはジャンクと予備から組み立てたから整備班だけでも作れたけど、グランシードクラスを設計図引いて1からってのはやっぱ難しいからなー」


お兄様が苦虫を噛み潰したような顔……かどうか触手だからわかんねーけど、ぐぬぬ……ってなってんのは分かった。


「後はー……ピフピヘットの為か?」


「妹の?」


「そうそう。分かってんだぜー?お兄様が彼女が罪に問われないようにする為に、わーざーと!冷たく当たってたってなー!」


「んなっ!」


「ちゃーんと確認してんだぜー?ピフピヘットを撃った時、外しようの無い距離なのに弾が貫いたのが前髪……前髪?前触手?だけだったから、グランシードで弾道計算してわざと外したって!」


あの時、このお兄様がピフピヘットを撃ったその時、絶対に外さない距離にも関わらずちょっとした事で外れる頭部を撃った。

しかもわざわざ突き飛ばして。

ここから導き出される答えは、ピフピヘットを自身の計画から遠ざける為だ。

つまり、この斜に構えたお兄様は妹思いのお優しいお兄様だったって事だ。


「ピフピヘットから色々聞いてんぜぇ?元々ピフピヘットの方から計画に入ったってのも聞いたし、幼い頃からハーフだった彼女が苛められてた時からわざと厳しく当たってたってのも」


「ウグッ………」


「だもんで、彼女の為にも居てもらいたいんよ。後、ちょっとした案を実現したいから、戦闘機のデータも欲しいし」


「お前、また何企んでんだ?」


思わず艦長が突っ込んできた。


「面白い事♪」


――――――――――――――――――――

補足


食堂にて


ケイト「で?そのお兄様にいつから厳しく当たられてたん?」


ピフピヘット「あー……初めてお会いした時は相手にすらされてなかったのです……」


ケ「ん?初めて会った?」


ピ「あ。私、妾の子でして。両親ともテレンテテーレ人ですが母はラウネ族でして。あ、ラウネ族は人種と同じ容姿の種族でして、基本的に少女の容姿の種族なのです」


ケ「えっと……アーカイブに………なあ、お前の父ちゃんはロリコンなのか?出てくる画像の全部あたいやケイト姉と変わんないか、もっと幼く見えるんだが!?」


ピ「そう言う種族なのです。それでですね、何年か経った時にちょっとした事件がありまして………」


ケ「何があったの?」


ピ「そんな大した事では無いんですが………実家のお風呂が大浴場でして、私がお風呂に入ってたんですよ」


ケ「は?」


ピ「で、その時に誰も居ないと思ったお兄様が入ってきまして」


ケ「は、はぁ………(ベタなテンプレしか浮かばねぇ)」


ピ「その時からですかね?お兄様に厳しくされ始めたのは。理由はよく分かりませんが、家柄に見合うように教育していただいていたのではないかと………頭を抱えてどうされました?」


ケ「…………小学生の男子か!」



※まとめてなかったから書いとくのだ!

グランシード20m

アエードーン18m

ソルジャー16m

ファイターとゴブリン15m

割とみんなでかいのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

3000PV突破感謝なのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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