2-11 宇宙に飛ぶ夜鳴鶯と種と妖華と全裸幼女達後編

お兄様との通信を切りつつあたいが考えたのは、対ビームバリア発生器についてだ。

アレが対物・対ビーム用の何でも防ぐバリアってんだったらそれこそお手上げだったが、ビームとかのエネルギー系のみだったから、物理ならなんとかなる………小型の癖に戦艦装甲2枚分ってのはひどいが。

だが、肝心の物理兵器が全く無い。

有るっちゃあ有るんだが、グランシードの両肩に内蔵している対MA用のマイクロミサイルだけじゃあ決定打にはならない。

デカブツを倒すにはグランシードだと、どうしてもビーム兵装による直接攻撃が必須になる。


「そこで考えたのが」


『対ビームバリア発生器自体を無効化しようって事だね?』


「ああ。普通の装甲と違って有効化させるにはそれなりのエネルギーが必要なはずだ。常に発生させるとしたら、あの大きさの大半がエネルギータンクでなければ直ぐにエンストしちまう。逃走の事を考えたら……いや、稼働時間や継戦能力を考えたら、戦闘機にこだわるの事だ。数分で止まる欠陥品なんて作る訳がないさ。ピフピヘット、スペック上ではどれぐらい稼働してられる?」


「えーと………私が効率化に手を入れたので通常航行でしたら戦艦と同等、戦闘時で1・2時間ほどは全力で稼働できます」


いや、どんだけ効率化してんだよ。

全力稼働で1・2時間、戦闘機並みの速度で小型艦が動きまくる………こえーよ。

分かりやすく言うと、通常3時間は飛べる戦闘機がアフターバーナーを吹かせた瞬間、約9分ほど(地上静止時)でからっけつになる。

それを吹かせたまま1・2時間動かせられる(と言ってもこの世界の戦艦のエネルギーがガソリンや灯油、軽油じゃないから参考にならんが)のは、どうやった?って事。


『何その稼働時間………』


「効率化し過ぎだー!いや、この場合ピフピヘットが凄いのか?ともかくビーム系で攻め続ける!」


『分かった!一斉射!』


「ホーミングレーザー!!」


再び分離してグランシードのホーミングとアエードーンの攻撃を次々とアモルフォファルスに放ち、無効化されていくも、あたい達は手を休める事無く撃ち続ける。


「……加速しだした!追いかける!」


『乗って!』


アエードーンに再び乗って撃ちながら追いかけると、遂にその時がきた。


「アモルフォファルス停止!ケイトさん!」


「サユリ!撃ち方止め!前に出る!」


停止したアモルフォファルスの前に出ると再び通信を開く。


『ええい!何故動かん!何故止まった!』


「やあお兄様。プチョヘンザだ。とっとと投降しな?」


『また貴様か……投降はせん!投降するぐらいなら………!』


「ケイトさん!アモルフォファルスから膨大なエネルギーを検知!自爆する気です!!」


「てめえ!?」


エネルギー切れ起こしたってのに何処にそんなものが!?


『自爆用の別枠燃料だ!そしてそのエネルギー元はブースターにも繋がっている!』


機体後方から火を吹き先程まで以上の速度で加速しだした!


「アフターバーナー!?」


『フハハハハハッ!反転してファクトリーにぶつけてやる!』


あんにゃろ!自爆特攻かよ!


「ピフピヘット!止める方法は!?」


「今調べてるのです!………機体中央部にデータに無い私の知らないスペース……此処を破壊出来れば……データだすのです!」


データを確認するとアモルフォファルスのど真ん中に不明な空間があった。

此処を破壊するとなると………


「サユリ!」


『こっちでも確認した!しか無い、合わせるよ!!』


「おうさ!」


「えっ?合わせる?ケイトさん、どうするのです?対エネルギーバリア発生装置は止まっているでしょうけど、あの装甲厚は………」


「まあ見てなって!」


あたいは大きく反転してファクトリーへ機首を向けようとするデカブツを他所にファクトリーへ向かう。


『同調システム起動!』


あたいはアエードーンから一度離れ、アエードーンの下へと潜る。


「シグナル受け取った!起動!………同調承認!」


グランシードの背面ブースター2基が左右に別れサブアームで腕部付近まで移動。

アエードーンの背面プレートが折り畳まれ、そこにグランシードのブースターが抱き抱える様に移動しアエードーンと接続。


「えっ、えっ、なに、なんですか!何が起きてるんですか!?」


アエードーンの腕部レッグパーツが少しグランシード側に角度を変え、先端が開きぶっとい砲身が出てくる。

最後にアエードーンの大型バイザーに付いているサブアームが伸びて、グランシードに被さり大型バイザーがグランシードの追加胸部装甲になる。


『ブースター接続確認!レッグキャノンリンク!システム同調開始!ユーハブコントロール!!』


「アイハブコントロール!」


「えええええええええええええ!!!」


『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』


あ、お兄様も見てたのね。

特攻かけよーって時によく見てたなー?


『おまっ、な、ななん、なん、なぁ!?』


「言葉になってねーよ。ピフピヘット、ブリッジは上部にあるな?」


「……え、あ、は、はい」


「だったら!」


ど真ん中だけ消し飛ばす!!


『エネルギー充填完了!いつでもいけるよ!!』


「よっしゃぁぁぁぁ!これが地球のエンタメ技術だっ!ガイアァ………プレッシャャャァァァ!!」


両肩のレッグキャノンから大出力のビームが2本放たれ、デカブツ目掛けて伸びていく。


『バ、バカなぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』


伸びていく特大ビームは戦艦装甲2枚分をバター、いや、紙の様に貫いて、デカブツの中央部を消し飛ばした。

確認すると、細かい爆発は有るものの、上手くブリッジを切り離せたみたいだ。



――――――――――――――――――――

補足


ショルダーレッグキャノン「ガイアプレッシャー」

「ガイアプレッシャー」はグランシードと合体したアエードーンのレッグキャノンをフル充填して放つ切り札で、その威力は戦艦の装甲2枚分を容易く貫く威力を持つ。

通常、MAに搭載・携帯されている兵器郡はバズーカやグレネードなどの高火力(ビーム含む)兵器であっても、戦艦に穴を開ける程度の火力しかない。

しかし「ガイアプレッシャー」はグランシード、アエードーン2機分のエネルギーを制限無く注ぎ込む為(溜めすぎると暴発するが)この火力を超える兵器は、軍の中型艦以上の艦船の主砲ぐらいしか存在していない。

本来であればアモルフォファルスの対エネルギー発生装置すら耐えきれず限界値を超え貫いていたが、ケイト達は正確な威力を理論値でしか測れず把握していなかった為、念の為エネルギー切れを起こさせた。

しかし、この策が上手くハマり、エネルギータンクを誘爆させる事無く消し飛ばし、ブリッジを切り離す事ができた。



※勢い有り過ぎて誘爆する部分も消し飛んだのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

2000PV突破感謝なのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とかツッコミとか下さるともっと嬉しいのだ!!

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