2-2 合法

テチテットが店の奥から一人の女性?を連れて戻ってきた。

疑問文なのはその人の見た目があまりにも場違い感に溢れていたからだ。


「オーナー連れてきたわよ」


「お久しぶりですオーナー」


「ん」


エリーゼさんの知り合いらしいが………何故か鍔広の三角帽……所謂、魔女帽子を被った魔女っ子のコスプレイヤーがそこにいた。

身長はあたいと変わらない、つまり、どう見ても10才ぐらいにしか見えない。

ただし、その胸の装甲は有り得ないほどの分厚さを誇ってる。




これは凶器だ………




「オーナー、こちらケイトとサユリ。オーナーが探してた地球人よ」


「グッジョ」


「ケイト、サユリ。彼女がこの店のオーナー店長の……」


「ドワン族のカリン・フィール。地球の文化が大好きな合法ロリ」


うっわ、自分で合法ロリとか言っちゃったよこの人。


「エリーゼ、何故この2人連れてきた?」


「それはですね………」


「あ、あの!!」


サユリが急に大きな声をあげた……あ、この顔はオタスイッチ入った顔だ。


「そ、その姿!フルダイブ型スペースオペラMMORPG「閃光のスターダスト」のトップランカーのチームが1人「氷炎女王」カリンのコスですね!!」


「ん。良く分かった。これもある」


「そそそそそれは!!カリンの持つ超レアアイテム「創世杖ギアコスモ」ですとー!!」


「偽物だけどこっちの技術で使える様に」


「なんですとー!!!滾ってきたー!」


どっから出してきたのか、カリンさんがデカイ杖をサユリに見せびらかす。

てか、同志見つけちゃった?

あたいもゲーマーだけど。


「それより。2人に聞きたい」


「なんぞ?」


「これ」


カリンさんが一枚の写真を胸元から取り出すってどっから出しとんじゃ。

その写真を見ると4人の男女が写った写真だった。


「これ………グレッグ艦長?それにカリンさんも。これが何か?」


「グレッグ正解。後の2人は?」


後の2人は知らないなー。

サユリにも写真を見せると、サユリが固まった。


「こ、これは!」


「知ってる?何処に?」


固まったサユリは何か混乱してるみたいだ。


「え?ちょっ、え?どう言う事?」


「困惑?こっち」


カリンさんが店の奥へと向かう。

着いてこいって事か?

奥へと向かうと応接室へと入り、促されて席に着く。


「……さて。知ってる。教えて」


「まずは……確認します。彼は……」


「弟」


「……わかりました」


「おい、あたいはさっぱりなんだが?」


「あ、そっか。ケイト、覚えてる?コズピクの第一回大会が決勝まで2年ほど期間が空いた事」


世間じゃ色々言われまくった空白の2年間の事か。

不具合、との事だったが、新機能の実装だとか大型アップデートだとか企業側の発表だったけど、世間じゃ都市伝説めいた噂が多かったな。


「覚えてっぜー。ヒジリ・カノウが優勝したあの大会の事だろ?動画で何度も観たぜ。ネットじゃ色々言われてたしな。政府が「コズピク」の仮想世界使って新たな軍事技術開発してたー、とか、仮想世界が実は別世界で戦争してたー、とか、色々」


「うん。それが本当の事だとしたら……」


「ハッ!「インデペンデンス」と「マトリックス」の会わせ技か?映画ハリウッドじゃあるまいし……て、おいマジか?」


サユリとは長い付き合いだからな……嘘かどうか良く分かる。

それに地球脱出の日の前の戦いの折り、映画のヒーローみたく、手から炎を出したり空飛んだりする特殊部隊がいるって噂になってたな………

あたいは出会った事無かったし、それどころでは無かったから、鼻で笑ってたけど。


「7割ぐらいは本当だよ。実際に別世界、いえ、で戦って、その後、政府のバックアップでコールドスリープとか宇宙船を開発して量産してたの。アメリカやグレートブリテンはそれを買ってたんだけど、アメリカにケチられてテスト機しか渡せなかったんだ」


おいおいマジか?


「じゃ、じゃあ、ホワイトハウスがケチらなかったら……」


「事故はあまり起きなかったかもね。艦長に頼んで少し調べたけど、軍に救助された宇宙船の大半はグレートブリテン所有が大半だったよ……」


「goddamn!!」


「建造費しか請求してない、ほとんどタダ同然だったのにね……」


なんてこった……お上が変なプライドかざしたせいで多くの国民が目覚める事無く死んだってのかよ!!


「話を戻すけど、その2年の間に実は私も戦ってたの」


「は?え?いやマジで?しょ、証拠は?」


「うーん……あるにはあるけど……今の所は無理、かな?」


流石に信じがたいが………


「それより。教えて」


「でも……300年も前の事ですよ?」


なんか込み入った話になりそうだな。

ふーみゅ……時間かかりそうだし、その間に色々見て回るか。


「あー……長くなりそうだったら外させてもらうぜー。何が何やら混乱してきた」


「ケイト……分かったわ」


あたいも混乱してるしな?

少し整理したいからな。

外に出たあたいはテチテットと話すエリーゼさんと合流した。


――――――――――――――――――――

補足


フルダイブ型スペースオペラMMORPG「閃光のスターダスト」

「閃光のスターダスト」は外宇宙からの侵略者との戦争を描いた燃え萌え要素満載のフルダイブ型スペースオペラMMORPGである。対極とも言えるフルダイブ型ストラテジーファンタジーMMORPG「コズモスピクシス」と人気を二分するゲームであり、艦隊戦有りレイド戦有りとリアル系重視。

また、普段の装備(防具)は対衝撃・打撃用防御ユニットであり、キャラの見た目は別であり、割りと自由な(むしろ混沌とした)服装が多い。

特徴として、「魔法」は無いが似た効果のある「PSYサイコキネシス」があり、火や氷等の属性攻撃もある(精神がどうとか魔力がどうとかではなく、科学的根拠に基づいた属性設定)

高い人気の為、続編が製作され同じくその続編でNPCが女性中心に構成された(男が居ない訳ではない)萌え要素満載の「Guns and Lady's~閃光のスターダスト」が配信され、サユリはそのゲームをメインに遊んでいた。

また、サーバー自体が日本政府所有の超高性能処理装置「ガイア」の管理であった為、コズピク含む大半のゲームはIDが共通であり、キャラクターコンバートも容易に行える。




※ちょっとだけ前作が絡むのだ!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とか下さるともっと嬉しいのだ!!


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