ファクトリー

2-1 ファクトリー

※こっから投稿速度を落とすのだ。

調子に乗ってるとストックが直ぐに枯渇するのだ………

申し訳無いのだ(つд⊂)



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グランシード・ディスパーサルが完成してから2日後、当初の予定を変更し、艦は巨大な宇宙ステーション(艦長のグレッグ曰く軍本部よりかは小さい)「ファクトリー」へと寄港した。


「こちら運送会社エンハンブレ所属、輸送艦エンハンブレ、着艦許可を求む」


『こちらファクトリー。エンハンブレ、滞在期間は?』


「数時間ってとこだ。申請書を送る」


『………受理した。8番ドックに着艦されたし。ようこそファクトリーへ』


ほーん、この艦、エンハンブレって名前だったのか。初めて知った。

てか、やっぱ表向きは運送会社なんだなー。

艦長曰く、海賊が出現するから自衛の為、武力を持つのは普通だとか。


「よし、エリーゼ。ケイトとサユリの2人を商業エリアに案内してくれ。サユリはともかくケイト用にパイロットスーツがいるからな」


「了解しました」


グレッグ艦長が副艦長のエリーゼさんにあたい等の案内をするように命じ、商業エリアへと向かった。


しかし、入港時に窓から外を見たけど、マジ映画みてーだった。

ファクトリーは円錐形に近い形の巨大な複合施設で、下層に行けば行くほど細くなっていた。

その側面のほとんどがドックになっていて、入港する船の多さに驚かされる。

船の形も種族毎に違うのか、箱っぽいのや球体、中にはタコとかイカとか、アンモナイトだったか?そんな形のまでありやがる。

お、あっちのはでっかい樹か?


「ではまず、スーツを先に作りましょう」


エリーゼさんはブロンドのショートが綺麗な女性で、艦内をフラフラするグレッグ艦長の代わりにブリッジに詰めている事の多い元軍人の人だ。

店に向かいがてら色々聞くと、エンハンブレのクルーの大半が元軍人で、昔ちょっととした事で軍を退職したグレッグに付いてきたのだそうだ。


「じゃあ、逆に軍人じゃないのは?」


「そうね……博士以外の研究班の人ぐらいねー」


「研究班って……博士除いたらメガネ君しかいねーじゃねーか!」


「メガネ君……あぁ、リック君ね。彼は軍人よ?貴女も研究班の人よ?サユリさんは研究班と整備班の所属だし」


「何時の間に……?……おいちょっとまて。パイロットもやってんだが?てこたぁサユリに至っては3つ掛け持ちじゃねーか」


「その分、給料は色を付けてるわよ?」


「あのー……それだと私はケイトより給料取りって事になるんですが……?」


「そこは安心して。ケイトさんは漂流者の大量救出の立役者だから、報奨金として契約金の半年分と同額を一括で払ってるわ」


え?マジで?


「口座とか知らないんだが?」


「漂流者達を軍に引き渡したら渡します。それまで待ってね?」


「あー、特例法ってヤツか?」


「ええ。タイミングが難しいのよ。口座は作っているけど、今回の分を今振り込んじゃうと軍に報告した時に目を付けられかねないの。サユリさんもね?」


「どういうこと?」


途中で買ったクレープみたいなスイーツを食べながら詳しく聞いてみると、なるほどなっとくめんどくせー。

同業他社であったらしいんだが、臨時で雇った人が頑張りすぎて、特例法適用前に軍に引っこ抜かれた事があったらしい。

その人がなんとか軍を辞めて戻ってきた時に「安月給でブラックを超えてダーク企業だった。ブラックホールの方がマシ」と明かし、組合側で抗議したが法廷で負けて散々な目にあったんだそうだ。

それ以来、企業側は優秀な人材を軍に引っこ抜かれない為に、特例法適用前に目を付けられない様に給料の振り込みを遅らせているんだそうだ。

てか、軍は金の流れまで監視してんのか……まぁ、地球でも無いとは言い切れないが。




てか、ブラック企業とか組合とかあんのな。




「だがそれだと半年後にはあたいの給料は安くなるって事か?」


「それまでに徐々に上げていくから心配しないで」


ならいっか。

しっかし、ドックから此処まで宇宙だから人間以外……って言うと差別か?人型以外の生物って見かけないな?

案外勝手な想像で二足歩行のヤツメウナギみたいな宇宙人とかっていないのかもな。



知らんけど。



その後店に入り採寸を合わせた後、日用品を買いにエリーゼさんの知り合いがやってるファッション系の店へと向かった。


へー、宇宙のファッションって、多少の違いはあるけど地球のファッションと大差ないんだなー


しかし、あたいとサユリはその店で宇宙の広さを実感させられた。


「あーらいらっしゃーい」


あたいとサユリは入り口で固まった。

目の前にいるのは………触手の束が蠢くよく分からないモノだった。


「あら、エリーゼじゃない」


「テチテット久しぶり。今日オーナーは?」


「奥に居るわ……へぇ、オーナーの事を聞いたのが分かったわ。待ってて、呼んできてあげる」


ズーリズーリと触手の束が店の奥へと消えていく……


「どうしたの?2人とも?」


「………何、今の物体?」


「……?あぁ!!2人ともテレンテテーレ人は初めてよね!びっくりしたでしょ?」


「びっくりと言うよりSAN値が減った……」


「さんち?よく分からないけど、テレンテテーレ人は蠢く植物の種族で、割りと長命で「食費が宇宙で最もかからない種族」として有名なのよ。性格も種族全体通して穏やかで他に類をみないほど、良い香りがするのよ」


宇宙で最も食費がかからない………光合成だからか?

穏やかかはともかく、良い香りって………

つまり、でかい口がない良い香りのするモル◯ルって事か。

そうだなそう思おうでないと精神が持たないと言うか削れてなくなる。


「彼女はテレンテテーレ人のテチテット。私の古い友人なのよ。テレンテテーレ人は他に「木の巨人」トレート、人型にもなれるドーリアズ、テレンテテーレ人の中でも開拓民族のネペンテス、ディオネア、ラセニア、シトリス、ヌキモ、モウセンと別れてて、たまに戦闘種族のドラゴラとか多種多様な種族なのよ」


「えらく詳しい……デスネ」


「テチテットに教えてもらったのよ。それに私は元軍人よ?外交官……とまではいかないけど見た目だけで攻撃したら大問題だもの」


ソーデスカソーデスネ。

うーん、宇宙に進出して間もなかった地球人にはまだまだキッツイ……



――――――――――――――――――――

補足


ファクトリー

ファクトリーは軍から払い下げられた戦艦、輸送艦、航空(宙)機、MA、白兵用装備等の武装から日用雑貨や食品等が集まる超超巨大商業施設である。

その中でも戦闘に必要な機材等は搬入搬出の関係上、各ドックから近い場所にあり、パイロットスーツ等もそこで購入できる。

ケイトとサユリは知らなかったが、入港申請時に艦長以下クルーの種族比率によって入港するドックが決められる。

これはテレンテテーレ人の様な種族が、ケイトやグレッグ達の人型種族の商品を扱う店の前に入港させられても全く買わない(買う必要がない)為である。

必然的に集まる店の商品も、店員や客層も似た種族で集まる事になる。

ケイトが他の星系の種族をテチテット以外に見かけなかったのも当然の事である。




※テレンテテーレ人の口が何処にあるのかは不明。

投降速度落とすとは言ったが次の話が書け次第順次あげてくのだ!!


稚拙な作品をお読み下さり有難う御座いますなのだ!

少しでも笑ってもらえたら大変嬉しいのだ!

そしてより多くの方に読んで頂けるように☆とか下さるともっと嬉しいのだ!!

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