えっち

中1の時に住んでた愛媛県松山市は、坊っちゃんの舞台となった街。

文学的雰囲気漂う良き街。

住んでた場所も松山城のすぐ近く。

中学も松山城へと向かって行く途中にあって見晴らしも良く、歴史もある中学だ。

美術部で松山城と松山の街並を描いて、中学生絵画コンテストで金賞をもらった。


その絵を持ってたから、美羽ちゃんに見せた。

「すご~い!きれいな景色!草木の緑も、いろんな緑を使ってるし、お城と街と木々の遠近法も良いさ~」

って、めっちゃ気に入ってくれた。


でも、今の沖縄の景色も、めっちゃ沖縄らしくて良い景色。


家も港のすぐ近くの6Fだから、すごい遠くまで見渡せる。開放的な感じバンバンする。

沖縄らしい広々とした風景。


そんな沖縄の中学に転校してきてから、うちは、えっちなお姉さん大好きになった。

えっちなお姉さん見たくて見たくてしょうがない。

それから、自分も、えっちなお姉さんと同じように、はだかになって、自分でも、えっちな格好をしてる。三面鏡を開いて、そんな自分のえっちな姿を自分で見てる。えっちな下着を着けて、えっちな格好をしまくって、それを三面鏡に写して自分自身で見てる。自分自身、えっちなお姉さんになった気分になっている。将来は、自分も、えっちなお姉さんになるみたいな感じで。自分も将来は、えっちなお姉さんになりたいなあっていうような感じで。えっちなお姉さんのこと大好きなの!自分でもなりたいわっ!


そう思ってると、海でも、えっちなお姉さんたちに、いつも話しかけらるんだなあ。


☆☆☆☆☆


中学の美術部で、みんなの描いた作品の展示会を開催することになった。


うちは、美羽ちゃんをモデルにして描いて絵を出品した。

あまりにも、はっきりと、美羽ちゃんのヌードってわかる絵ではなくて、わざと幻想的に描いた絵にした。


美羽ちゃんも、うちのことを描いた絵を提出した。

かなり、はっきりと、うちのヌードって、わかってしまうような感じの絵だったけど。


展示会場で、うちのところに、ひとりの1年生女子、ピューッと走って来て、ハイビスカスの花をうちにくれた。

「絵、めっちゃ好きなんですー」

って、うちに言うと、また、ピューッて走り去って行った。


「あの子、絵、好きみたいさ~」

って、美羽ちゃんも、うちに言ってる。


「絵の中の美羽ちゃんのことを好きなのかな?」

って言ったら

「うちのことを好きなんなら、ハイビスカスは、うちにくれるでしょー」

って美羽ちゃんに言われた。


☆☆☆☆☆


中3で大阪に転校することになった。


中2の頃は、中3になっても、そして高校生になっても、美羽ちゃんといっしょにいるものと思っていた。





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