問題5 恋とは学ぶものなのか。

「どう、、、して?」

私は泣きながら優生くんにたずねた。

優生くんは何も答えずにただ私の手を必死にひっぱっていた。

私は優生くんのその行動にイライラして、つい優生くんに怒鳴りつけてしまった。

「なんで止めるの!?なんで手をはなしてくれないの!?

はやく楽にさせてよ。・・・もう、何もかもが嫌なの。

みんな私の悪口言ってるみたいに聞こえて、ひとりぼっちの私を笑う人ばっかりで、もう、この世界は、私がいなくたって何も変わらないんだって、思っちゃうんだよ。

私がいなくても、みんな悲しまないし変な空気になることもない。

じゃあ、いない方が、みんなも嬉しいでしょ?

優生くんだって、嫌な奴が一人減って嬉しいんでしょ!?

だから、私はみんなのためにもこうしないといけないんだよ。」

優生くんはまだ手をひっぱっていた。

「・・・そんなことない。」

え?

「そんなことないよ。俺は、晴香といた毎日すごい楽しかったよ。

今までの忙しい空気と違って、晴香といた時だけは、時が止まったみたいになごやかで、俺の心を落ち着かせてくれる唯一の時間だった。

俺と晴香だけの、特別な空気。

晴香、今まで辛かったんでしょ?苦しかったんでしょ?

でも、次は俺がいる。

どんな時でも晴香から離れない。だからもう一回、俺と新しい人生を作ろう?」

ダメだよ。そんなことしたら次は優生くんがみんなから仲間外れにされちゃう。そんなの、絶対ダメ。

「いやだ!そんなことしたら次は優生くんだよ!?

私だけなら耐えられるけど、優生くんにも私と同じ思いは、絶対させたくない。」

優生くんはふっと笑って、「晴香、俺たちは二人で人生をつくるんだよ?

そりゃ二人とも悔しい思いをすることだってあるよ。

でも、それが二人で作るってことでしょ?

俺たちはまだ何も知らない高校生なんだ。失敗して当たり前なんだよ。

だから晴香、自信をもって人生を楽しもうよ!」

私はつい、優生くんの言葉に体が動いてしまった。

自分で鉄橋を登って優生くんのところへ行く。

ギュッ!

私は優生くんに思いきり抱きついた。

甘くて爽やかな匂いが私の鼻に広がった。

そして、ついに自分の気持ちに気づいた。・・・私は、優生くんのことが好きだ。友達としての好きじゃなく、恋愛としての『好き』。

「優生くん、私、優生くんのおかげでまた自信をつけて人生を歩もうと思えたよ。本当にありがとう。

いきなりなんだけど、私、優生くんのことが好き!

友達としてのじゃなくて、恋人としての!

だから、お願い!私とお付き合いしてまらえませんか?」

私は顔を真っ赤に染めて言った。

優生くんは少し驚いたようだったが、すぐにニコッとなって、

「うん!俺も晴香のことが好きだよ。大好きだよ!!」と言った。

私は夢のような返事に目がキラキラしてしまった。

優生くんは、続けて「じゃあ、今度の週末、交際記念としてデートに行こうか!」と言った。

で、デート!?私が!?

「え〜〜〜〜〜〜!!!!?」

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