問題3 好きという気持ちはなんなのか。

ガラガラ!

「優生くん!」

私は、だせるだけ大きな声で優生くんの名前をよんだ。

優生くんは、びっくりしたようにこっちをみて、「晴香!」と言った。

私は、涙をグッとこらえて、必死で言った。

「私ね、嬉しかったの。

今まで空気だった私が、こんなに幸せになれるなんて、自分でも思ってなかったの。

もちろん、人生がこんなに楽しいこともちっとも知らなかった。

でも、それを教えてくれたのは、学校の先生でも、有名な芸能人でも、参考書でもない。たった一人の、光のような男の子、そう、優生くんだったんだ。

優生くん、私に、生きる楽しみ、友達といるときの楽しさ、いろいろな気持ち、全てを教えてくれてありがとう!私、ホントに本当に!嬉しかった!

私にとって、優生くんはあこがれの自分なんだ。

優生くんも、私の隣にいるの恥ずかしくて、嫌だったかもしれないけど、でも、卒業まででいいので、どうか私のことを見守ってください!」

私は、とにかく必死で自分の気持ちを優生くんに伝えた。

でも、優生くんの顔は、いつもの笑顔と違って、無表情だった。

私はその眼差しで鳥肌がブワッと広がった。

とても真剣な目。

「・・・何それ」

優生くんの隣にいた美少女から声が聞こえた。

ヤバイ!おこられる!と思った瞬間に、体が重くなった。

ギュっ!

私はいつの間にか美少女に抱きつかれていた。

「ねえ!?今の何!?とてもカッコよかった!

私、あなたみたいな人いいと思う。すごくいいと思う!

みんなからはすごく嫌なこと言われてるみたいだけど、私はあなたが好き!

人の悪口しか言えないようなちっこい心の持ち主より、あなたのようなパワフルの大きい心を持ってる子の方が絶対強いと思うわ!

私、あなたを応援したい!

そうだ!友達になろうよ!!!」

私はびっくりした。

誰かから「友達になろう」って言われたの、初めてだったから。

私はその子の顔を見て、コクリとうなずいた。

それから美少女はにっこりと笑顔になって「これからよろしく!」と言った。

私は優生くんを見た。

優生くんも優しい笑顔で、「みんな、晴香のことを応援するよ。」と言った。

私は、今までこらえていた涙を全てだした。

そして私たちは、今までで一番楽しい放課後を過ごした。



あれから数ヶ月たった今、私はひよりちゃんと優生くんとよく一緒に帰っていた。ひよりちゃんというのは、放課後友達になった美少女の女の子の名前。

あるひ、優生くんが部活なのでひよりちゃんと二人で帰っていたとき、ひよりちゃんに「晴香ちゃん、優生に恋してない?」と言われた。

こ、い?私が!?優生くんに!?

「ど、どうして?」私は目をまん丸にして聞いた。

「だって、晴香ちゃん、授業中でも優生のことしょっちゅう見てるじゃん。

休み時間でも、優生の話になったら釘づけになるし。

しかも優生が他の女の子と話してる時はすんごく、むす〜ってしてるから。」

た、たしかに。言われてみればそうかもしれない。

でも!

「ひよりちゃん、でも私、恋なんてしたことないよ?確かに優生くんは好きだけど、ひよりちゃんが思ってる好きと、私が思ってる好きは違う好きだと思う。」

「そうか〜。」

ひよりちゃんは納得したようにうなずいた。

それから、「じゃあ、仕方ないね。でも、私恋しちゃったかも!って思ったら、その時は相談にのるからね!じゃあね。」と言った。

その時、私はひよりちゃんって本当に強いな〜と思った。




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