第2話ハッピーターン

手紙を受けとった翌日の放課後、大塚は丸山を屋上に呼んだ。

大塚は彼女ができる嬉しさから、ニヤニヤが止まらない。

丸山はドキドキしながら返事を待った。

ここはダンディな男を演じよう。大人な自分を見せてやろう。


「丸山……さん。お、オレは木の実ナナが好きだ!」

「えっ」

と、丸山は言うと、大爆笑した。

「丸山、僕で良ければ付き合ってください」

「ありがとう、大塚君。で、なんで木の実ナナが好きなの?」

「ぼ、僕は大人の男だから……」

「やっぱり、大塚君、面白いな。これから、宜しくお願いします」

丸山はドキドキしていた自分が馬鹿らしかった。

「あ、あの~、差し当たってオレは、何をすればいいのかな?」

「えっ?セックス」

「冗談はよしこちゃん」

「み~んな、ヤってるよ!」

「お、オレはいずみを大事にしたいから。セックスしたいだけなら、今回の話しはナシで」

「……ウソだよ!大塚君が私の身体目当てならここで諦めてたよ。ありがとう。ヤッパリ大塚君大好き。ただ、手だけは繋いで欲しいなぁ~」

「いいよ!これでもトラック野郎の息子。縄の結び方は心得ている」

「な、なんの事?」

「亀甲縛り」

丸山はまた、爆笑していた。じゃ、帰ろっか?

「うん」


2人はバス停でバスを待っていた。

大塚はリュックから、駄菓子を取り出した。

「丸山……いずみ、食べる?」

「なになに~」

「ハッピーターン」

「食べる」

しばらく、ハッピーターンを2人は食べていた。

「子供は3人作ろうね」

「大塚君、まだ、早いって!」

「早速、明日はゼクシィ買うわ」

「だから、早いって!」


この先、2人はテストで火花を散らす仲になるのだが、それは次回。

文系、理系、特進クラス分けがある2年の1学期の話しをしたい。




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