第1話 4節

  騒ぎが終わり、一行は一度中央付近の村長の家に戻ろうという話になった。そこできびすをかえし歩き出したロークゥが何かにぶつかってころげた、ロークゥは頭をなでながらおいあがる、大木にぶつかったような感じがあした。立ち上がり前をみると、男がたっていた。

『あいたっ』

《ドガッ》

相手『嬢ちゃん、きをつけな』

ロークゥ『あなたは……昨日紹介をうけた傭兵の……』

 そこには傭兵団の茶色のコスチュームをきた、目の前に口髭を整えた、スキンヘッドの男がたっていた。

『ドグラだ』

彼は腕をくみむっすりして一人、誤りもせず去っていく。

ロジー『まったくすみません、うちの傭兵が』

ロークゥ『いえいえ、私も悪かったですから』

 ロークゥはロジーが変わりに謝ったのもなんだかちょっと嫌な気分になったが、パーティメンバーはそんなに気にせず、来た道を戻りはじめた。



 次に妙な事がおきた、しばらくあるいていると、家屋の上から何かがおちてきた。

アーメィ『!!』

 一番にその気配に気づき、弓をつがえるアーメィ、だがそれをかばうように、その落ちてくるものを、何か“触手のようなもの”が弾き地面におとした。それは地面にたたき落とされて割れた。ただの何の変哲もない花瓶だった。触手のようなものののびて、次はちぢんでいく、その根元をおっていく、人間の手のひらからそれはのびているようだった、そこには、魔法陣のようなもので左手首をかがやかせたアドがいた、アドの手のひらは触手のようにびよんびよんとなみうっていた。

『あんたって、いざという時は助けてくれるのよね……意外と』

『意外とは余計でしょ』

『この可憐な美少女が汚れるところだったわ』

『ええ!?』

すぐさま、アドにアーメィがつかみかかる。

『お前今何に驚いた?』

『えええ!~別に』

『うざ』

 彼らが喧嘩している最中、ロークゥは周囲を見渡していた。

(花瓶なんてベタな)

と思ったがもしやという考えがよぎる。自分たちは何物かの標的になっている、その時、村長ジャックが後方をみて、指さして叫んだ。

『村の中にスライム!?』

スライムがびよんびよんととびはねている、何かに怒っているように顔を真っ赤にさせている。

ロークゥ『ロジーさん』

ロジー『そうですね、誰か我々の関係を思わしく思っていないものが村のなかにいるようで、きをつけましょう』

 ロジーはすぐさまそのスライムを、腰にさしていた小剣でつきさすと、スライムはおどろいてすぐさまその場からさっていき、村の外へ逃げていくのだった。だがその時、ロークゥはロジーの妙な体の動きを見逃さなかった。妙な格好で花瓶をよけたりスライムをよけたりしたのだった。


 その後、村長の村にたどり着くと、ちょっとした歓迎会がひらかれ、村の踊りが披露された。そのまま昼食をおよばれし、その席で村に滞在する間、ロークゥのパーティは仕事が欲しいと願いでた。するとロジーと、村長ジャックは喜んでくれた。

ジャック 『どんなことができます?』

ロークゥ『なんでもやりますよ!できることなら、なんでも』

ロジー『寓話使いがそういってくれると、心強いですね』

 ジャックとロジーは、村の簡単な依頼や、簡単な魔法が必要になる機械や道具の修理などを依頼をもちより、もし、“影”について異変が起きれば傭兵団を手伝うようしてくれとにいった。


 その日は、夕方までに簡単な依頼を終えて宿に戻った。今日の依頼は猫の捜索だけだったが、どうやらお金もちの猫の捜索だったらしく、それでもそれなりの給料はもらえた。3時間の間村を探し回ったかいがあったというものだった。宿に戻るまえに夕食も終えたし、3人は一部屋に人数分わりあてられたベッドで、寝具をととのえたり荷物を整えている。そこでアーメィがあくびをしながらきりだした。

アーメィ『傭兵団って嫌な感じしたわよねえ』

 ロークゥも口には出さなかったが同じ気持ちだった。ロークゥは嫌な気持ちがしたまま眠りたくなかったので話を無理に変えようとした。気になることもあったのだ。

ロークゥ 『あした、地下に潜りましょう』

 皆布団を整えながら、話している。

アーメィ 『地下?あなたどこでそれを、この村は地下を採掘した歴史があるの?』

ロークゥ 『マナツリーの場所です、祭壇の下に隠れた扉がありました』

アド 『相変わらず、すごい観察力ですねえ、僕は気づきませんでしたよ、でも勝手な事をしては……まずいんじゃないですか?』

ロークゥ『もちろん無理はしませんよ、無茶はしても、どうも気になる事があるだけです、ただ何か、地下と今回の“黒霧”の出現とは関係がある気がするのです、人々が起きる前、早朝に少し、あさるだけですから』

 アーメィ、アド『……』

 二人はその時言葉にしなかったが、実はこのパーティで一番くるったところがあるのは、この人なのではないかと考えたのだった。

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