第15話 戦後処理とぶらり旅

「では、上杉は越後甲信越を」

「織田は西日本を」

「徳川は関東東海を」

「伊達は東北だな?」

「異議ねーな?」


どうも、十六夜月だよ。

あの後みんなは休ませて、十六夜月だけ領土問題で会議だよ。

失った兵士と武器が多いから暫くは戦争不能。ダマスカスシミターは3万本全損で修理すらできないとこまで来て、盾はまた新たに作り直し……。ダマスカスブレイドだって修理だ。

グレネードランチャーは全部撃ち尽くしたしあも式バトルライフルすら弾薬切れ。

今使えるのはリボルバーライフルだけ、軍用シップも20隻沈んだ、補填はいると言う。


「武田は上杉の支配下だからこういう時楽だわい」

「これからが大変ですよ、平和と高句麗制圧の両立ですから」

「この5年は平和と準備に勤しもう」

「でだ、新たな幕府はどこにする?」

「織田は堺にしたい、月光会が無ければ負けていたのは事実じゃ」

「徳川異議なし」

「上杉異議なし」

「伊達異議なし」

「武田も異議はない」

「マジ?堺幕府?」


本格的に壊れ始めてきたな?この歴史?

現代人が幕府の運営だなんて聞いたことねーよ?

まぁ、やるだけやるしかない。壊した者の責任として。


「安心しろ十六夜、儂含む織田全員が助けてやる」

「上杉、内政は苦手ですので当てにはしないで下さい」

「信玄堤使うか?」

「内政なら徳川に任せい、今はまだ江戸とか開拓しきれてないがしきれた時は必ずや手伝おう」

「織田信長様や、ねるPと如月氏の安土城建築具合はどう?」


私達が戦争とかの準備をしている間にねるじぇらさんと如月氏には安土城の建築をやって貰ってた。

後日豊臣秀吉になる木下藤吉郎君も明智光秀君も前線に出さなかったのはこの為。

理由は西日本を治めるにはデカイ城がいるやろと言うのと、第2の足利幕府を阻止する為だよ。


「はー!これから日本全部を私達で見なきゃならんのかー!」

「大変ですよねぇ」

「並大抵では出来んだろう」

「信長様ー!西日本の威厳予定となる安土城が出来ましたでござる!」

「おお!猿!真か!」


8ヶ月か……まぁ早い方じゃない?

これで民の心がなんとかなりゃいいが……。


「さて、安土城に行こうではないか」

「あいよー」

「わかりました」

「あいわかった」

「分かった、向かおう」


こうして8月の16日 安土城を見ることにしたよ。

見た感想?やっぱ金沢城よりでっか……。

まぁノッブだからいいや。


「いい城ではないか!オリが考えた防衛機構もあるし難攻不落じゃ!まぁ……もう攻められる機会はないんだが」

「これからは安土城が平和の象徴になるんすよ?」

「そうでございまする!信長様!」

「さて、まずこの2年の税金を下げて民を増やす事からスタートだな」

「……年貢を下げれる理由は?」

「うちの黒米苗と白米苗使え、べらぼうに取れて来年から笑えるぐらいとれるからよ」

「あの苗ですか!お酒にしても美味しいんですよ!」


十六夜月はまず品種改良したあの新黒米と秘密に開発した白米の新種を来年から育てていけと命じた。

これによりかなりの生産アップが見込めた。

越後甲信越だけで550千石も上がったあの新黒米に新白米て米をとにかく大量に生産するのが目的だった。

相変わらず夏までな新黒米は持たないが、それでもなおかなり取れるため農民町民にはとても有り難かった。


「では織田からは3年間に限り楽市楽座を解放しよう」

「上杉は特産品以外の税金を0に3年間に渡って」

「武田は信玄堤を全国に広めよう」

「伊達は料理研究する、民の心を掴むにはまず飯だ」

「徳川は武士達に金を使わせて町民以下に金をガンガン使わせる名目を立たせるべく参勤交代を行いたいが宜しいか?」

「許す」

「はっ!」


うわぁ、内政のプロ達すっげぇ。

こんな事すらすらと言えるだなんて……。

いや私野菜と米を増やすしか出来ないんやが?

なんやあの簡単に民の為を思える内政手腕は私が霞むやんけ。


「では武士達に金を使わせるために美味いもんと娯楽がいるな、町民達にも見れるお手軽な奴も」

「踊りに祭り、それには食料を増やさないと」

「海外貿易はどうする?」

「徳川としては堺と越後と長崎以外を禁じたい所だが?」

「よしそれはいい、そうしよう」


この鎖国は非常に意味があった。

技術の流れるのを阻止して尚且つ自国の発展につながるからであった。

更には未来200年は安泰を得れるのは見えてるために十六夜月は許可した。


「(200年越えた後、私達の子が文明開化をしてくれると信じよう)」

「では、その手筈でいこうか」

「んじゃ謙信借りるよ?」

「え?」

「話がある」


こうして勝利大名達が離れていき、十六夜月は堺の月光会拠点に久方ぶりに帰ってきた。


「何ですか話って?」

「約束は守るさ、そろそろ後継をな」

「珍しいですね十六夜月さんからそんな事言い出すなんて」

「まあね、今なら医者もいるし」

「呼びましたか?」

「華佗先生、子が生まれる時は任せましたよ」

「任されました」


こうして、十六夜月と上杉謙信は後継を作ることを決心したと言う。

一方でハールはと言うと……。


「ごはんはまだかの」

「あいよー、今日は何がいい?」

「沢庵と納豆汁、それに鰯と玄米を」

「相変わらず質素倹約な事で」

「口と手を両立せんかい、もう腹のなかには子がいるんじゃぞ」

「せやったわ」


無事に、後継は引き継いでいたのだった。

所変わってオリの視点。


「あーそーべー!」

「何やねん今は財政に仕事中や!」

「そういって1ヶ月構ってもらってないぞ」


オリは織田信勝と政略結婚をしていた。

後継はまだなかった。


「それに何して遊ぶねん!」

「脱衣花札」

「おい誰だよ!こいつに脱衣花札なんて教えた奴!」

「スギネコだが?」

「はーほんもぁ!」

「そもそも、花札は禁止しないのか?」

「博打は町民農民の楽しみ、あれを奪ったら一揆起きるけどいいの?」

「だからといって破産する農民もいるぞ?」

「そうなったらもう知らんよ、強制労働制度で借金払うまで働いてもらうしかない」


賭博一部合法化により、賭博にはまり借金をする人が増えた。

そんな不埒な者を更迭するために強制的に労働させる施設が生まれた。

しかし、飯とかはちゃんとしっかり出ており満足に食えるため自ら入りたがる者もいた。

ついでに志願者の方がおかずが多く味噌汁が1回だけおかわりが出来ると言う利点はあった。

その結果、世界的に見てもかなり働き者の国とみられていた。


「そんな事よりも引越しの準備をしろ!これは冗談抜きで大仕事だからな!」

「たしかにそれに関していうならせやな、うちが四国の太守ねぇ……古代中国で言う」


内政官不足により内政が上手なものは順次地方の城主なり地方の国主になっていた。

オリもそのうちの一人で多数の地方城主を束ねる国主となっていた。


「で、うちのいく城は?」

「丸亀城ってところらしいぞ?うどんがうまいらしいぞ!」

「香川県か」


この時期から藩制度から都道府県制度を採用しており、江戸城が完成したら東京都にする計画もあった。

それまでは大阪府が首都となり、この日本を支える予定だった。

琉球(今でいう沖縄県)はやはり史実通り武力解決するのではなく、金で解決する予定だった。


「さて、参勤交代といきますか」

「籠を準備するぞ!」


一方その頃首輪つき氏


「……なんだお前!?」

「シルヴィです!控えてください!」

「抵抗しても無駄だ!」

「何すんだ……〆さばぁ!」


いきなりひどい状況ですが笑って見ておいてください。


「なんだこいつら……ドロヘドロ!」

「やめろお前ら……」

「抵抗しても無駄です!」

「お前ら二人に負けるわけないだろ……流行らせコラ、流行らせコラ!胸がでかい褐色娘この……」

「……やっほ」

「なんだお前!?」


なんか知らんが無二ちゃんが乱入しました。

なぜ乱入したかは原因は不明。


「ちょっと待って!?これおかしくない!?」


視点は現代へと


「いやいやおかしいよね!?なんでここまでくっきりと分かってるの!?」

「草wwwwww」

「完全に汚いんだよなあ」


いや、ここまで記録残ってるのおかしいでしょ!

いくらなんでもここまで明確なやつはないよ!?


「これが現存してる証拠です」


「首輪つき、シルヴィという奴隷少女と武田信玄のまだ名も無き娘に押し倒され、悲鳴をあげ抵抗し。

しかし無二現れ形勢は傾く、三人には首輪つきも勝てず哀れ性行へと至れり」


「となっています」

「じゃなあんでアニメだと酷くなってるの?」

「さぁ?今のネットミームを入れたんでしょう?私はアニメには疎いものでして……ゲームとネット生配信は好きなのですが」

「もう草しか生えないんだけど!」


視点は首輪つき氏に戻る


「三人に勝てるわけない」

「馬鹿野郎俺は勝つぞお前!」


とまあ、抵抗しても流石に三人勝てるわけがありません。

そしてついには縛られてしまいました。


「もう抵抗しても無駄ですよぉ……」

「クソがぁ!クソがぁ!……やめろぉ!ナイスぅ!」

「やめろお前どこ触ってるんでぇ!どこ触ってんだお前!?」


これが最後の言葉となり、三人に襲われたっ言う。


視点はリノア氏に


「リノアさん!茶屋に行きましょう!」

「公開プレイ?」

「違いますよ、新作の羊羹が出るんですよ!」


天下が安定したことにより砂糖とか貴重な調味料の輸送が解禁。

これにより町民クラスなら少し我慢をしたら2日に1回茶屋で甘いものを満足に食えたと言う。

更に砂糖の精製工房も現在建てられており、これが出来れば農民にさえ羊羹を売るぐらいには安定して精製できる算段だった。


「先に山にいって薬の材料とるけどいい?」

「良いですよ!羊羹のためなら!」


あの後日向リノアは忍者の知識を応用した感度薬に媚薬と一部風邪薬を開発した。

警察の仕事の合間に薬を作っては大名とか金のある商人に売りつけていた。

里に6割納めてもなお富豪となっていた。

しかし忍者だから基本は大金を使うことはあまりないため溜まっていく一方だった。


「甲斐姫よ、平和になったなあ」

「ですねぇ、こんなにも早く来るなんて……」

「さて、握り飯を作ったら山に行こうか」

「はいっ!」


最後、スギネコ視点へと


「お腹大きくなったのお」

「貴方が毎晩やってたらそれは出来ますよね?」

「後何人後継作ろうか」

「双子かもしれませんしまずは生まれてからですよ」


スギネコはもう妊娠6ヶ月という所まできていた。

後継一番乗りである。


「さて、名前考えるんはまだ良いとしてもやな……性別どっちやろなあ?」

「そればかしは分かりませんよ」

「まぁ楽しみに取っとこう」


と、幸せを噛み締めてるのだった。


1565年 1月1日 十六夜月視点


「さぁて、今年から全国的に新黒米と新白米だ。大量に出来てくれよぉ?」

「出来ますよ!越後のきつい気候を耐え抜いたんですから!」

「さて、私たちの仕事場は相変わらず春日山城か」

「変わらなくていいじゃないですか!」

「だなぁ、越後甲信越の地域特性はどうする?」

「後2年は税金0です、海外交易で賄うつもりで」

「日本刀なんでこんなに飛ぶように売れるんだか……鉄鋼輸入して作ってもなお黒字って」


一部日本刀は日本の鉄だけでなく海外からの鉄を使っていた。

日本刀の鉄を使いすぎて鉄不足になるのを防ぐためだった。

しかし、月光会の作る刀は屑鉄でも俊作クラスの刀になりそれだけで利益が出るのだった。

さらにこの技術は天下統一した事で全国的に教えて全体的な刀の質の向上に役に立ったと言う。


「上杉家臣は全員兵の訓練にあててます、後4年ですね……」

「勝つしかない、ここからはもう負けられない」

「……負けたら汚名が残りますよ?」

「だからこそだ」


残り4年で高句麗制圧、軍事技術は勝っている。

しかし平和も必要だった。

長きにわたっての戦乱で国が疲れていたのだ。


「十六夜月さん、全国旅行に行きませんか?」

「どした?」

「今の状況を知りたいのと、息抜きですね」

「徳川君許してくれるかね?許したとしても贅沢はダメだって」

「手紙出してみますね」


5日後、手紙が来て旅行の許可が降りた。

しかし条件があった。


1.身分を偽って町民達の生活を視察する。

2.旅行中に後継を作る

3.資金が足りなくなったら商売以外で稼ぐ

4.護衛をつける事


この4つを守る事が絶対条件だった。


「護衛、どうします?」

「まずエリスを財布役にする、次に武芸者として日光氏は……道場があるからきついか、なら護衛かぁ……護衛かあ……ハハッ護衛役いねーや」

「うーん……」

「丁度私が明に戻る、護衛でいいのが居ないか孫策に聞いてみよう」

「すまぬ!」


そして更に2週間後。

明に戻った周瑜の代わりに今回の旅の護衛が二人来た。


「甘寧だ、酒と美味いもん食わせてくれるから旅の護衛になるぜ」

「太史慈です、周瑜殿の治療のお礼の義に今回の旅の護衛を受けました」

「呉のガチ猛将二人は草なんだわ」

「ここの名物はなんだ?魚か?肉はねーんだろ?」

「まぁ、そうせかすな……なんで太史慈女になってんの?」

「男の私事太史慈は孫策様の護衛です」

「義理がてぇ」


とまあ、これを見せに徳川君の拠点候補地江戸城建築現場へ。


「……全部満たすとか馬鹿なの?本当にやるやつがいる?」

「もう後には引けないゾ」

「予算、5000貫な」

「あいよー」

「絶対増やして帰ってくるなよ!そしてバレるなよ!悪党が悪事とかしてたらバラしていいけど!」

「うーん、増やして帰ってくるなよは難しいかもしれんな」

「……お前俺を心労で倒れさせる気?質素倹約といいつつ贅沢は基本逆に目立つんだぞ?しかもお前ら天下統一した第一人者だぞ?本来なら旅すらするななんだよ?だからこれ以上負担は増えさせるな、せめて5000以下にして帰ってこい、お土産なんて考えるな」


徳川家康は全部の県の財政管理を任されており、とにかく質素倹約を大事にしていた。

時折の贅沢は許可したものの旅路みたいな贅沢は普通の町民なら1回が限度でありそれを十六夜月達がバレずにやるのは非常に困難であった。

何より、十六夜月がそういう商才に長けていたため稼いで豪遊ができる恐れがあったのだ。


「2月1日から旅に出ろ、来年の2月までには帰ってこい、後継作らなかったら殴るからな?」

「あんたもそれ言うか」


こうして、十六夜月御一行による日本一周ぶらり様子見旅が始まったと言う。

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