第13話 跡継ぎ問題と酒呑み達
「……」
「……」
「……」
「……」
「なんか言えよこの空気なんとかしてくれよ」
どうも、十六夜さんだよ。
後継問題って大変なんだな!身をしみて今苦しんでるよ!
「妹の織田信勝の後継もいるからのぉ……」
「おい、いもうとは、きいてない」
「そりゃそうだろうな、儂はいっておらん」
歴史は大崩壊の様子。
織田信勝が女になった、もう崩壊しまくってる。
「武田は娘が跡取りだが醜女、月光会に頼る他ないわ」
「君らの醜女の基準がわたしにはわからんぜよ……」
「徳川は領土を広げて安泰生活をしたいんだが?私今はそこまで望まんよ?」
「上杉は十六夜さんが相手してくれません!」
「おい」
「「「は?」」」
何3人のあの目、なんなの?子作りしろって?
そんな大事なことなの!?戦国時代!?
「とっとと作れ、今すぐにじゃ!」
「それとも男色かな?」
「早く作れ」
「そんな大事なの!?」
「お前らがいなくなったら月光会に上杉家は誰が引き継ぐ?」
「武田は手を貸せないぞ?」
事は重大すぎた!
やべぇよやべぇよ……どうすんだよこれ……。
「十六夜さんもわかりましたね?もう逃げられませんよ?」
「わかったわかった!」
「兄上!」
そこに現れた黒髪美少女が織田信勝だってのか?嘘だろ?
しかし胸は小さかった。むしろこれが普通なんだよ本来この時代。
「兄上、何の話を?」
「この十六夜月とかいううつけをどう処罰するかで悩んでた所じゃ」
「子作りしてないだけでうつけ判定なの!?」
「そうですが何か?」
「この時代怖いよぉ」
改めて戦国時代の恐怖を思い知った所で話は やっとこの話題から終わったよ。
「問題は本願寺に毛利に長宗我部よ」
「月光会は毛利か本願寺か長宗我部ですか」
「徳川は北条があるからまだ出せん、すまない」
「武田が出そう、いい新兵器を貰った」
「おお!それはすまない!」
新兵器の馬上槍でいけるかは不安ではある。
正直一番信頼してないしコスパは一番安いが技量武器なため一兵卒に使えない気がする。
なんで十六夜さんこんなもん作ったんだろ?
時期は2月、やっぱさみぃわ。
「んで、どうします?」
「何がじゃ?」
「上杉本願寺援護でいいんすか?」
「その手筈で頼む」
「それが終わったらもう勝ち戦じゃ」
この人言い切ったよ、完全に殺戮する気だよ!
けど中国朝鮮の支配下にこの人の手腕は大事なんだよなあ……。
いやぁ困った困った。
「明を支配するとかいったが、いけるのか?」
「明の劣悪環境で銃が使えないのをカバーしきれば」
「そんなに酷いのか……」
中国の環境の悪さは非常にやばかった。
砂漠雪山密林熱帯理をどうしろと?銃なんて使えるのは限られてるぞ?
しかも大陸が広いから補給もままならない。
蒸気機関とかんなもんないんだから輸送すら時間がかかる。
真面目に言うなら速攻でしかけるか、はたまたどこかと同盟……そんな希望は捨てよう。
まぁ、レイフェイとリーネ連れて明こと中国には行かないと話にはならない。
十六夜月の結論終わり!閉廷!
「あっ!見つけました!」
「お前はあの時の金髪幼女!」
「日本語学びました!これでわたしも会話できますし翻訳できますよ!」
「お前名前は?」
「エリスです!エリス・クローバーハート!」
「謙信そんな子の存在すっかり忘れてましたよ!」
「戦争は嫌ですが商人の娘でした!商売ならできますよ!」
エリスが仲間になったはいいが、いつ中国にいけばいいんだ?
7月はいけないからもう危険覚悟で冬の日本海突っ走るしかないんだが?
生きて帰れるかな本当……。
「十六夜月、お前中国いって休んでこい。上杉謙信連れて」
「武田さぁん!?」
「善は急げ!さあ支度しろ!」
こうして勝手に船に拉致られ、リーネとレイフェイと首輪つき氏と日光氏をつれて明にいく事になった。
俺の意思どこ?ここ?
かくして、冬の日本海という荒れ狂った中こと1週間。
今でいう所の上海に着いたよ。
三国志時代でいうなら呉に近い。
1564年 2月14日 呉付近
「んー!全然違いますね!」
「なんか嫌な空気」
「やいやいここらの商業圏は孫一族とその関係者が支配している!」
「私が話つけるネ、少し黙ってロ」
そう言うとレイフェイちゃん、中国語で会話し始めました。
何いってるかわがんね。
そして15分後。
「孫堅様達に会わせる、ついて来い」
「!?」
「いやいやいやいや!?」
「おいチャイナてめぇ!?」
「約束は守ってもらうぞ十六夜!」
やられた……!
レイフェイは最初っから中国の平定前提で動いてたんだ!
つれていかれるは巨大屋敷、中には私兵が沢山。
生きて帰れるかな?私達?
「無礼はするなよ?」
扉開けられ見えた姿はあり得なかった。
なんか孫堅に孫策に孫権いるし!
しかも女がいる!誰だよその女達!
「おっすー!お前はあの十六夜月か?」
「孫権、気安く言うんじゃない」
「父上、我らが二人いてどっちがどっちだか」
「慣れない物だな……」
「まさかこの女性陣全員孫堅とか孫策とか孫権が女になった姿?」
「恥ずかしい限りだ、転生した英傑の大多数はそうなってる……日本語もなぜか喋れるようになってるし」
「つまり……英傑が普段の2倍近く?」
「まぁ、そういう事になんな!」
「おいサックお前こんなフレンドリーだっけ?」
「ん?気にすんなよ」
ああもう滅茶苦茶だよ!
これに関していうなら私悪くないもん!
本格的に知らんもん!中国事情!
「まぁ、自分自身を押し倒すのはなかなかに楽しいぞ?」
「あんたら何してんだ」
「いやだって呉の名将達もどこにいるか……」
「ああ!もう!」
「十六夜月さん、ステイ」
「怒る気持ちはわかりますが落ち着きましょう!」
「日光氏、リーネ君、明が滅んだらうちらが手を貸さないとまた三国志の時代に突入やぞ!このコース!」
「は?また戦乱かよ」
「そうだよ首輪つき氏!」
「戦か終わって高句麗攻めたら終わりだと思った矢先にこれですか……」
「もうね俺逃げる」
「周瑜の娘あげるから!」
「お前さんよ、安売り感覚で人の家の娘を勝手に渡すな。なんなら周瑜見つかってないだろ」
「いるよ?周瑜?」
「いるが?周瑜?」
「軽く1から説明して貰おうか」
こうして1時間ほど肉まんを食べつつ聞いた話をまとめると。
まず、1560年には孫堅一族と一部宿将がいた。
次に資金がないから何にもできないから貿易した所月光会が売ったり買ったりしたせいで儲かった。
更に今いい馬を月光会に見せたら買わせたいと。
そんな事はどうでもいいから次からが大事だった……?
どうやら『曹操とか劉備とか呂布とかもいるんだとか、董卓はまだ見かけてない』との事。
明が滅んだら戦争になる奴だ!
「という訳だ」
「レイフェイ、これには唖然ネ。ここまで厄介なってたか」
「ところで、お前月光会か?」
「いや顔知らんのかーい!」
「「「……まさか?」」」
「はい、十六夜月です」
「あああああああ!」
「やらかしたああああああああああ!」
「私達のご無礼を許していただきたい!」
「おいこの素面で酔っ払い集団大丈夫か?」
「割とダメかもしれん」
「……酒の匂い、しません?」
「しますね……」
「だからあれほど酒飲みすぎるなっただろ!孫権!」
「いや兄上に父上こそ!」
ダメだこいつら……早くなんとかしないと……。
酒カスすぎてまともな判断すらできないのか……?
いや、名君だよな?腐っても?イメージがガチ幻滅しそうなんだが?
「私達の要望は1つ、呉を再建する事です。その他の領土はいりません」
「ぶっちゃけるならそうだな、後男と」
「女孫権達も癖あるなあ!可愛い見た目して!」
「後は呉の名将達を集められたら集めてまた賑やかにやりたいだけ」
「……協力したら明が滅んだら兵とかを出すと」
「まあ、そうなる」
「謙信ちゃん、結論は君だ」
「ではこうしましょう、私と酒を飲みましょう。腹から本音でぶつかり合います」
「酒だああああああああ!」
「バカ!」
「やらかしましたね私……」
こうして、宴会の席が設けられた。
食事?私肉まんと花豆腐とご飯しか食べてない!
いやこの時代にチャーハンとかないし……。
しかし、もっと大変なことになるのはもう分かりきっていた!
45分後
「なんで周瑜は前はすぐ死んじまうんだよぉ!」
「いや、病には勝てますまい」
「俺なんて暗殺だぞ?」
「謙信ちゃん、どう分かる?」
「根本的悪ではありません、信頼に値するでしょう」
「まぁ、せやな」
「しかし……英傑達に勝てますかね?」
「オーバーテクノロジーに頼れない自力勝負だ」
「なら、どうします?船は使えませんよ?」
「兵で勝つしかねえ……」
「いざよいー!くえー!」
「この絡み酒する酔っ払いなんとかならん?」
実際男の孫権はだる絡みしてくるし、女の孫権はもっとだる絡みしてくる。
ほんと君らよく国統治できたねこんなんで?
名前は呉から上海に変える予定。
交易拠点として頑張ってもらおう。
「日光です、話がしたい人が」
「誰?」
「見つけたぞ!あの時の恨み!」
そこにはイケメーンな青少年と可愛い美少女がいた。
まて、恨みって事はこいつら!
「まて陸遜ズ、話をしよう」
「誰ですか貴方」
「この酒飲み達に絡まれてる哀れな未来人」
「えっじゃあ噂に聞いた月光会!?」
「陸遜ズは物わかりいいわね!」
「陸遜か、なんか美少女になってない?」
「周瑜さんに言われたくなかった……」
さぁ大混乱を極めてきました!
十六夜月ですら場を制御は出来ません!
そりゃそうだろ、ツッコミ要員十六夜月だけやぞ。どうしろっちゅーねん。
「この酒飲み達には恨みがあるが十六夜月さんには敬意を払ってます。どうか僕を使ってくれませんか?」
「ねんがんの りくそんを てにいれたぞ!」
「ゆずってくれ!たのむ!」
「孫権なんでそれ知ってんだよ」
「……この世界に来る前になんか知った知識だ、私も苦労したんだぞ!陸遜焼き殺してからは国ガタガタになって結局滅んだって聞いたし!」
「孫権の自業自得でしょ?」
うーん、陸遜と孫権が壊滅的相性!
こりゃ無理ですな……!
「陸遜ズ!日本に来い!」
「お言葉ですが何故?」
「孫権の恨みはとれんからうちで使った方が使い物なるし何より陸遜かて古巣にいたらまた焼かれる恐怖あるやろ」
「知謀は私以下とはいえど考えてるんですね」
「後周瑜、てめーは治療な」
「何故それを!?」
「てめーの病気月光会が治す!」
「……わかりました」
「すまねぇ……すまねぇ……」
「周瑜、陸遜、この妙にノリのいい酔っ払い何とかならない?」
「無理ですね」
「焼き殺された人に聞きます?」
こうして馬鹿騒ぎする事1日
「飲みすぎた……」
「私としたことが……」
「気持ち悪い……」
「おい!この孫呉の3バカなんとかする奴はおらんのか!」
「レイフェイ探しに行ったが悪化する奴しか居なかったヨ」
「リーネ、女孫策に絡まれてました」
「首輪つき、孫パパに絡まれました」
「日光、陸遜見つけましたが……」
「あの3バカは一生治らないよ?」
「冷てえな陸遜ズ!」
恨みって怖いなあ……?
ここまでくるとやばいわ、怨念だわ!
そして帰る港にて
「すいません、医者を雇う気はありませんか?もう日銭もなくなりそうでして……」
「名前は?」
「
「おい神医何してんだよ!食うにも困るはいかんだろ!うちにきて医者になれ!」
「私をそう呼ぶのは果てさていつぶりか……ありがとうございます、必ずや健康を皆さまに」
こうして治療のために男周瑜を、雇うために陸遜ズを、医者の華佗先生が来てくれたよ。
うん、とんでもオールスターだな?これ?
1564年 2月20日 堺月光会本拠点
「医療器具の使い方はわかりました、では周瑜さん……精密検査をします」
「お願いします」
6時間後
「胃がかなり荒れてます、心労が原因です。胃薬を作るので私は山に行きます」
「この金丹じゃだめ?」
「効果は確かにあります、しかし心労まではとれますまい……なので、それにも効く薬を私めが調合します」
「カブキさーん!ガチの神医者様がいるー!」
「え?神医者様?」
「どうも、華佗です」
「名医じゃん……」
こうして、1週間が経ったよ。
その間は
「お待たせしました、
「いつ、明に戻れる?」
「いいえ、貴方は戻れません。戻ったら貴方は確実に早死にするでしょう」
華佗先生ガチで言うことズバズバ言うなあ!
医者様すげぇ……十六夜月が未来人であるからいえなかったことをガンガン言う……?
「明が滅んだ時、周瑜さんの出番です」
「滅ぶのか?やはり明は?」
「残念ながら……あのままいくと資金切れを起こして破綻するでしょう」
「やば……華佗先生賢い……」
「こりゃ仙人とも言われるわ……」
「逆に早く月光会の力を借りたいのであれば、周瑜殿が日ノ本の戦を終わらせれば私は許しましょう」
「華佗先生!?」
「天下万民、怪我病気なく生かせるのが医者の仕事ですからね」
「……今すぐに最上級の住むところと今回の診察費持ってきます」
「500貫でいいっすか……」
「そんなに貰っていいのですか?」
「適正報酬なんだよなあ……」
「なら受け取って遠慮なく月光会に滞在させて貰いましょう。あ、あとは堺を拠点にして診療所を開いていいでしょうか?」
「いいっすよー」
「家賃は払わないといけませんからね、機械の借りる代金と……後は住む場所はそこそこで大丈夫ですよ」
「貴方は神か」
かくして、こうした適切な治療を受けた周瑜は1ヶ月後には完治したと言う。
食事もストレスも改善されてみるみる周瑜が元気になり、陸遜達もホッとしていた。
華佗先生は堺で診療所を開き、怪我と病気に苦しむ人を治していきたいとは言ってた。
戦争時には高額を払う事で軍医にもなってくれる約束もした。
1回1000貫と言う安いのか高いのかわからん値段で。
え?謙信ちゃん?酔っ払って介抱して貰ってたのと戦争の準備してたよ。
戦争まで残り、4ヶ月になろうとしてた。
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