第12話 比叡山焼き討ち

「マジ?食事を増やす?」

「ええ、毎日晩御飯に味噌雑炊をお腹いっぱい食べてください。貴方達が持ってきたじゃがいも?という物を使いますが」

「好物に好物が増えた、ニラも入れるんだろ?卵に」

「はい!」


上杉謙信ちゃん?なんで私にこんなに食わせるの?

いつもはおかわり2杯までなんに!


「なんか裏ない?こんなに食わせるなんて?」

「そりゃだって後継をこれから作るんですから!」

「チキショウ!やっぱりか!」

「さぁ!食べてください!」

「せめて1週間に1回にしない?」

「むぅ」

「今子供作ると天下統一に影響出るんですよ……」

「早めに作らないと辛くなりますよ?」

「……しょうがねぇなあ」


十六夜さん、涙目になりながら承諾したよ。

もう後には退けないねぇ!

23歳で子供ってはやくなーい?

いや十六夜月にはわからんけど当時だと普通だったんか?

まぁ、覚悟はしなきゃね。


「さぁ!私も今日はお酒を控えますよー!」

「いつも塩だけで飲もうとするからおつまみを隠れて作る身になって下さい!」

「それに関しては上杉謙信頭が上がりません……」


あの後からずっと酒は飲むからせめておつまみは野菜とかで毎日作って健康を意識はさせたよ。

きゅうりの浅漬けだとか、トマトリゾットだとか、ナスの油揚げの醤油味だとかで。

こうでもしなきゃマジ早死する!

この人甘いものと酒の飲みすぎで死んだようなもんだし!


「あー子作りなんて初めてだぞ……」

「大丈夫です!私もです!」

「余計に不安だわ!知識は知ってるから余計に不安だわ!」


現代未来の同人誌と同人AVは見てるから手順はわかるよ?けどいざやるになったらそら不安よ!

勇気ねーよ!十六夜月さん!


「殿!大変な事に!」

「何なんですか、これで大した事じゃないなら斬りますよ?」

「どんだけ謙信キレ散らかしてんですか……」

「織田家が!比叡山を焼き討ちに!」

「本当に大変な事でした、申し訳ない」

「方法は?」

「リボルバーライフルによる虐殺からの生き残り防止のために火を放ちました!」

「あの人は鬼か……」


視点は織田信長に移る


「比叡山にいる僧侶は撃ち殺せ!」

「やりすぎですぞ!殿!」

「逆らう気か!猿!」

「殿!流石にそれ以上は……」

「明智光秀!お前もいうか!」

「流石のオイラもこれには……」

「撃って撃って撃ちまくれ!生き残りがいてはいかん!焼き討ちにもしろ!」

「(悪魔だ……第六天魔王だ……)」


1564年 1月1日の元旦に比叡山の寺に虐殺と焼き討ちを行った織田信長は自ら第六天魔王と名乗り比叡山の僧侶を撃ち殺しつつ焼き討ちにした。


歴史は間違いなく変革の世を迎えていた。

同時に戦争の方法も変わりつつあった。


午前2時になった比叡山跡地には、何もかも焼かれ果てた屍と燃え尽きた寺があるだけだった。


「……十六夜月さん、織田信長と組んで本当に大丈夫なんですか?」

「十六夜月、動きます」

「十六夜さん!?」

「ここで動かねば歴史が史実をなぞる!ここでぶっ壊す!」

「な、何を……?」

「明智光秀をうちに加入させて誰を代わりにいれるか……」


十六夜さんのプランニングはこうだよ。

まずこのままいくとノッブは明智光秀に殺されるからそれを防ぐ!

いかなる技術もしくは人材を払ってもだ!

ノッブには高句麗か明を支配してもらわないとマジで困る事になる!

次に安土城を完成させる。今工事してるが月光会が動けばはやくなるはず!

とにかくノッブが死ぬ前に統一しなきゃ高句麗だけは無理だ!抑えられん!


「ごめん、晩飯食ったらすぐいくわ」

「第六天魔王を止めれますか?」

「止めなきゃこの世は安泰にならないからね」

「動けなくて申し訳ありません、すべて任せました」

「雑炊を急がして」

「はっ!」


こうして腹一杯雑炊を食べたらその足で馬に乗ろうとした先にオリニキがいたよ。

オリニキが何の用なんだか。


「ついにノッブ止めか、うちもいこう」

「オリニキ?」

「多分十六夜さんがいくと犠牲が出る、ならうちが身代わりも辞さないわ」

「……二度と月光会には戻れなくなるぞ?」

「ええで、十六夜さんそんかわり本能寺の変は起こさせるなよ?ぶっ壊すならとことん壊せ」

「あいわかった、その黒い馬は?」

「うちが基本何もできんかったから十六夜さんに出来る最後の事やで」

「名前は?馬の?」

「ない」

「ならお前の名前はエイシン……」

「やめないか!」


オリニキに止められたよ。まぁここで歴史をさらに壊すわけにもいかないか。

じゃああの名前もダメかぁ……。


「しょうがない月風つきかぜにするか」

「じゃあ飛ばしていこう、時間が惜しい」

「すまんな、いくか!」


こうして岐阜城に飛ばす事2日、昼頃に岐阜城についたよ。


「月光会の十六夜月とオリだ、織田信長に会いたい」

「わかりました、殿に会わせましょう」


かかる事5分、ノッブがいる天守閣まできたよ。

そして、ついにこっちからだと初の織田信長との邂逅だよ。


「おお月ではないか!歓迎するぞ!」

「えっ私歓迎される事した?」

「お主が作ったリボルバーライフルが兵たちを殺すのに役立ってな!」

「満面の笑みでものすごい事いってるよこの人」

「で、要件は?」

「明智光秀くれ、こっちの軍師オリと交換で」

「あのオリか!防衛城を多数開発した!」

「オリニキ何してくれてんのさ、私が知らん間に」

「そらうちも家老だからな、十六夜さんが知らんだけで」


オリニキが家老だなんて知らなかったそんなの……。

そんな驚愕の事実を知った所で話を戻すよ。


「しかしいいのか?オリなんて貰っても?」

「後城の工事の手伝いもするわ」

「……これだけじゃ儂の気がすまん!」

「ゑ?」

「猿!」

「はっ!」

「月光会にいけ!十六夜月を支援せよ!所属は上杉になれい!」

「あの月光会にいけるのでござるか!?」

「猿は前から行きたがってたからな、儂の気持ちと猿の気持ちを汲み取ってくれ!」


明智光秀だけを貰おうとしたら豊臣秀吉がついてきたでごさる。

歴史が崩壊するし今豊臣秀吉28歳か29歳ぐらいやぞ?


「本当にいいんですかい?信長公?」

「馬車馬のように働かせて構わん!」

「ねねさんに挨拶しなきゃ……」

「まぁその必要はないでござる、上杉と織田と徳川は三大同盟だからいつでも会えるでござる殿とは」

「(すまん猿、多分それは難しいぞ……)」

「ではオリは家老だから早速内政と軍事面でやって貰うぞ!」

「十六夜さんまたなー」

「次会うときは天下統一後だな」


一時の別れを惜しんで私は春日山城に戻ったよ。

まぁ、また会えるやろ。


そして1564年 1月10日 春日山城


「おい、竹中半兵衛に木下小一郎に他累々って豊臣秀吉オンパレードやんけ」

「私もいますぞ、十六夜月殿」

「明智光秀くん!」

「案外丁度よかったのかもしれません、殿は悪鬼に成り果てた……だから見切りをつける的意味でも」

「そいや二人城ごと持ってきて大丈夫だったの?」

「キャロライン!?」

「大丈夫ですよ、殿から許可は得てるし何ならリボルバーライフル代らしいですよ」

「オイラは母ちゃんを楽にさせたい!」

「ところで今の名は?木下君や」

「ん?今は羽柴秀吉はしばひでよしだぜ?」

「しかし猿、おめー砕けた口調になると接しやすいな!」


これが人誑しと呼ばれる所以かわからないが話してて面白い。

多分これが天下人と呼ばれる所以なんだろう。

てか未来人すら魅力あるんだと思わせるこの豊臣秀吉はマジやばい!やはりヤバい!


「明智配下もついてきてくれました、明智光秀配下共々十六夜月の配下になります」

「オイラもだぜ!そんかわりうめーもん沢山食わせて茶席をやってくれよな!」

「キャロル、宴会だ」

「やったー!」

「謙信ちゃんも許してくれるやろ」


2時間後、上杉謙信に話をしたら大規模宴会の許可が降りたよ!

ハール氏曰く「シェフに大量生産するときは1週間前っていったでしょうがやだー!」

とは言われたがしゃーない。うちかてこんな来るとは思わなかった。


宴会場

好きなものだらけです。みんなの好きなものだらけ。

十六夜月からは味噌じゃがいも雑炊、首輪つき氏からはポテトフライ、カブキさんからは清酒、緑魔キャロラインと甘乃あもこ氏からはスイーツ、明智光秀からは中華ちまき、羽柴秀吉からは何故かトマトリゾットが。

不知火さんはチャーハンとかいってた、が却下された。


「いや、量おおない?」

「そこに焼き鳥とかあるからな」

「ハール氏すまん……」

「今度はちゃんと1週間前にな……」

「では食べるか!」


一同並んで食べ始めました。

さまざまな愚痴とかたわいの無い会話が出てます。

十六夜さんは?酒に酔った人とかの介抱してた。

食べはしてたんだがね。


視点は代わりに織田家


「流石はオリ、智略と統率に優れておる」

「信長公もやばいんだよなぁ」

「しかし、どうやって本願寺を落とす?手はあるか?」

「十六夜さん呼びましょ、あの人なら落とせる」

「ほぉ?」

「確かグレネードランチャーがあるはずだから」

「徳川が今破竹の進撃を見せてるあの新兵器か」


徳川軍は十六夜月から貰ったグレネードランチャーで北条家の3分の1をとるという破竹の快進撃を見せていた。

しかし弾薬問題があったため小さな城では使えない難点があった。


「あの忌々しい石山本願寺はぶっ壊すか焼き討ちにせねば!」

「(ノッブやばすぎや……これ早めに領土やらんとやばいぞ?十六夜さん、制御できるか?)」

「7月に石山本願寺を攻める!徳川上杉月光会に連絡は任せた!」

「りょうかーい」


戦はこんな些細なきっかけでもおきる。


視点は忍城


「今は私一人だけ……民と城を守らなきゃいけないけど……」


一人、悩む姫がいた。

名前を甲斐姫といい男なら天下をとれてたとも言われてる人物だった。


「自分の身を売ってでも!決まった!上杉家に行かなきゃ!」


一人で護衛もつけずに急ぎ春日山城にいくのだった。


1564年 1月12日 春日山城にて


「いやそんなこと言われましても……」

「うーん、私達結婚してますし……」

「そこをなんとか!私を嫁にして下さい!」

「……リノア氏ー」

「屋根裏からこんにちは、日向リノアです」

「すごいとこから来ましたね……」


甲斐姫ちゃんはなんか驚いてるがまぁここだとよくある話。

これで驚いてたら生きていけない。


「リノア氏、嫁はいらんか?今なら城もつくが忍者だからいらんか」

「ええで」

「忍者衆がついて上杉家保護とはなんとありがたいことか……!」

「じゃあ式殿とか祝言の準備するか」


1564年 1月15日

この日を持って日向リノアと甲斐姫は結婚する事となった。

リノアは忍者衆の上忍だったためすんなりと城主と結ばれるのも問題なく、甲斐姫自体も忍者衆のサポートがうけれるという考えだったため両者は普通に結婚した。


更に1月16日


「オリニキやん」

「十六夜さんや、グレネードランチャーか爆薬持って7月に石山本願寺攻めてくれん?」

「あの忌々しき本願寺潰しか、手を貸そう」

「助かる」

「どう?織田家?」

「かなりきつい、休まる暇がない」

「マジか、うちがゆるゆるなだけか」

「十六夜さんとこが適材適所だったんやなって身をしみてわかるわ」

「んじゃ準備するわ」

「頼むわ」


更に1月20日 月光会堺工房


「頼まれもんでけたぞ!首輪つき氏はなんちゅーもん頼んでるんじゃ!」

「おー」


頼まれものとは蛇腹剣だった。

確かにダマスカスとワイヤーがあれば出来ないことはなかった。

しかし耐久性だけはどうしようもなかった。


「ぶっ壊れやすいから鞭モードとかには極力すんなよ!?それとダマスカス小太刀!」

「すまんな」

「ほんもぁ難しい注文しよって!」


そんな中もう一つの越後工房のとある会話にて


「十六夜さん、出石の町から銀が座に並びました!」

「やっとか!3年かかったか……」

「どうします?銀はかなり貴重ですよ?」

「いいか!銀は輸出すんなよ!?海外に出すなよ!?」


十六夜月は自費で出石の町に投資し続けていた。

その結果、出石は非常に大きな町となり銀すら出るようになっていた。

出石の町は一大港町の一つになっていたのだった。

しかし十六夜月はその取れた銀を海外に極力出さないようにしていた。


「出石の町の住民は大喜びです!」

「あ、日光です報告いいかな?」

「やぁ日光さん」

「色んな町を巡って剣術を学んだ結果免許皆伝になったため自分の道場開けるようになったっす」

「おー、それなら独立するか?」

「いいんすか?」

「そんかわりうちのとこの剣術師範役になってな」

「わかりましたー」


この日を持って日光は日光流を開き、上杉家の剣術師範役となった。

この剣術に助けられる日が来るのはまだ先の事である。


そして、時間は刻一刻と進むのだった。

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