第10話 尾山城攻略作戦

「参ったなあ、連合軍を組まれたか」

「暴れすぎた結果かと」


どうも、十六夜月だよ。

マイナー武将含んだらマジほぼ全部に囲まれたといっても過言ではない四面楚歌だよ。

足利のバカは叛逆しなきゃいいものを!

まず当面は織田の斎藤家をボコる事からスタートだよ。もしくはクソッタレ本願寺焼き討ち。


「不知火や、話がある」

「あもこもいるよ!」

「あなたが代表ですか?」

「おい、なんで、黄月英が」

「十六夜さんわかるかー」

「てか黄月英って胸デカかったんだ」

「十六夜さん?」

「死んだ魚の目で刀を構えるのはやめるのだ!」


また上杉謙信ちゃんがやばい事になってるからなだめたはいいが、なぜ黄月英が?

その真相を確かめたいが今私が明にいくのはまずい。

織田と徳川と吸収した武田を影から支援できるのは私だけだ。

米は偉大。


「後これがメイン、新型銃じゃ!」

「おい、ボルトアクション、おい」

「あもこが作ったんだよ!」

「は?耐久性の問題は?合金なんてまだないぞ?」

「ダマスカス鋼つかった!」

「この模様だから1挺が違うんかい」


ダマスカス鋼なら熱にも耐久性にも抜群に高いだろう。

劣化品だとしてもだ。

もし本物なら?後世の歴史で博物館送りだろう。


「いるか!十六夜!信玄じゃ!」

「おうふ」

「戦なら武田の騎馬隊に任せろ、伊達は攻めないから北条は徳川にとらせて我らは本願寺を叩く!神保もいるがあいつらは雑魚だ、お主らの技術で軽く屠れるわ」

「問題は?」

「織田の事だ、幕府は滅ぼすだろう。その後の3藩制度になってからじゃ」

「それを防ぐためにも明と高句麗こうくりは攻め滅ぼして統一国家を目指したいがなあ」


朝鮮出兵は本来なら行う気はなかった、中国出兵も。

しかし、新型の病気に戦争問題を考えた結果……やるしかないと判断したのだ。

やるなら、今しかないと。

技術で勝ってる今だと。


「十六夜月よ、斎藤家に六角家は織田がとれると思うか?」

「取れなきゃ困るよ?」

「ならば、どうする?」

「だから、手は打った」

「けど、観音寺城は硬いですよ?ましては忍者衆はいますし」


そう、観音寺城は硬くてでかいのだ。

ましては当時としては規模は3位ぐらいあるだろう。

んなもんリボルバーライフルだけで突破はきついだろう。

徳川のグレネードランチャー渡せばよかった。試作品だが……。


「私達はどこに行けば?」

「儂らは北条はきつい、アイツらは槍足軽が基本だから騎馬が動けぬ」

「新型銃、何挺ある?」

「2000!」

「誰に持たせる?」

「月光会限定、今んとこ」

「内政に力入れすぎたわ、私は正規品リボルバーライフルでいく」

「ならあも式マルチライフルは?」

「不知火さん、あんたに任せた」

「あいよ」


織田が斎藤家と六角家をとることを期待して徳川が北条今川を滅ぼす事を期待しつつ私は準備をした。

秘密裏に開発したある物のテストとして元武田の軍勢には持たせてあった。

さて、どれほどの威力か……。


1563年 10月1日

ついに歴史は動き始めた。


「殿!竹中半兵衛と美濃三人衆が織田に降りました!そしてそのまま稲羽山城に!」

「いったか!」

「私達も準備を、本願寺の尾山城を攻撃します!」


この時月光会7500の軍勢に上杉家15000の兵士が尾山城に向かってた。

しかし本願寺はそれを察知、野戦での真っ向勝負となった。


1563年 10月5日 尾山城前


「いいか!あんな悪の化身に負けてはならぬのだ!ここで勝つぞ!」

「(果たしてどっちが悪なんだかね……)」

「どうした?孫市?」

「なんでもない、来るぞ」


この男雑賀孫市、この時代最強の銃使いであり今は石川本願寺にいる。

しかし、その現代人を怨念の如く敵視してるのには疑問を持っていた。


「(本願寺は変わったな、まぁ俺には関係ないか)」

「敵兵きます!」

「おっ始まるか!」


ここにて、大規模な戦が始まるのだった!


「殿!やはり本願寺は鉄砲が主力です!大筒も数150は確認できます!」

「上杉騎馬隊はとにかく撹乱を!槍足軽は弓に持ち替え!鉄砲隊はリボルバーライフルを撃ち尽くす覚悟で乱射!」

「月光会本体十六夜だ、グレネードランチャーを許可する。城が砕けてもいい!」


お互いの鉄砲発射により戦が開始された!

鉄砲の質は月光会率いる上杉家の方が高かったが、物資と兵数は尾山城の本願寺勢の方が上回っていた。

長期戦に持ち込まれたら上杉月光会が不利だった。


「装填急げ!」

「(勝ち目があるなら……グレネードランチャーで対象爆破か、城の崩壊……士気壊滅ははっきりいって狙えそうにない!勝ち目がやはり薄い!)」

「十六夜さん、私が軍神と呼ばれる所以を見せてあげますね?」

「謙信ちゃん?」

「上杉謙信隊、前に出ます!騎馬は大筒に一斉攻撃!」

「は!?死ぬ気か!?」


聞く耳持たずにいっちまいやがった……。

まずいぞ、もうグレネードランチャーは使えなくなった……。

銃刀でこっちも?いやダメだ!十六夜月は銃剣なんて使いこなせない!


「カブキマスク隊!大手門の爆破に成功した模様!」

「俺が弱気になってどうする!こんな事ならあも式マルチライフル貰っときゃよかったぜ!」

「十六夜月殿?」

「銃刀持て!突っ込むぞ!」

「正気ですか!?」

「謙信がいき、カブキがいき、我ら大将が行かずしてどうする!」

「わかりました!銃刀準備させます!」


15分後、十六夜月隊が全員銃刀を装備したことを確認すると全員突っ込み始めた!


「技術の差など信仰と訓練と数でなんとかなる!勝てるぞ!」

「(今んところは勝ってるが……)」

「大僧正!大将二人が突っ込んできます!」

「ならば撃ち殺せ!」


「甘粕!鬼小島!突っ込みますよ!」


その時、前の方から爆風がした!

カブキマスク隊のグレネードランチャーだろう。

しかしそれでもなお、本願寺勢の士気は衰えない。

それどころか、怒りで士気が上がってるようにも見えた。


「火縄銃てー!」

「大将見つけたり!」

「何ぃぃぃ!?」

「大僧正下がれ!」


孫市が咄嗟に火縄銃でうとうとするもフリントロック式じゃないために撃てない!

その隙をついて上杉謙信は刀で火縄銃を切り捨てた!


「チッ!どうしようもねぇ!」

「なんと悪逆無常な!」

「降伏か死か、どっちか選びなさい」

「ここが落ちたところでお前らに勝ち目はない!」

「聞く耳持ちませんか……」

「だ、大僧正!」

「何じゃ?」

「尾山城が三ノ丸まで突破され、退くにも退けませぬ!」

「何だと!?」


視点をカブキマスクにしてみよう、何があったかは1時間前まで遡る。


「大手門壊したね?そんじゃあ斜め45度にてスパーキング!」


カブキマスクは門の破壊と同時に斜め45からの射撃で門を死守する兵士の爆破に火縄銃兵の撃破を行なっていた。


「カブキ殿、弾薬250発使えば二ノ丸は突破出来そうです!」

「そんじゃ2倍の500発使って相手にプレッシャーかけようか」

「畏まったでござる!」


カブキマスクも、平均以上に戦がうまく心理戦は近代火器も相まってかなり効率的にできた。


そして15分後


「二ノ丸!陥落しました!兵士は怖気ついて一部は城から出てきません!」

「そりゃあ安全な所から爆撃されちゃあ相手もどうしようもないよなぁ」


十六夜月が開発した試作グレネードランチャーは現代とは形が違うタイプで、わかりやすく言うなら擲弾兵が使ってたフリントロックタイプのグレネードランチャーだった。

射程は80m程度と結構長めで門ごえ射撃もできるこの時代にはまさしくオーバーテクノロジーだった。


「二ノ丸の兵士!士気が減ってきてます!」

「そんじゃとどめのグレネードランチャー!」

「はっ!」


そしてこのカブキマスクと言う男は士気を壊滅させての勝利を狙っていた。

理由はわからなかった、何故ここまでやって士気壊滅勝利を狙ったのか?そして何故大将が城にいるのに僧兵に降伏を狙おうとしたのかわからなかった。


「米は不安だし三ノ丸めがけてFIREINTHEBALL!」

「?」

「グレネードランチャー撃ち込めって事、破壊し尽くして」

「しかしよろしいので?一応寺ですが?」

「確かに学問とかの発展は大事だね、けど俺たちを殺そうとしたのは許さないし火あぶりも辞さない」

「お、落ち着くでござる!」

「本丸手前まで落として、そうすりゃ話はつけられる」

「御意に!」


このような事があったのだ。

そのため、野戦に出た軍勢は退くに退けられなくなってしまったのだ。


視点は更に十六夜月に


「突っ込め、突っ込めっていってるの……突っ込めっていってんだるるぉ!?」

「いや無理ですって大将、相手なんでか知らんか二丁拳銃ですよ?」

「しょうがねぇなあ、馬貸せ」

「何する気で?」

「一騎打ち申し込む」

「大将貴方うつけですか?今の時代一騎打ちなんて受ける奴誰もいませんよ?」

「やらなきゃわからん」

「まぁ……いいですけど、うちら今突っ込もうとしてるから人の事言えんのですがね」


兵士から馬を借りた十六夜月は単騎で敵の陣目掛けて突撃した!


「無二殿!?大将が単騎で突っ込んできます!」

「は?」

「十六夜月一騎打ちを所望するぅ!」

「早打ちなら……いいよ」

「おうなら勝ったら部下になれ、私の」

「私が勝ったら軍を退かせて」

「やってやろうじゃねぇかこの野郎!」


こうして、いきなり一騎打ちが始まったのである!


「勝負は簡単、的に当てる。二人が当たったら10歩下がる。外したら負け」

「ほれ、これ使え」

「いいの?」

「勝負はフェアプレイにだ」

「?」

「正々堂々だって事」

「なら使う」


二人の勝負は15分以上かかった。

お互いに銃の名手であるためにかリボルバーライフルの性能の良さも相まって800mまで当てたからである。

そして殺傷適正射程オーバーの900mで、勝負は決した。


「風、なし、ならは!」


弾丸は無風な事もありまっすぐに飛んで行った、しかし十六夜月でさえ900mは手のブレ1つで当たらなくなる距離だ。

数分後「命中確認!」の声と共に無二の番になった。


「……」

「(風が出てきたな……2mってとこか)」


この、2mが命取りだった。

無二の銃弾は僅かずつに逸れていき、外れたのだった。


「むーりぃ……」

「使い慣れてない銃でここまでの時点で化け物だわ」

「約束通りこれから貴方の部下になる」

「よろしく、十六夜月な」

「無二、よろしく」


この一手がさらに戦局を変えるのだった。

視点は上杉謙信に戻る。


「殿!十六夜月が敵将の寝返り工作に成功しました!」

「搦め手を攻めましたね……大僧正、もう退けませんよ?」

「ぐううううう!」

「俺は降りるぜ、負け戦になろうとしてるからな」

「孫市!?」

「雑賀衆といえども無駄に兵は減らしたくはないのでな」

「貴様!?」

「最後の通達です、城を明け渡すか腹を切りなさい」

「兵を退かせい!石山に撤退する!」


かくして、2日かかった尾山城の戦いは月光会被害700の上杉軍2500の被害はあったものの、城の物資全部確保に尚且つ被害はあるものの尾山城の大規模改修なしでの奪取に成功した事は非常に有意義だった。


1563年 10月5日 尾山城にて


「は?私城主?」

「ええ、本当は寂しくなるためしたくないですが示しがつかないとの事なので……」

「断りたい」

「え?」

「私一人では無理、それこそダメになる」


十六夜月は上杉謙信からの城主任命を断ろうとしてた。


「けど尾山城誰かが見ないといけないんですよねぇ」

「うーん困った、配下はいるが全員脳筋上杉家」

「ところで、あの女は誰ですか?」

「無二って言うらしいよ、一騎打ちしたら十六夜月の部下になった」

「いや、まず突っ込みどころ満載なんですが……今一騎討ちなんて無謀だからやる人いないしそもそも貴方総大将ですし……」

「それを言うなら謙信ちゃんもなんだよなあ……」


と、雑談をしつつ尾山城をどうするかで悩みに悩んだ。

結果……


「尾山城を月光会管理にします、但し十六夜月はそのまま春日山城にいさせる」


という結論に至った。

城主は月光会の幹部から成り立った。


1563年 11月1日 尾山城


「修理早いとこから金出すんだなー」

「こっちは弁当に白米に焼き魚だ!味噌汁もつけるから早くやるんだ!」

「あっ十六夜さんだ」

「やぁリノア氏、護衛か?」

「うむ、弁当はゴマ黒米握り3つに尾山城から出る味噌汁だがな」

「どう?城の修繕具合」

「ねるじぇら氏と如月氏がやってくれてるが派手にやっちゃってくれたせいで後60日と3万貫は吹っ飛びそう」

「海外貿易しなきゃ真面目に赤字だな……」

「ところで、町奉行だけじゃなく忍者を警察みたいな組織にするのはマジ?」

「ああ、忍者だって稼ぎ欲しいやろ」


十六夜月は軒猿と闇夜衆の暇すぎる忍者を警察官みたいなことにする事を頭達に伝えていた。

依頼金として年間1万貫を渡す契約もつけ、城下街に町の治安維持とかを目的とするためだった。


「うちらとしても賛成、忍者衆いま仕事なくってよぉ」

「なら、決まりだな」

「ぬわあああああああん!商人達が美味いもん食いたいって!」

「金沢のうまいもん知らねええええ!」

「よし、魚のうまいもんだな?ハール氏呼んでくる」


2日後、ハールは金沢の魚を使った寿司を握った。

商人達はこれには大満足し、さぞかし大金を出して食べていき英気を養った。

職人達の寿司はデカくてシンプルにして、安く早く食べれるようにした。

更に生魚が嫌いな人たちのためにハールと十六夜月は荘霊菲ジャンレイフェイから教えてもらったスパイスを使いカレーライスを開発、そして金沢おでんも開発した。


そして、1563年12月20日


「でっか……城でっか……」

「死ぬ気で終わらせました」

「無理、城改築して修理改造した」


尾山城は今まで以上に硬く、大きくなっていた。

職人達も死ぬ気でやったのはあるが城のデカさは安土城クラスで1563年当時としては破格のデカさだった。


「休ませて下さい……」

「ねるP……休んでいいぞ」

「無理、寝て遊ぶ」

「如月氏何して遊ぶんだ?」

「ゲーム機ないんだった……馬鹿みたいに食うか」


かくして、尾山城は巨大な城として生まれ変わったのだった。

同時に尾山城は金沢城として名前が変わった。

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