第4話 緑魔キャロラインのお金稼ぎ出来るかな?

「ねえねえ、そこの銅をさ全部頂戴?」

「納屋さん思い切ったねえ」

「何貫?」

「商人割引ついて2000貫でいいよ」

「買った」


あ、この話はキャロルの視点だよ。

後十六夜君とかは銃刀と火縄銃作りに忙しいから話しかけれないよ。仕事終わらなきゃ。


「首輪つきさん、これどこで売れるかな?」

「いや私に言われても」

「しょうがない、堺に持ってくかー」


と言うわけで堺の町に持ってくよ、とにかく木炭と利益を稼がないとね。


「首輪つきさんはここに来る前は傭兵してたんだよね?」

「うん」

「じゃあさ、銅の武器って実際どうなの?」

「ダメ、今の刀の質がいいから加工品にした方が売れる」

「銅の加工品は?」

「コスパ高いからダメ、それに銅線とかがメイン」

「海外貿易しかないかー」


難しいね、交易って。

とりあえず適当に持って行って売るじゃダメなんだね。

ん?山に人?


「あっ!キャロラインさんだー!やっほー!」

「あもこさん!」

「やべぇ、心労がまた増えた」

「あもこは砂鉄が集まったから木炭貰ったら玉鋼に加工する仕事ー!」

「そうか!キャロルわかった!銅のサイコロ作ろう!」

「は?」

「賭博場にもってきたい!酒場だったら一杯あるし!」

「いや、人の話聞いてました?」

「十六夜君に聞いてみよ!」

「おい、ひとの、はなしを」

「堺ついた!聞いてこよう!」

「……」

「首輪つきさん……大変やな」

「スギネコさんわかるなら変わってよ」

「そやけどうちも大変やねん」

「……弁当貰って来ましょう」

「……せやな」


月光会鍛冶場

当時としてもオーバーテクノロジーな溶鉱炉などとかなりのハイテクなんだけど、これは20年前に山本五十六が準備していたからなんだって。

さもなきゃできないんだってこんな物。


「うーん銅か、これなら堺の町でも売れるし何なら石山でも売れるな」

「やった当たりじゃん」

「しかし、次の仕入れ先がわからんと思うから教えるけど……まだ座が成長しきってねーんだよなあ」

「キャロルどこいけばいいの?」

「えっほ!えっほ!鉄は熱いうちに打て!」

「あもこ氏も働いてるし、よっと……メモかくからここにいってメモのやつあるだけ買って堺に戻って売ってきて」


と言って十六夜君場所の名前と何を買えばいいか書いてくれたよ。

ついでに今の純利益は1535貫だって、キャロルがんばった!


「えーと、出石の町にいって藍を買えるだけ買ってここに戻って売ると」

「弁当は今ハール氏が出来上がるって言うから、それできたらお願い」

「今日のお弁当は?」

「ソーセージマフィンのチーズなし」

「やった!」

「5個持たせるから1日かけて食いなさい」

「はーい」


ハールさんが丸い形のソーセージを作れるようになったから堺でも肉加工が許されたんだって。

使用料もとれて経営も楽になったってリーネさん満面の笑みだったよ。

キャロル達もお肉たべれて嬉しいや!


「月ちゃーん!鉄できたよー!」

「冷やして、どうぞ」


あっちは忙しいし、マフィン持ったらいこ。

こうしてキャロル達はソーセージマフィン持って出石の町までいったんだけどさ。

なんか旅人倒れてんだよね、目の前に。


「……」

「生きてる?これ?」

「相当な空腹、食べさせなきゃ3日後に死亡確定」

「えっソーセージマフィンは渡したくないんだけど、あっこれがあったからこれ食べさせとこ」


キャロルはそうやって困った時のひょうろ……何だっけこれ、とにかく丸いのを渡したよ。


「ウエップ!ゴッホ!酸っぱ!?」

「あ、間違えた」

「キャロル氏、それは緊急時の梅干しど砂糖がはいった喉を潤す奴や」

「殺す気か!?」

「違う!キャロルは救いたかったんだ!」

「喉も渇いて辛いしさぁ……」

「待って!?キャロルどれが食べ物か分かんなくなった!」

「キャロルさん!?なんか山賊がいっぱい!?」


なんか山賊に絡まれてるよね、うん。

これやばい奴だよね?


「……」

「そこの人助けて!」

「忍法!紅蓮の術!」

「は?」

「え?」

「ゑ?」


なんか森が燃えてる!やばい!逃げなきゃ!


「やばい人に助け求めたかも!?」

「忍法とか忍者なんよ!?」

「うち衰弱してるのに走らされるとか!?」


まぁ、死にたくないから走るよね。

けどあの忍者誰!?

助けられたけど!?

そして近場の町まで走って逃げたよ。


「キャロルもう走りたくない」

「何か食わせて……」

「キャロル、兵糧丸を渡してあげなさい」

「どの袋か忘れたんだけど?」

「……緑の袋ね」

「はい、5粒ね」

「やっと食える……」


なんでキャロルって取れ高だけはあるんだろうね?

また大惨事があるよ?


「貴様ぁ!」

「お侍様おやめください!」

「何があったの?」

「お侍様が私の娘を!」

「キャロル戦えないけどコイツが悪だってことはわかるよ?」

「(あれ侍に化けた忍者じゃねーか!やばいぞ、俺の正体をバラさずにあいつを殺すには……)」

「そこに誰がいるみたい、誰や?」

「(あーもう!十六夜氏と景虎公には申し訳ないが仕事だからバラさせていただく!)」

「緑魔キャロライン一行だな?命により成敗させていただく!」

「やらせねーよ!」

「あっ!さっきの忍者!」


なんか苦無と鎖鎌で戦い始めたよ!?

あの侍さん忍者だったの!?

てかキャロル達を狙ってってどうして?

わけわかんないけど手慣れの忍者達の戦いにキャロルはついて行けそうにない!


「くっ、鎖鎌でも苦無は……」

「二連苦無?」

「なんの!空蝉!」


二人が何してるかわからないんだけど……?

え?キャロルは忍者物の映画とか見てるわけじゃないんだよね?

てか戦国時代怖いなあ!?こんなのが沢山いるんでしょ!?


「ここは手を引くか……雲隠れの術!」

「煙幕か!?」

「ウエップ!?」

「煙が痛い!」


煙が消えた後には忍者は消えて味方の忍者だけになったんだけど……誰?


「ねぇ貴方誰?」

「軒猿(のきざる)の里の忍者、現代人のゼルっていいます」

「おーゼル氏か。ゼル氏モグモグ」

「首輪つき氏はちゃんと護衛してもろて」

「いや、あんな超次元バトル私が参戦出来るわけなかろうて」

「た、た、た、大変だぁ!忍者が50人やってくる!」


なんかもうヤバイよね。

今戦える人いないよ?

ゼルさんと首輪つきさんしか?


「どうせいっちゅーねん!」

「狙いはキャロルさん達です、こちらも見越して長尾景虎様が護衛を渡したのですが……いや、一人で50は無理やて」

「援護します!軒猿のくノ一です!」

「誰!?」

「名前は後!4刻(約2時間)には月光会からも救援が来ます!」

「よぉ首輪つき、生きてるか?」

「リノア氏モグモグ」

「ハール組はそろいつつあるな、2時間町の被害なしで戦えるか……?」

「うちの軍略、きく?」

「お前軍師か」


軍師?なにそれ?

キャロルわかんないから用心棒さんと話してるけどさ、高いね。


「まずさ、敵50人の精鋭なんしょ?そんならさまず逃す対象は子供」

「で、次は?」

「戦えるのが4人なんだから撹乱されたらそれこそ終わりだから一箇所に集める」

「うん、キャロルはどうしたらいいの?」

「お金をばらまく」

「ぇー」


お金稼ぎのために来たのにばら撒いちゃ意味ないよね。

けどこのままじょ町の人死んじゃうよね……。


「ダメ!来ました!」

「あーもう!台無しだよ!」

「やるべ、リノア氏にゼル氏」

「首輪つき腕は鈍ってないだろうな?」

「リノア氏こそ」

「15!」

「死にそう」

「苦無の嵐ぃ!」


なんか数えきれない苦無が!無理無理当たっら死ぬ!

こんなの聞いてないんだけど!?

忍者いっぱいなんだけど!?


「ひとぉつ!」

「こっちで二人!」

「町の人たちは酒場に逃げてー!」


キャロルの出来る事は誘導だよね、この場合。


「ひいっ!忍者!?」

「しまっ……」


あっキャロル死んだわ。15分稼いだだけかあ……。

呆気なかったなぁ、キャロルの人生。


「お命頂戴致す!」

「終わりかぁ」

「やらせないよ!」

「火縄銃!?うっ……」

「キャロルちゃん間に合ったね!」

「あもこちゃん!?」

「砂鉄掘ってたら忍者から援軍が欲しいって!」

「助かるわぁ!」


後から聞いた話なんだけど、あもこちゃんはこの近くで砂鉄が掘れるから砂鉄を掘ってたんだって。

スギネコさんは忍者から聞いたから急いで馬を借りて現代人を連れて戻ってきてると。

けど、これ大丈夫かな?

みんな怪我するよね?


「火縄銃の使い方は月ちゃんから教わったし!戦うよ!」

「どうしようキャロルが姫プだ!」

「酒場防衛!」

「そうだね!」


とにかく酒場にいけー!

どうなるか分からないけど!


出石の町 酒場


「ふぅ……ぎゅうぎゅうだからここの入り口だけ守れば!」

「来るよ!」

「間に合ったか!?」

「ゼルさん!?」

「ここで迎撃の手伝いをする!」


わー町が大惨事、けど仕方ないよね!

残り時間は1時間か……。


「いたぞ!」

「まだ来るか!?」

「撃つぞー!もう吐いたりしないんだから!」

「キャロルさん、これを」

「太刀じゃん」

「もしもの時に」

「太刀なら!わかる!」


武器をもったキャロルは無敵だうおおおさっきまでの恨み!


「あの商人太刀持った途端に動き変わったぞ!」

「海賊の流儀ってやつ見せてやるわぁ!」

「うてうてー!」


うわぁ、いっきに血みどろになったぞぉ……?

子供には見せられないよ!

キャロルが太刀ぶん回しただけで忍者の首2人吹っ飛んだからね。


「絡み取れ!」

「あっ、絡まった」

「好機!」

「チェスト関ヶ原ぁ!」


首輪つきさんが忍者の体を真っ二つ、こわいね!


「今何人削ったよ?もうこの脇差限界なんだけど」

「俺だって苦無なくなって忍者刀だけよ」

「詰んでね?また30近くいるんだろ?」

「いや、間に合った!」

「十六夜隊!銃刀持って突撃!」

「おせーよ十六夜氏」

「すまん!銃刀の手入れに手間取った!」

「おうもこの字、お前用のハルバートじゃ」

「いい武器やん、気に入った、忍者どもを血祭りにあげてやる」


そういって首輪つきさんが突っ込んでいったよ。

大丈夫かな?


「不知火隊!撃て!」


わー苦無と鉄砲の遠距離戦だ。

キャロル達は何もできないね。

近づいたら蜂の巣にされるもん、無敵時間なんてないからね。


「はーいカブキ隊、しっかり狙ってー」

「カブキさん!」

「キャロルさんだね?よく頑張ったよあとは休んで」

「うん」

「撃てぇ!」


1人につき兵士5人のグループなんだけどさ、これって効果的なんだね。

前衛に鉄砲に刀をつけた鉄砲兵が2人。

さらに後ろで2人が狙って最後二人は弾丸補充。

画期的だね!


「猟犬のステップ!かーらーのー死ねぇ!」

「何あの人重い斧持って突撃して殺してるんだけど」

「あれが本来のもこの字だよ」


首輪つきさん怖いなあ!

あんなバーサーカーだったんだ……?


「皆さん!総攻撃を!」

「いぐぜおらぁ!」

「十六夜さん落ち着け」

「友人をボコった報いは受けてもらうんだよなぁ!」

「君たちに特に恨みはないけど、仲間に無実の人を手を出したから死んでもらうね」


うわー、容赦ないなー……?

月光会ってやばい人達の集いだったんだ。


「引きあげろ!壊滅だ!」


あ、敵の忍者たち逃げた。

勝ったって事でいいんだよね?


「みんな!はよ逃げ!僧兵たちが来よる!」

「案ずるな、手はある」

「上杉の兵たちが来ます!」

「ガチ戦になるね」

「総員戦闘隊形!月光会の力見せるぞ」


嘘、お金稼ぎのはずが戦争になるんだけど!?

キャロルだけじゃ無理だよ!?

いや十六夜君達だけでも無理だよ!

逃げたほうがいいって!


「十六夜さん、アレ使うべ」

「ああ、『アレ』か……いいだろう、町民達巻き込むなよ?」


えっアレってなに?

なんか嫌な予感するんだけど……。


こうして、半日後には数1000の本願寺からの僧兵が攻め込んできたよ。

マジ勝てるの?これ?


「ぐあっ!?」

「何故足を切られた!?」

「暗くてわかりません!」

「忍びの罠か!?」

「まんまとかかりおってからに!死ねや!」

「うわぁ!暗闇から鉄砲が!?」

「一時退却じゃ!」


南の方角


「こちらでも足を何故か切られたとの報告が!」

「ええい!」

「ステンバーイ、ステンバーイ」

「原因は不明!」

「Go!」

「うっ!?」

「大将が暗殺されたぞー!?」

「さすが不知火さんが新開発したワイヤートラップだ、見事に足止めしてるゾ」


ここだけは解説の十六夜月に変わるよ

当時ワイヤーなんてもんは当たり前にないよと思ってたよ。

しかしヨーロッパでは手作りながらあったんだ、つまりはこの時代でも実際日本が手作りだがあったんですね。なんなら安土桃山時代前からあった。

で、ワイヤートラップを金払って作ってもらったはいいが……街全体を張り巡らせるだけで500貫、こんなもん町の人は出れんし費用はかかるしで基本的にはよっぽどがないと使えないよ。

今回は試作テストとことが事だから許可出した。うん、絶大な効果だ!

暗闇に見えない時に時間稼ぎには本当に使える!しかも大将も狙撃出来たから大満足だ!

あの大将誰なんだろうな!


「撤退だぁ!」

「ひえぇ!」

「狙撃を成功させたのは?」

「カブキマスク殿です」

「カブキさんに酒今日は好きなだけ飲ませていいって伝えて」

「はっ!」


……キャロル達、勝ったんだよね?

敵、来ないんだよね?


「月光会は鉄糸てっしの回収をしたら休んでいいぞ!」

「わかりました、報酬は?」

「全員無事だな?一人当たり30貫出す!」

「聞いたか!月光会は羽振りもいいぞ!出石の町も月光会を支援しないか!」

「ひょえー!1回の戦に30貫だってよ!」

「しかも町を第一ならこりゃ支援したくなるなあ」

「集え!月光会に!」

「そして平和のために戦おう!」

「お、俺も入りたい!」

「出石の町の座はあんたらを完全支援するぜ!」

「それがしの道場も月光会のためなら武芸の事ならなんでもしよう!」

「本願寺なんて糞食らえだ!仏が殺生して何だってんだ!」


1560年4月10日、ここ出石の町にて大規模な暗殺事件が発生。暗殺に失敗したと判明すると石山本願寺は1000人の兵士を出して町ごとの殺戮を計画、しかしこれも鉄糸てっしと呼ばれる新兵器とカブキマスクという男の手により、逆に大将を狙撃され兵達が逃げるという結果に終わった。

1日後4月11日、上杉家の兵士が到着。

出石の町は、完全に月光会の元に特殊管理される事となった。

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