第190話 サルベル国とドッペルゲンガーの検証

 ニーナによると、俺はずっとニーナの胸に顔を埋め、君を妻の1人として大事にする、魔王を討滅したらスキルを返納してでも子を産める体に戻し、俺の子を産んで欲しい事や、体を元に戻すのに必要な事を最優先にすると話していたらしい。


 らしいともと言うのは、タウンドリフトの制約を無視した人数でサルベル国に飛んだから、スキルの制約を無視した反動から泣き上戸になっていた。


 自殺をする気配はなかったが、その・・・ずっと乳首をチュパチュパと吸っていて、赤ちゃん言葉だったと。

 これはニーナの胸のうちに秘め、俺と2人だけの秘密にしてくれるそうだ。

 俺に赤ちゃんプレイの性癖はない・・・・目覚めてしまったのか?とショックを受けた。


 サルベル国に着く直前に意識を取り戻したが、恥ずかしそうにしているニーナの姿が新鮮だった。


 意識を取り戻してから時間が経過するに従い、徐々に何事があったのかを思い出してきた。


 そしてニーナの股間を改めて確認すると、やはり何もなく、不思議な空間があるだけだった。

 勿論そこにエロスの欠片は何もない。


 俺の体は度重なる魔力放出に悲鳴をあげ、サルベル国に到着した頃にはフラフラだった。


 俺は血の兄弟の屋敷に身を寄せるのだと思ったら、シャルルはその足で城に向かい、父親たる国王と話していたようだ。

 またはっちゃけたかったのに・・・


 俺はと言うと意識が朦朧としており、シャルルの自室に運ばれて暫く寝ていたそうだ。

 その後の事は記憶が混乱しており殆ど覚えていなかったが、シャルルの補助があったと言うか、シャルルが耳元で囁く事をオウム返しのように喋って応対をしていたらしい。


 結局国王が俺の配下の新国家に加わるという事になり、そのまま総督に就任して貰った。

 また、クマーシャル国王宛の手紙をを託される感じだ。

 シャルワルーの時と何ら変わらない。


 とりあえずの目的地であるクマーシャルへ早々に飛んだのだが、俺の繭の中にはみっちゃん2号がいる。


 なぜドッペルゲンガーの方が一緒にいるのかと言うと、そういう事である。

 今回も合流した高校生等を含んでいるので10名以上が一緒に飛んでいる。

 度重なり制限無視をしている為、反動がかなり酷い。


 今後の事を考えるとクマーシャルには早々到着しておきたかった。


 タウンドリフトの制限無視についての副反応は色々ある。

 自殺しかねないので誰かが付き添いをする必要があるのだが、さすがに男にくっつかれるのは嫌なので、どうしても女性が同行者となる。


 娼婦などを連れてくるのは駄目なので、妻になる予定の者達の誰かという事になる。

 俺は女性にとって思い出のあるちゃんとした初夜を過ごさなきゃだめだと言っているのもあるが、気が付いたらやっていました!というのはもうアニーファ1人きりにする事になっている。


 そこで俺以外で相談し、一計を案じたのがみっちゃん2号の同伴である。


 これまでに分っているのは、2号に切り傷を負わせ、本体とハイタッチで本体に取り込まれても記憶は引き継ぐが、肉体的なダメージは残らない。

 次にドッペルゲンガーを発現すると、発現時点でのみっちゃんの完全コピーが出来上がる。

 そのように判明しているので、例えば俺が2号を犯して純潔を奪おうが、そういう事がされた記憶だけが残り、みっちゃんの純潔は保たれているはずだと言っていた。


 みっちゃんはそれは恥ずかしいとは言っていたが、頑張りますと皆の前で宣言していたらしい。

 もしも純潔を失ってもその時期が早くなるだけで、捧げる相手は変わらないから問題ない!些細な問題となったようだ。


 いや、あかんやろ・・・・



 という事で、つまりですね・・・現役女子高生とやっちゃった訳ですわ。

 誘ってきたんだよ!荒々しいのが好きとか言って・・・


 スキルの反動による性欲を満たされると正気に戻るのだが、アウトだよな・・・のはずなのだが、みっちゃんからは、これはセーフな内容と決められたと言われ、頭がまだ回っておらず、渋々納得させられた。


 また、サルベル国が俺の配下に入った旨を伝えられ、なんとなくそういう事を誰かが宣言していたような気がするが、その辺りの記憶も段々と蘇ってくる。


 そして2号から衝撃な事を言われた。

 クマーシャルに着く直前にこの2号を殺して欲しいと言われたのだ。


 繭の中で2号から伝えられた内容が何かを話すのは良いが、ここで何があったかはみっちゃん本人に伝えないで欲しいと言う。

 これは何度も初めての時を過ごす記憶を残したくないからというのと、ドッペルゲンガーが死んだ時のみっちゃんの状態を正しく認識したいと


 元々そういう色々な目的もあり、同行者を2号にしたと言っていた。

 2号の死体がすぐ消えないようであれば、俺の収納に死蔵して欲しいとまで言われた。

 その、死んでからすぐの状態でドッペルゲンガーを発動できるのか?できないのか?を含め、今までやっていなかった検証をこの際するという事になったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る