第189話 シャルルにより2国目併合

 俺は情ない唸り声を上げていたが、会議室の上座側に俺は座らさせられ、右にシャルル、左にアイリーン、更にその横にみっちゃん、シャルルの横にニーナが座る。


 また、アニーファやエンピアルも同席しており、アウィンはそこが己の定位置と言わんばかりに俺の右斜め後ろ、左側はセレネが警護するかのように椅子を移動して座っている。


「陛下!お疲れの所申し訳ありません。この後、程なくしてサルベルに飛ばれると聞きましたので急ぎお願いに参りました」


 あー・・・そういう事か・・・・と思ったら最初の話は俺の予測外・・・


「我が娘エナリスを娶って頂けるそうで僥倖でございます。また、私をそのままこの国の、いや、地方の総督に命じて頂けるとの事で恐悦至極。既に陛下が最初の領地とされたトライデルに、シャルワルーが陛下の支配下に入った旨を知らせる為に使節と騎士団を派遣し、国境の廃止に向けての協議に移るのと、この書状をサルベル国王、クマーシャル国王にお渡しくだされ!」


 俺はシャルルを見たが、頷くだけで、アイリーンを見るとやはり肯定を示すように頷く。


 どうやら最早俺の意志はそこにはなく、既に決定事項だ。

 それと聞き捨てならぬ事を言っていたぞ?

 エナリスを妻?意味が分らん。

 確かにみっちゃんは俺の妻になる者はみっちゃんとアイリーンが決めると言っていたが、それにしても14歳はありえないぞ!

 おいみっちゃんよ!俺に中学生を抱かせるってロリじゃないぞ!


「シャルルが詳細を詰めたのか?」


「はい。妻の1人としての私の役目として、陛下の政治判断の一部を私が担っておりますから、陛下が休まれている間に、陛下の代理として指示を出しております。陛下におかれましては私を信じてシャルワルー国王に、シャルワルー地方の総督を命ずると告げて頂くだけでございます」


 俺はシャルワルー国王に総督を命ずるしかなかったが、まあ、これは想定内だが、エナリスについては意味不明だ。

 だが、もう決まった事のようだ。

 あかん、思考が追いつかない・・・正直に言うと逃げ出したい。

 ハーレムなんていらん。

 沢山の女をと思うなよ!

 機嫌を気にして良い夫を演じる?やだよ。

 妻がいて、一人くらいも不倫をする?のが良いんだよ!と以前大学の頃からの友人が言っていたな。


 ただ、そいつの話は変態だったから話半分で、頼むから俺は誘うなよ!となっていたんだよな。

 だがこの状況だと同じ事を口にしたい気分だ。今ならその気持ちも分からなくもない。


 それはともかく、俺は元々二股を掛ける程の器用さはないのに、どうしてこうなったんだ?


 ただ付き合っている、重い関係ではないのが理想だったんだ。


 魔王を討伐したら絶対に隠居生活してやる!


 シャルルが俺に何かと指示をしてくる。

 元々俺が頼んだ事を実行し、俺の為に動いてくれる有能な秘書の立ち位置にいる。

 だが、俺の描いた未来像とシャルルのそれは違うようだ。


 取り敢えず今は結婚云々は置いておこう。

 先にしなければならない事が多過ぎる。


 各国に送り込む使者も選定されていて、俺はというと、単に承認するだけだった。


 どうやらシャルルが俺を皇帝にさせようと計画し。それを実行したのだ。

 だが、その手腕から俺が皇帝ではなく、シャルルが女帝で良いんじゃねぇ!?と思うんだよなぁ・・・って言えたらどれだけ良いか・・・


 スキルの取扱の説明事項を見ていなかったのが運の尽き?

 年貢の納め時のようだ。

 既に奴隷にした女性に手を出しちまった・・・


 面談というか、話し合いの後ニーナが俺に抱き付く形でサルベルへ飛ぶ事になり、多分俺が気絶したり、ニーナを襲う?または自殺を図る?かもなので俺の事をニーナに託した。

 今回は制限を無視したらどうなるか分かった上でだ。


 その、タウンドリフトの制限無視で女を求める状況なので、繭の中で早速ニーナとおっぱじめてしまったのだが、ニーナが子をなせない理由が分かった。

 それで急激に正気に戻りニーナに服を着せていく。

 彼女は俺に今の自分の状態を見た上で娶るかどうか判断するように告げてきた。


 どのようになっているか不思議だが、俺の男性器をセットするはずの所がなかったのだ。

 ぱっと目は普通だが、指を突っ込むも何もない不思議空間が広がっている。

 しかも魔法か何かで見た目が本来のそれだが、手を触れるとよく分かった。

 これでは妊娠しようもない。


 本来女性器がありその奥に子宮があるが、そこがすっぽりなく、尿道もないのだ。小便の行き先は不明で、尿意を催すと即時に出していると。


 剣聖になった時に女神だかに子宮と女性器を預けざるを得なかったと。

 強さと引き換えに、ある意味女を失ったのな・・・

 おっさんくさいのはその影響か?

 それはともかく、俺はそんなニーナを正式に娶ると告げるしかなかった。

 残りの時間おっぱいを揉むでもなく、ニーナの髪をひたすら梳きつつ、お互いの身の上話をするのであった。

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