第191話 みっちゃんを殺したのは俺だ!
俺は色々な想いをみっちゃん2号に話していた。
本来話さないような事をだ。
不安な事、本当は今の立場もなぜこうなった?と思い、逃げ出したいがそれができないと。
みっちゃんから言われたのは、絶対に瑞希には言わないでと。
俺の事を英雄だと、子供の頃に命を救ってくれた恩人で、心の底から俺の事を愛していて、もしもエッチしたいと言えば間違いなくすぐにやらせてくれるとまで言い切っていた。
その気持ちを下衆に受け止めずに、愛情を込めて受け止める大人の対応をと言われた。
そんな瑞希にそのような事を言うのは可哀想だと。
2号さんは自分が本体の為に死すと分かっているが、魂が死ぬ訳ではないから怖くないと言っていた。
また、俺に対する本音を暴露した。
最初は瑞希にくっついている害虫だと思ったが、女性に優しく紳士なのと、かなり抜けているところがあり惹かれたと言っていた。
それに召喚直後に救ってくれた感謝から好きになったと言っていた。
そしてそろそろクマーシャルに到着となり、彼女は睡眠薬を飲み、俺に別れを告げた。
彼女がドッペルゲンガーなのは分かっている。
服を脱ぐと消え失せたからだ。
俺は今回限りだぞと涙を流しながら眠っている2号の首に手をやり、絞め殺した。
すると体が光り、やがて霧散していった。
嫌な事をさせられた。
ただ、これは他の者にさせられない。みっちゃんからというか、2号から検証したくても本体が殺しても意味がなかったと言っていた。
記憶も全て本体に入ったと。
他人に殺されるか、偶発的な事故で死なないと検証出来ない。
スキルについてあまり多くの者に知られたくないから、必然的にパーティーメンバーに頼む事になる。
そうなると俺しかいない。
これは自分自身が今後生き残る為だからと、協力を求められたのだ。
事後に言われたが、俺に抱かれたのがその対価だと言われると立つ瀬がない。
みっちゃんの為だと分かってはいるが、何度もやるような事ではない。
2度とごめんこうむりたい。
ただでさえタウンドリフトの制限を無視した事の影響で精神が不安定で、地上に降りてからみっちゃんを見るとその小さな胸に顔を埋め、何度もごめんなさいと謝った。
屋敷に降り立ったが、自室に運ばれると暫く交代交代で誰かが看病されていたが、俺は半日ほど意識をなくしていた。
俺は単なる運び屋だ、
皆を飛ばして目的の場所に移動する。
皇帝?
単にお飾りさ。
経理はできるけど、政治は無理無理。
電卓を彈き、帳簿を付けるのは得意さ。
俺が起きた時、俺の周りにはクマーシャルの国王達がいて、既に俺に降っていたよ。
シャルルが言っていた通りだ。
この大陸の国は小さいとはいえ2国が併合されると、国力のバランスが一気に崩れる。
最初の1国を俺が得ると、シャルワールが間違いなく俺に王権を移譲するから、2国を無傷で得る。
その状況からはサルベル国はシャルルが何とでもなると言っていた。
そして3国を統べれば他の国に選択肢はなくなる。
クマーシャルもそうだ。
ただ、アーリバンだけは分からないと。
だからこの状況も実際は想定内だ。
戦争がなく大陸の統一を果たせば、これから多くの者が死なずに済み、人員も経済発展に寄与できる方にシフトできる。
だが、それらは全てシャルルの手腕とニーナが俺の後ろ盾になっているからだ。
アーリバンを入れると残り3国だ。既に大陸の半分を統一した。
残り2国は間違いなく俺に恭順すると言っていた。
問題なく統一を進めれば残りはアーリバンだが、魔王はアーリバンのどこかにいるだろうと言う。
中間管理職になんかなりたくないと思っていたが、社長になった感じだ。いや、取締役会長と言う感じだ。
体が悲鳴を上げていて、今日は軽く挨拶だけをし、身内だけにしてもらったが、俺は魔力放出の影響から少し眠る事にした。
俺が寝ている間はずっと誰かが手を握ってくれていたが、7割の高校生達がクマーシャルに集った。
これから忙しくなる。
また、俺が目覚めたと分かるとプリオールが緊急の知らせをと慌てて来たが、その手には何故か白金貨が握られていたのであった。
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