第186話 アニーファ達の処置

 行きは約1時間のフライだったが、帰りは2時間30分程掛かった。

 しかし、体の負担は大きく、俺はともかくアイリーンが辛そうだった。

 

 城に着くとアイリーンには客間で休んで貰うようにしてから会議に入っていた。


 そうこうしていると飛ばした非戦闘が、俺が指定した城の広間に来た。

 そうそう、飛ばす直前に、首謀者は一刻も早く城に送った方が良いなとなり、飛ばしていた。


 城についてからは即時会議に参加し、もとい、引き出され弁明を聞くも殺せとしか言わない。

 痺れを切らしたニーナが告げる。


「お前の娘を自殺を禁じたうえで、このレオンに衆人監修の場で犯して貰っても良いんだぞ!娘達の処遇はお前の態度次第だと言ったよな?言っておくが彼こそ真の勇者だぞ」


「頼むからそれだけはやめてくれ!分かった、何でも話す!だから娘は国外追放にしてくれ!それと後生だ!最後に娘に会わせてくれまいか?」


 誰かが痴れ者と詰め寄るので手を上げて静止した。


「分かった。1分だけだ。娘の前に妻とも1分で最後の別れを告げろ。少なくとも生きて二度と会わすつもりはない。それとお前の処遇については俺は一切関与しない。だが、お前の周りの内戦に加担していない者は俺が身柄を預かる。つまりその者達の処遇はお前次第だ。幸い俺の同胞は刺客としてシャルワルー国に送り込んだ以外は軟禁していたようだから首は繋がったが、もし、女が純潔を散らされていたら、ニーナの言葉じゃないがお前の娘を同じ目にあわさなければならなかったんだ。俺は非人道的な事をなるべくならば避けたい。お前が正直に話すなら娘達はクマーシャルのアカデミーに通わせ、冒険者として生きてもらうつもりだ。だが、お前が非誠実だったら性奴隷として娼館で死ぬまで客を取らせるぞ」


 俺はニーナからも、シャルルからも似たような態度で挑むように言われ、それをドルトン公爵に淡々と告げた。


 効果覿面で城に来てからはまだ少し態度がデカかったが、俺から言われ完全に折れたようだ。

 どうやらこの公爵は娘を溺愛しているようで、俺が下手な事をするのを止めたかった。


 公爵を別室に連れて行き、妻及び娘と会わせてやった。


 妻からはやはり娘を助けて欲しいと言い、ニーナから俺の奴隷として保護しないと怨恨からすぐに殺されるよと言われ理解したようだ。


 この妻からも俺の女として、性奴隷として尽くすし、産めと言われれば子を生むからと、娘には手を出さないでと泣かれた。

 ニーナやシャルルからそれも1つの選択肢だと言われた。

 確かに妖艶な34歳の美女だ。心が動かなくはないが人妻を抱くのはあかんやろ!と、それやったらアイリーンに絶対嫌われるからというのもあり、丁重に断ったさ。


 その後やはり母親と娘の最後の別れをさせた。

 酷い事だが、国家反逆罪の罪は本来一族郎党全て処刑が当たり前の世界だったから、俺のやる事は皇帝就任の恩赦として、皇帝付けの奴隷落ちと発表される。


 結局断ろうとしていた皇帝というのを、アニーファという公爵の娘を救うのに受け入れるしかなかった。


 その後シャルワルーへ向かう準備をし、新国王の手紙を携えて飛ぶのだが、当たりを引いたエンピアルが俺の背中に抱き着いている状態でシャルワルーへ飛ぶ事になった。

 その中に公爵の妻と娘のアニーファも勿論いる。


 俺はまた保護する者が増えたのだが、頭が痛くなりつつ、タウンドリフトを発動し、エンピアルとの濃密な時間を過ごすのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る