第155話 依頼を開始する

 ギルドを出た後は目的の村まで馬車で移動だ。


 採算度外視の為、配下の冒険者を護衛として連れてきている。

 さくら達はその人数から驚いていたが、双子はふ~ん程度だった。

 どうも最初はシャルルの護衛だと思ったようだが。

 勿論シャルルも護衛するが、彼らの最優先は恐らく俺だろう。


俺を始め男子は皆、時折平手打ちをされていた。

 そう、女子にお触りをしたりしようとしていたからだ。


 俺はというと・・・馬車の中で隣に座っているシャルルの太腿を撫で回していたりするので、その度にみっちゃんに殴られたり、相変わらずアイリーンから【メッ!ですよ!】をされていた。


 シャルルを一刻も早くベッドの上で押し倒したい!としか思えなく、このままだと誰かを犯しかねなくなりつつある。

 勿論スキルに侵食されているからだが、皆それを分かっているからなじってはこない。


 シャルルは俺に触られるのをひたすら我慢している。

(実は当の本人は、表には出さないが、触られて喜んでいたりする)

 流石に股間に近いところを触りに行くとみっちゃんに殴られる。


 徒歩だと2時間掛かるが、足の早い馬を使った馬車の為か1時間程で着いた。

 高価な魔物避けを使ったのもあり、偶々街道にいた魔物との遭遇戦以外何もなかった。


 依頼についてだが、依頼受託直後に皆と話をし、初期評価としてオークの集落が近くにあり上位個体が率いているのではないのか?となった。


 また、上位個体がいる群れは、大抵の場合群れ全体の知能が一段上がるというぐらいに変わってくると言う。

 なので、村人の目を盗みこっそりと獲物をかっさらっているのではないかとなった。


 こちらも人数が人数だし、オークの集落位であれば問題なく潰す事ができるだろうという話になった。

 今回の目的はあくまでも、なるべく強い魔物を倒してレベルを上げる!それが目的だ。

 採算なんてどうでもいい。


 確かに聞いているオークやその上位種でジェネラル程度の強さであれば、俺のぺったんこさん、又はこの人数によるゴリ押しでなんとかなる!そういう判定になった。


 もしもサイクロプス等のような大型の魔物がいれば、振動などからその存在はすでに発見されているだろうという事で、オーガやサイクロプス等、大型がいる可能性は除外していった。

 そしてゴブリンではそこまで知能がないという事になり、忽然と攫うのなどと組織的と思われる動きをしている事から、オークの集落では?という話になった。


 皆の話からなるほどと思う。

 闇雲になんとなくオークだろうなあ!という訳ではなく、皆がきちんと考えており、消去法での予測だったからだ。


 その村は川沿いにある小さな村だった。


 川から水路を引き、村全体を水路で囲っており、村は水に囲まれた感じになっている。

 唯一ある橋が村への行き来の手段であり、そこには大きな門がある。それ以外は特に柵もない。


 その門には警護の者がおり、魔物の侵入のみを防いでいるのか、俺達を見ても誰何すらせず手振りで通してくれた。


 シャルルを含めた俺の本来のパーティー7人(ニーナはいない)、さくら達6人、双子達のパーティー6名、俺の配下(奴隷者)で護衛兼御者12名と総勢30名を超えての大所帯なものだから、慌てた村長が出迎え、更に自国の姫がいると分かると可哀想な位に狼狽えていた。


 ここはアウィンの出番だ。


「村長殿、心配なされるな。我らの訓練を兼ねて来ているだけだから、申込みの依頼料以外は発生しない。人数が多いのはあくまでこちらの都合だから気にしない事だ。それにシャルル様とて魔物を討伐もする。王族が魔物を退治する方が何かと都合が良い事もあり、パフォーマンスもあるから畏まらなくても良い」


「はあ、そんなものなのでございますね。それでは・・・」


 説明の後、気の毒な村長の代わりに事情を知らないおっさんが道案内人とし、問題の場所に向かう。

 牧草地帯は村の外にあり、そこは人が住まないので、本来魔物は殆ど出ないそうだ。


 向かう事10分で問題の牧場に到着だ。

 早速アイリーンとみっちゃんにハーネスを出して装着していく。

 すると上空より何かが飛来し、1頭の羊?のような動物を足で掴むと、その羊のボエェーとの鳴き声と共に上空に向かっていった。


 俺は咄嗟に直径5m、長さ10mほどの穴を斜めに開け、アイリーンを抱えて飛び立った。


「そこに退避していろ!地上に落ちたらボコれ!」


 皆に指示をし、俺はそいつを追い掛けた。


 みっちゃんはまだハーネスを装着中だったからアイリーンをお姫様だっこし飛び立ったものだから、急ぎカラビナを着けさせ。

 俺はその緑色をしたワイバーン?を追いかける。



 ワイバーンより上に飛び、

 アイリーンに弓矢を渡し、頭上から矢を射かけさせるのであった。

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