第146話 男同士の語らい

 夕食は盛り上がった。


 さくらって子がロンベルを倒した者に告白し、正式に付き合う事になったからだ。

 相手は谷本くんと言ったな。


 それと和美って子も鈴木くんに告白していて驚いた。

 うーん・・・哀れ残りの2人。

 でも祝福していたからよかよかなのか?


 みっちゃんから聞いていたのは、シャルルのところに来た男子はこのさくらって子の取り巻きだそうで、俺が駅でぶつかりトイレに行った奴もそうだったと。


 そう言えば道中シャルルがさくらって子の事をしきりに気にしていて、誰か1人を選ぶように言ったと話していたよな。


 確か男はハーレムを作れるが、女がハーレムを作るのは処刑の対象だと言っていたな。

 男女比の違いからだそうで、ただでさえ少なくなっている男を独占するのは禁忌とされていて、さくらって子がそうみなされ兼ねないと危機感を抱いていたから、シャルルは泣いて喜んでいたな。


 後で聞いたが、実際問題として一部の貴族から、シャルルの友人がそうじゃないかと疑われていたと言っていた。


 さくらは美人タイプだけど、気が強そうで俺は苦手だな。

 だが、シャルルやみっちゃんの話だと、見た目によらずお人好しで悪ぶる所もあるが、基本的に良い子だそうだ。


 今回の事で2人の男子はその行動からマドンナ的存在のハートを射止めた訳か。ふむふむ。


 ある程度腹が満たされてきたタイミングで、これからの事について話す事にした。


「色々な事があったと思うけど、全員無事で何よりだ。一応先程話した通りスキル制御の2段階目を取るまでは命に関わる状況以外、スキルは使わない方が良い。もしも使うとスキルからの精神汚染で攻撃的になり、更に性的に開放過ぎるようになり、男は無境なく女とやりたくなり、それに伴い破廉恥な行動を取る。また、女は最終期に男を見ると誰にでも抱かれたくなり、求めてしまうようになる。こうなったら殴るなどするしかなくなるぞ」


 皆頷いていた。

 そのようにはなりたくないな!と誰かがしみじみと呟いていた。

 俺が何をしたのか、アイリーンとみっちゃんがやたらと俺を誘惑していた事、勿論スキルの影響と分かり2人に何もしていないと付け加えた。


 この2人がそうなるところを誰も想像がつかなく、その深刻さを理解したようだ。


 勿論今はレベルを上げてポイントが溜まったので、スキル制御を取得していると話した。

 そこからは本来の2人に戻っていると話すも、何故かニーナを除く女子全員からジト目をされた。


 ニーナは相変わらずニタニタしているが。


 食事の後風呂となったがさすがに風呂はひとつなので、女性タイム、男性タイムと時間を分けて入る事になった。


 と言っても、俺の魔力の関係から男子が先に入り、出る時にお湯を一度捨て張り直す。

 俺はというと、魔導具に魔力をチャージして女性陣が入浴する分のお湯を作っていた。


 それと部屋だが、さすがに1人につき1部屋という訳にはいかず、俺は谷本君、鈴木君達と同室となった。


 男子と話しをしていて分かったのは、軟禁生活自体は牢屋に閉じ込められた訳ではなく、客室に閉じ込められ、風呂やトイレぐらいしか部屋の外に出られなく、常に監視下に置かれていたと。


 また、この世界の事をほとんど知らなかったので、主に俺が知っている中の倫理観についてなど教えた。


 この2人は俺と同室になる事をシャルルに求めていた。男性用の部屋は2部屋になるから2人と3人に分かれるので、俺はどのみち3人部屋になると思っていたから、正直誰と一緒でも大差ない。


 護衛をしていた配下の冒険者達は宿を取っており、そちらに泊まる事になったそうだ。人数的にシャルルの館ではカバーできないからだ。


 切実な話として避妊具がないと言って来た。しかも唐突にだ。



 女性とお付き合いする事になるという事は、遅かれ早かれ体の関係になる事も考えないといけないのだと真面目に言っていた。


 勿論すぐにとは行かないだろうが、この状況下だと、そう遠くない日にそうなるだろうと俺も思う。


 手持ちに少しコンドームが残っていたので渡してあげた。ただし倫理観についての話をくどくど説明し、決して遊びで抱くなと言っておいた。


 ただ、2人は童貞で、予習するのにビデオも見れないからと、俺にベッドマナー?について、どうやって初めての相手をリードすれば良いか聞いてきた。


 俺は異世界で何やってんだよ?と自問しつつ、女の抱き方など、少年誌に書けない内容を夜な夜な語るのであった。

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