第134話 シャルルを揉んだ!
俺は無我夢中で魔石をホリホリしており、シャルルからいくつか渡された後、取りこぼしがないか1度上昇して確認した。
残念ながらアイテムはドロップしなかったようだ。
それと、血の匂いがしないので、魔物しかいなかったっぽい。
ただ、時折シャルルから見られているような気がして振り向くと、シャルルは決まってスコップで1つの魔石を掘り終わるところだ。
そして、てててててと駆け寄り俺に魔石を渡してくる。
無駄な事をするなぁと思うが、必ず次に掘る所を聞いてくる。
そうして全てを回収した後、皆の所に戻り掛けたが、藪から何かが出てくる気配がした。
今いるのは、丁度岩でぺったんこさんになった所と草むらの境目だ。
何となく何かを背にしていないと落ち着かず、草むらを背にしていたが、後から思うと迂闊な行動だった。
「セレネ!背中にしがみつけ!」
そう叫ぶと、俺に背を向けていたシャルルを後ろから抱きつく形で捕まえると急上昇した。
するとさっきまでいた所をワーウルフの群れが通り過ぎ、平坦路を走っていた。
またその背後からサイクロプスが現れた。
サイクロプスはワーウルフを追い掛けており、ドスンドスンと猛スピードで走っている。棍棒を振るうと、最後尾のワーウルフ数頭が吹き飛び、吹き飛びながら霧散していく。
俺達は「なっ!」と叫ぶ。
変な格好で無理にシャルルを抱えたので長くは持たない。
胸を思いっきり鷲掴みにしていたが、その感触を堪能する暇はなかった。
俺は何をするのか即決した。
「1号さんの出番だ!ぽいっ!」
足から1号岩が落下する。
範囲内にまだ先のワーウルフの群れがいるので急ぎ落とした。
ドッゴーン!
「ヒィャー!」
凄まじい衝撃と音から、シャルルが可愛らしい悲鳴を上げた。
ふう!とため息を付きつつ、俺の右腕はしていたが延左胸をもみもみしていた。
あかん!止まらん!
「ひぃ~」
シャルルが小さな悲鳴を上げる。
すると俺の頭に痛みが少し走ったんだ。
「御主人様、シャルル嫌がってる。それベッドの上でする事にゃ!」
「レオン様!流石に今この場で胸を堪能されるのはどうかと思いますわ。そういう事は正式に娶るか、妾にして頂いてからでお願い致しますわ」
俺はハッとなり取り敢えず岩にある平坦な所に降り立った。
しかし、まだ岩を収納には入れない。
想定される数のレベルアップがしていないからだ。つまりまだサイクロプスは生きている事を意味する。
だが、即時に土下座をする。
「ごめんなさい!魅力的過ぎて止められなかった。ごめんなさい!」
「仕方のない方ですわ。これがスキルの影響なのですわね!歯を食いしばりなさい!」
俺は肩を掴まれて立たされ、目を瞑る。するとパチーンと乾いた音がした。
俺は頬を擦りながらキョトンとしていた。
「正気に戻りましたか?」
俺は正気に戻った振りをする。
先程胸を揉んだのは、シャルルの魅力に勝てず、ついついもみもみしていたのだ。はっきりとその甘美な感触が手に残っている。
「あっ!俺はまた何かやったか?」
「ずっと私の胸を揉まれておりましたのよ!恥ずかしかったですわ。スキルの悪影響からではありますが、夜空の散歩に連れて行って貰わないと許せませんことよ!」
「わ、わかった。エスコートするよ。本当にごめんなさい」
何とか乗り切った!シャルルに嫌われるのは避けた!出来心なのをスキルの悪影響と勝手に思ってくれて助かった!でも柔らかかったなー!と思ったんだよ。ほっ!
・・・
レオンは勘違いをしていた。
スキルの悪影響時の事は記憶にないと思っていたが、あくまで本来しないような方に思考が誘導されているのだ。勿論先程胸を触ったのは不可抗力だ。
しかし、揉んだのはスキルの悪影響から不埒な事をついついしたのだ。
実はシャルルの方が、スキルの悪影響についてよく分かっていた。
・・・
次にセレネが参戦だ。
「御主人様?夜空の散歩はあたしも連れて行って欲しいのだ!シャルルと2人で外に行ったら、お外でおっぱじめると思うのだ!だからあたしも行くのだ!」
俺とシャルルはお互いに真っ赤になったが、そんな時サイクロプスが死んだのか、レベルが上がった旨のアナウンスが聞こえたのであった。
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