第133話 ぺったんこさんと色々な3号

 俺はシャルルの体の柔らかさと温もりを堪能していた。

 彼女の触り心地は大変心地良いのだ。

 それはアイリーンと比べても遜色がないレベルだ。そしてセレネの感触は・・・やはりぺったんこさんである。


 どうして非戦闘系のシャルルを飛んで戦闘に向かっているのかと言うと、セレネとシャルルは俺のというか、冒険者パーティーレオーネのメンバーになったばかりだからだ。


 アウィンは元々冒険者登録をしており、既にある程度の強さがあるから除外だ。


 2人のレベルが低いというか、冒険者登録をしていなかった。当たり前だがレベルの恩恵がない為、レベル1スタートだ。


 なのでパワーレベリングを行う為に連れてきている。

 まあ、言ってしまえばそれだけだ。

 俺はむっつりさんなので、単にシャルルの体の柔らかさを堪能したかったという事もなくはないが、それはあくまでも副次的な事である。


「そういえばレオン様はどのように戦われるのでしょうか?ニーナ様によると、ただぺったんこさんとしか言わないのですが、どういう事でしょうか?」


「あっ!あたしも興味あるにゃ!」


 俺は索敵しつつ、2人にドヤ顔で無限収納による5段階活用について説いていた。

 しかし2人共半信半疑である。


 5分位索敵していると、ふとセレネが告げた。


「上に逃げて!」


 俺はセレネの言葉を聞くと咄嗟に10m程上に上がったが、俺の靴に何かが当たった。


 落ちていく物を見ると粗末な矢だった。


 俺はうおっ!と唸るが、セレネは矢が飛んできた方角を教えてくれた。


「サンキュー!」


 そこはセレネの身の丈程の草が生い茂っていた。

 一見何も無いようなただの草むらに見えるが、その辺りをよく見ると何かが動いている感じがする。


「オーク一杯いる」


 勿論魔物しかいないが、どうやら20匹ほどのオークがいるようだ。


「セレネは凄いな。よく分かるな!」


 セレネの顔は見えないが、俺が褒めると嬉しそうにしている。


「3号で十分か」


「3号とは?」


 俺はつい考えを口に出していたようで、シャルルが聞いてきた。


「よし、びっくりしてちびるなよ。今からさっき話した無限収納の5段階活用の1つを見せるよ。3号とは俺の持っている中で3番目に大きい岩って事で、何を使うか考えていたのが口に出ていたようだ。じゃあ落とすよ!」


 シャルルがキョトンとしているが、ドサクサに紛れてつい胸を揉んじゃった。手が当たっているからつい揉んだよね。少しだけだから良いよね!

 しかし、シャルルがムスッとしている。取り敢えず謝っておこう。


「ごめん。胸に手が当たってしまったね。ほら、今から行くから下を見ていて。ぺったんこさん行きまーす!3,2,1,今!」


 俺は3号さんを足から落とした。

 ヒューン・・・ドッゴーン!


「えっ!そんな!まさか!す、凄いですわ!」


「御主人様凄いのだ!みんなぺったんこさんだ!」


 俺は岩の端に降りると、ハーネスのベルトを外した。


 半ば放心状態の2人に追い打ちを掛ける。


「収納!」


 口に出す必要はないが、岩に触れると収納と発して消した。

 体育館程の岩が忽然と眼前から消えて、潰れたかつて草原だった所が露わになった。


「レオン様はやはり凄いお方。うん。やはり決めましたわ!」


 俺は滾っていた。勿論スキルの影響だ。

 ついシャルルの腰に手を回し、抱き寄せるとその顎に手をやった。

 しかしシャルルは抗議するのではなく目を瞑る。

 俺はそっと唇を重ねてしまい、しかも胸をもんだ。

 ハッとなったシャルルが平手打ちをした。


「調子に乗らないでください!唇は許しましたが、胸を触るなんて破廉恥な!」


 俺は正気に戻り、己が何をしたか理解した。


 早速土下座敢行だ。


「済まない。これがスキルの悪影響なんだ。まだ制御しきれていなくて、スキルを使うとその・・・女性を性的に襲いたくなるんだ」


「私ったらごめんなさい。確かに聞いていますわ。レベルを上げて制御するのに必要なスキルを得るまではこうなるのでしたわね。ですが、王族の唇を奪った事には変わりなくてよ。私は3号さんになるのかしら?」


 何ですかその3号って?意味わからんのだが。


「御主人様、シャルル様とここでエッチするのきゃ?あたしは見張ればよいのきゃ?でも、ここでおっぱじめるのは危ないと思うのだ!」


 シャルルは真っ赤だ。


「セレネ、そんな事はしないよ。見張りはお願いしたいけど、これからするのは別の事だよ。ほら、魔石が見えるだろ?今から回収するんだよ。ほら、シャルル、一緒に来て拾おうか」


 俺が収納から出した小さなスコップを渡すと、シャルルは頷くと逃げるように魔石を拾いに向かったのであった。

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