第131話 スキル制御をちゃんと見ていなかった

 シャルルのその大きな瞳に見つめられると正直ドキリとする。

 地球で例えるならフランス人で、良いところの令嬢だ。


 今すぐこの女を押し倒し、犯しまくって孕ませたい!

 という思いが沸々と湧いてくる。

 シャルルは俺の顔を見て少し強張ったのち一言告げた。


「イデア様の言う通りですね。歯を食いしばって下さい。失礼します!」


 パシーン!


 俺の頬に鋭い痛みを感じた。シャルルが平手打ちをしたのだが、その痛みでハッとなった。


「えっ!?あれ?何でシャルルさんが?」


「やはり覚えていなかったのですね。みっちゃんから昨夜はかなりお楽しみだったと聞きました。レオン様、スキルに飲まれておいでですね」


「何となく覚えているけど、アイリーンに嫌われたよな・・・どうしよう・・・」


「レオン様、しっかりなさってください。私、レオン様の事はスキルの影響の旨を申し上げましたわ。ちゃんと話せば許して貰えると思いますわ。レオン様、スキル制御というのはアイリーンやみっちゃんには効果があるようですが、レオン様には効果が薄いようですわ。確認なされた方が宜しいかと。イデア様よりスキル制御についてきちんと確認するべきだと進言するようにと記載された手紙を頂いておりました。何故か今朝開封するようにと渡されておりましたの」


「シャルルは俺の事を軽蔑しないのか?娼婦を抱いたんだぞ!」


「あのですね、貴族の子息は婚姻前に複数の女性と関係を持ち、愛する妻との本番に向けて練習するのがマナーなのですわ。いざ本番の時に経験がなくまごつくのは家の恥。きちんと初めての女性をリード出来るだけの経験を求められます。メイドや高級娼婦で練習するのは当たり前なのですわ。ですから私はレオン様のした事は当たり前で、私の前にちゃんと練習をなさっているだけだと思うので寧ろウエルカムですわ。これがその娼婦を本気で愛してしまった場合は話が別ですけれども。アウィン、貴女もそう思いますわよね?」


「ええ。勿論女性を抱いた経験が無い男と私も婚姻したいとは思いません。経験がない男性に抱かれると大変な思いをすると聞いていますし、何より恥ずかしくなります」


 俺は話半分な状態で聞いていて、スキル制御について深掘りしてみた。


【スキル制御】

 特別スキルについて制御し、スキルに飲まれる事を防ぐ。


 スキル制御は目的のスキル使用時に魔力を消費し、それによりスキルを制御して感情の暴走を防ぐ。



1 スキルについて2つまで攻撃性を抑える。但し性的欲求が高くなるのは対象外 

3  スキル2つまでの完全制御

5  スキル4つまでの攻撃性を抑える。但し性的欲求が高くなるのは対象外

10 スキル4つまでの完全制御



 なんて事だ。俺がはっちゃけていたのはスキル制御のレベルが低く、3つ目と4つ目に得ているスキルの攻撃性がそのままで、性的な衝動はスキル4つ分あったのか。


 だから抑えられなかったようだ。

 至急レベルを上げないとだ。


 アイリーン達はスキルレジストをポイントの関係で10ポイントの75%カットだから、まだポイントは残っているはずだからスキル制御の2段階目の3ポイントを取らせないとだ。


 下手をすると行きずりの者に又を開く迄になるっぽい。

 俺がそうで、お持ち帰りされてはっちゃけていたからだ。正気だったらそんな事はしない。


「いかん。これは早目にスキル制御を上げないと。俺はまあ男だから良いけど、女性陣が誰にでも抱かれるようになってしまう」


「スキルについて、召喚者は後から取得できるのですわね。確か召喚時に取得できるのより1段性能が落ちるようですが、かなり有用だとか」


「ああ、そうか。みっちゃんから道中聞いたか。ニーナもなんとかしてやりたいんだよな。彼女は特別に召喚者が得られるような強力なのを持っているが、呪われているからな」


 俺はそこからまた思案にふけっていたが、シャルルは時折アウィンと何やら話す位で、じっと俺の事を見ていた。

 それとセレネはただ黙って俺にしがみついている。


 そうそう、不思議だったのがセレネをパーティー勧誘をしたらあっさり行けた事だ。

 聞いている内容と違うんだ。

 6人が上限だと聞いているが、それと異なりよく分からなかったので俺はアウィンに聞いた。


「なあアウィン、確か冒険者パーティーは6人までだよな?何故か7人目となるこのセレネもパーティー登録が出来ていて、念の為確認するもちゃんと7人パーティーになっているんだ」


「それでしたら私をパーティーメンバーに出来るのかどうか、試しに勧誘してください」


 俺は半信半疑でシャルルをパーティーへと勧誘したら、シャルルも加わった。


「なるほど。私は5人目のメンバーですわね。確かに普通は違いますが、奴隷商は人数制限なしに奴隷を己のパーティーメンバーに出来ると聞きますが、心当たりはあったりするのでしょうか?」


「えっと、ちょっと待って。アイリーン、ニーナ、アウィン、シャルルがパーティーメンバーで、みっちゃん、エンピアル、セレネが奴隷枠か。あっ!みっちゃんって便宜上俺の奴隷になっていたな。ふむふむ」


「レオン様?大丈夫ですか?」


「ごめんごめん。心当たりだよね。今は封印されているけど、俺って奴隷契約のスキルを持っているようなんだ」


「それですわ。恩恵を受けるのに奴隷の人数は関係ないのと、やはりレオン様のお力は特別ですわ。私は本来パーティーメンバーになれないのですよ」


「どうしてですか?アウィンは行けましたよ」


「本来それが可能なのは、冒険者登録されている者だけなのですよ。ですから冒険者登録していない私はパーティー登録を出来ないのですわ。因みにアウィンは冒険者登録をしておりますわ」


 俺は何故か?と突っ込むのではなく、それを活かす事を考えるのであった。

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